文学

みみずくは黄昏に飛びたつ 村上春樹

比喩 初めての男性相手のセックス 僕が文章を書くときの基本方針 言葉の響き 女の子に手を引かれた思い出 自分の影に触れる みみずくは黄昏に飛びたつ 作者: 川上未映子,村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/27 メディア: 単行本(ソフトカバ…

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事

本当の戦争の話をしよう 対談 村上春樹×柴田元幸 森鴎外 田中小実昌 サリンジャー 下訳 カフカ 前半が翻訳作品についての本人の解説、後半が柴田元幸との対談。 村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事作者:村上 春樹発売日: 2017/03/17メディア: 単行本 本当の戦争…

宮藤官九郎の娘の「クセがすごい」

マコトさん ドイツからのファンレター 娘に拒否られるの巻 え、なんでまた? (文春文庫) 作者: 宮藤官九郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/09/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る マコトさん 交番の隣の掲示板を指差して娘が叫び…

土方巽全集 1 『病める舞姫』『美貌の青空』

『病める舞姫』 『美貌の青空』 土方巽の単行本『病める舞姫』『美貌の青空』『慈悲心鳥〜』を収録した全集の新装版。 土方巽全集 1 作者: 土方巽,種村季弘,鶴岡善久,元藤〓子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/01/21 メディア: 単行本 この商品…

村上春樹と私 ジェイ・ルービン

夏目漱石『坑夫』を推す春樹 二人の翻訳者の違い 「どうせ小説というのはいい加減なものだ」と春樹 村上春樹と私 作者: ジェイルービン,Jay Rubin 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2016/11/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る …

犯罪・捜査・メディア: 19世紀フランスの治安と文化

フランス人にとってのアパッチ族 「ミゼラブル」 ファントマとアパッチ 三面記事 時間がないのでチラ読み。 犯罪・捜査・メディア: 19世紀フランスの治安と文化 (叢書・ウニベルシタス)作者:ドミニク・カリファ発売日: 2016/10/25メディア: 単行本 フランス…

福沢諭吉の『学問のすゝめ』   橋本治

ステロタイプな名文から逃げろ 「虚学」と「実学」 自由と《分限》 《自由》と《独立》 啓蒙思想 福沢諭吉は体制擁護か? 理想から離れてゆく現実に怒る 福沢諭吉の『学問のすゝめ』作者:橋本 治発売日: 2016/06/09メディア: 単行本 ステロタイプな名文から…

不機嫌な作詞家 阿久悠日記を読む

47歳、鬱。 深読みされたペンネーム ザ・モップス『朝まで待てない』 夏目雅子、賀来千香子、松下奈緒 小泉今日子と中森明菜に心弾まない阿久悠 直木賞への未練 大瀧詠一 不機嫌な作詞家 阿久悠日記を読む 作者: 三田完 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2…

遠読――〈世界文学システム〉への挑戦

先に訳者(秋草俊一郎)あとがきから フランス文学 「小説革命」 遠読 冒険という永久機関 遠読――〈世界文学システム〉への挑戦作者:フランコ・モレッティ発売日: 2016/06/11メディア: 単行本 先に訳者(秋草俊一郎)あとがきから 北米の文学研究において、…

内容見本にみる出版昭和史 紀田順一郎

『日本児童文庫』と『小学生全集』のデスマッチ 『現代大衆文学全集』 『漱石全集』 ゴミ扱いの古典 『鴎外全集』 『世界古典文学全集』全五十巻 『世界推理小説全集』 文壇人と推理小説 『岩波英和辞典』 内容見本にみる出版昭和史 (活字倶楽部)作者:紀田 …

野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」・その2

戦場の恐怖 ユダヤ人迫害 ロシア イタリア 本書を通して明らかなように、 前回の続き。 野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」―第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」 (山川歴史モノグラフ)作者:小野寺 拓也発売日: 2012/11/01メディア: …

野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」

検閲 ある無線士ハンス=カール・S ハインリヒ・ベルの手紙 ダメ上官 前線と後方 負の平等 解離:自己の二重化 野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」―第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」 (山川歴史モノグラフ)作者:小野寺 拓也発売日…

アレン・ギンズバーグ現代詩手帖総特集

討議:宮内勝典☓佐藤良明☓原成吉 諏訪優が「吠える」 富山英俊訳「吠える」 総特集アレン・ギンズバーグ (現代詩手帖特集版)メディア: 単行本 討議:宮内勝典☓佐藤良明☓原成吉 佐藤 「文学」でくくれない何が起こったかということを一番ざっくばらんに言うと…

19世紀の女体化妄想『シュレーバー回想録』

訳者解説 脱男性化、女性神経 男根の軟弱化、低身長化の奇蹟 魂の官能的愉悦 裁判医鑑定書から ザクセン王国法曹界No.2まで登りつめるものの、精神を病み、女体化妄想にとらわれた男の回想録。 シュレーバー回想録 (中公クラシックス)作者:D・P・シュレーバ…

浄瑠璃を読もう・その2 橋本治

前回の続き。 「恋愛への衝動」をどう考えていたか 「明確なる状況認識」と「覚悟」 近松 半二 『本朝廿四孝』のドンデン返し 江戸時代の観客は教育も受けていないのにどうして「歴史に関する知識」を有していたか なぜ近松門左衛門 の紹介が最後の方になっ…

