貿易

民間企業からの震災復興 関東大震災を経済視点で読みなおす

幻の遷都論 渋沢栄一の対応 関西商人の東京進出、在京企業の関西移転 横浜港壊滅 「横浜・神戸二大港制」をめぐる争い ユーハイム 震災手形問題 ソ連からの救援物資 外国人から見た関東大震災 日本の情報空間の問題点 エピローグ 民間企業からの震災復興 ――…

グローバリゼーション・パラドクス・その2 金本位制

十九世紀関税史の決定的な瞬間 金本位制、いかに自由貿易が社会的緊張を作り出すか 経済学者の自由貿易に関する表と裏 ブレトンウッズ体制 前回の続き。 グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道 作者: ダニロドリック,柴山桂太,…

グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道

序章 巻末の訳者[柴山桂太]あとがき、を先に。 ルールのあるところ、誰かがそれを強いている 市場を支える制度 三つの選択肢から、民主主義と国家主権をハイパーグローバリゼーションよりも優先する道を採るべきと著者。 グローバリゼーション・パラドクス: …

公開性の根源—秘密政治の系譜学 大竹弘二

主権の危機 政治的公開性の機能不全 啓蒙主義による公開性の要求 「神秘体」の転用、『王の二つの身体』 マキャヴェッリに公開性原則の萌芽あり タキトゥス主義 「例外状態」、「必要は法を持たない」 「二つの身体」 大衆への恐怖 「自己統治」 利己的人間…

アフター・ヨーロッパ ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか

人権と危機 ブルガリア 中欧の憤り ギリシャ危機 EU危機の核心、EUエリートが憎まれる理由 国民投票 アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか 作者: イワン・クラステフ,庄司克宏 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/08/04 …

フォークソングのアメリカ―ゆで玉子を産むニワトリ

牛追い(ロング・ドライブ) 牛追いの終わり、ホームステッダー 列車強盗ジェシー・ジェイムス ホーボー・ソング もう一人のジョン・ヘンリー 中国人鉄道工夫 ジョン万次郎、「おお、スザンナ」 船乗りと七つの海の歌 フォークソングのアメリカ―ゆで玉子を産…

官僚制のユートピア デヴィッド・グレーバー

リベラリズムの鉄則と全面的官僚制化の時代 ジョージ・ウォレス「頭でっかちの官僚」 アメリカは根っから官僚制社会 「規制緩和」の罠 実は資格社会のアメリカ とあるエコノミストとの会話 「規制緩和」という名の下で公的権力と私的権力が融合して「全面的…

啓蒙 ドリンダ・ウートラム

カントが公的と呼ぶ領域 貸本、コーヒーハウス 啓蒙の世紀 第3章 啓蒙と統治 第10章 啓蒙の終焉 啓蒙 (叢書・ウニベルシタス)作者:ドリンダ・ウートラム発売日: 2017/12/04メディア: 単行本 カントが公的と呼ぶ領域 カントは、理性の使用ができるだけ進めら…

ブリテン問題とヨーロッパ連邦―フレッチャーと初期啓蒙

フレッチャーの危機意識 合邦問題「外国人法」 トランド『民兵改革論』、フレッチャーの構想 デフォーの批判 封建的土地所有の解体と新たな統治 ブリテン問題とヨーロッパ連邦―フレッチャーと初期啓蒙作者:村松 茂美メディア: 単行本 フレッチャーの危機意識…

ふたつの憲法〜・その2 日本主義者の護憲

日本主義者の護憲 国体明徴運動 革新派 近衛体制=幕府論 翼賛会の改組 戦時体制 みずから人権放棄 聖断による明治憲法の破綻 前回の続き。 ふたつの憲法と日本人: 戦前・戦後の憲法観 (歴史文化ライブラリー)作者:暁弘, 川口発売日: 2017/07/18メディア: 単…

政治的なものについて シャンタル・ムフ

リベラリズムの中心的欠陥 情動を民主主義的に動員することの意義 左派の課題 ウルリッヒ・ベックの見解 アンソニー・ギデンズ ギデンズと第三の道 政治的なものについて ラディカル・デモクラシー作者:シャンタル ムフ発売日: 2008/08/12メディア: 単行本 …

正しい本の読み方 橋爪大三郎

三つのポイント「構造」「意図」「背景」 本の読み方の具体例:マルクス 本の読み方の具体例:レヴィ=ストロース フーコーの誤訳 『理科系の作文技術』 正しい本の読み方 (講談社現代新書)作者:橋爪 大三郎発売日: 2017/09/20メディア: 新書 三つのポイント…

日本の近代とは何であったか 教育勅語成立過程

「神」の不在で天皇の神格化 憲法外で「神聖不可侵性」を体現するために「教育勅語」 「神」や「天」から「皇祖皇宗」へ 教育勅語と立憲主義 グラントの忠告 国際金融家・井上準之助 なぜ「非公式帝国」にならなかったか 「帝国主義」に代わる「地域主義」の…

ポピュリズム化する世界・その2

ポピュリズム キャメロンの火遊びが招いた悲劇 右翼ポピュリズム政党の手本となるプーチン 前回の続き。 ポピュリズム化する世界 ―なぜポピュリストは物事に白黒をつけたがるのか?作者:国末 憲人発売日: 2016/09/29メディア: 単行本 ポピュリズム [政治学者…

ポピュリズム化する世界 国末憲人 ルペン父娘

国民戦線、ルペン ルペンの娘 ポピュリズム化する世界 ―なぜポピュリストは物事に白黒をつけたがるのか?作者:国末 憲人発売日: 2016/09/29メディア: 単行本 国民戦線、ルペン [ルペンの「国民戦線」と思われているが] 結党にあたって実際に中心となったのは…

自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治 坂野潤治

はじめに 第一章 『反ファッショか格差是正か 馬場の「立憲独裁」への転換 「粛