浄瑠璃を読もう 橋本治

『仮名手本忠臣蔵』と参加への欲望 第七:一力茶屋の場。 ロックな義太夫節 伏線が空回りする十段目 浄瑠璃を読もう 作者:橋本治 発売日: 2012/01/11 メディア: Kindle版 『仮名手本忠臣蔵』と参加への欲望 『仮名手本忠臣蔵』は江戸元禄の事件を暦応元年(1…

橋本治 性のタブーのない日本 BL源氏物語

平安の「恋多き女」は「男の不実」を嘆く 女房は「非正規雇用の派遣」 顔がわからないネット恋愛状態 「犯される」というのは「顔を見られる」こと BL『源氏物語』 性のタブーのない日本 (集英社新書) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/…

ドゥルーズ「記号と事件」1972‐90年の対話

ゴダール『6x2』をめぐる三つの問題 模倣者たちの陰謀 主体化 追伸――管理社会について チラ見。単行本から引用。文庫本は全面改訳されているらしい。 記号と事件―1972‐1990年の対話 (河出文庫) 作者: ジルドゥルーズ,Gilles Deleuze,宮林寛 出版社/メーカー:…

つかこうへい正伝・その2 岸田戯曲賞受賞

平田満 鈴木忠志 学生サークル劇団でだらけたノリだった「暫」 「役者たちがメシ食えるようにする」 『郵便屋さんちょっと・完結篇』 ヒモ状態のつか 中野幾夫 根岸とし江 文学座『熱海殺人事件』 岸田戯曲賞受賞 前回の続き。 つかこうへい正伝 1968-1982 …

つかこうへい正伝 “何時か公平”説の真偽

父は鉄鋼業やホテル業を営む裕福な家庭の次男。 大学時代のつかが恋していた堀田百合子談 『白と黒とだけの階段』パンフ内のつか理論 齋藤公一談 無頼 『緋牡丹博徒』と『男はつらいよ』 卒業写真 売り込み “何時か公平”説の真偽 つかこうへい正伝 1968-1982…

吉本隆明〈未収録〉第8巻 北村透谷

透谷における倫理の開き方 透谷の自然観 吉本隆明〈未収録〉講演集第8巻 物語と人称のドラマ: 作家論・作品論〈戦前編〉 (シリーズ・全集)作者:吉本 隆明発売日: 2015/07/08メディア: 単行本 透谷における倫理の開き方 まず第一に、「当世文学の潮模様」が割…

吉本隆明〈未収録〉第9巻 物語とメタファー

荒地派について 「物語性の中のメタファー」(寺山修司について) 偽感情 吉本隆明〈未収録〉講演集第9巻 物語とメタファー: 作家論・作品論〈戦後編〉 (シリーズ・全集)作者:吉本 隆明発売日: 2015/08/06メディア: 単行本 荒地派について [四季派の立原道造…

橋本治 失われた〜その2 子規、漱石

正岡子規 北村透谷が《粋》を嫌う理由 夏目漱石 あとがき 前回の続き。 失われた近代を求めてIII 明治二十年代の作家達 (失われた近代を求めて 3) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2014/10/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1…

橋本治 失われた近代を求めて〜北村透谷

北村透谷、近代最初の「挫折した少年」 山路愛山にブチキレ 宗教と《個人的生命》 失われた近代を求めてIII 明治二十年代の作家達 (失われた近代を求めて 3) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2014/10/07 メディア: 単行本 この商品を含…

サリンジャーと過ごした日々 ジョアンナ・ラコフ

訳者あとがきから、内容要約 依頼の断り 『ハプワース』 読者からの手紙 バナナフィッシュ 耳が遠いサリンジャー サリンジャーと過ごした日々作者:ジョアンナ ラコフ発売日: 2015/03/25メディア: 単行本 訳者あとがきから、内容要約 著者がサリンジャーと過…

少年A 矯正2500日全記録 草薙厚子

退院時に懸念されたこと 入所時 “スパルタで育てました” 中学二年、犯行開始 「まさか、あの酒鬼薔薇?」 “かわいいブタ、死ね” 少年A 矯正2500日全記録 (文春文庫) 作者:草薙 厚子 発売日: 2006/04/07 メディア: 文庫 転勤する心を許した教官と涙を流して抱…

「あの戦争」から「この戦争」へ 高橋源一郎

26章『冒頭陳述』 ここから著者の分析。 酒鬼薔薇 なぬぅ、インテリげんちゃんが、ホテトル嬢送迎!?の巻。 「あの戦争」から「この戦争」へ ニッポンの小説3 作者: 高橋源一郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/12/11 メディア: 単行本 この商品…

超「小説」教室  高橋源一郎

選考委員に必要なこと あなたが送るべき新人文学賞は、どれか。 文学史地図 「書かれたもの」より「書きたかったもの」 「完成度」より「可能性」が評価される 選考は、多数決でなく、理解 「読む他者」と恥ずかしさ 『デビュー作を書くための超「小説」教室…

「反おもしろくない」でいけ、春樹批評 吉本隆明

村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』 漱石の形態論 高等遊民 つくられる無意識 反復 吉本隆明未収録講演集第二巻。94年の「物語について」という講演だけ、あまり聴いたことのない話が多かったので引用。 前半が、当時出たばかりの『ねじまき鳥〜』についての…

創造と狂気・その2 マッドポリスヘの道

ボードレールの病理研究 「周期性精神異常者」の文章 ゴッホ書簡。 マッドポリスヘの道 訳者解説 前回のつづき。 創造と狂気: 精神病理学的判断の歴史 (叢書・ウニベルシタス)作者:フレデリック グロ発売日: 2014/07/31メディア: 単行本 偉大な人間のうちに…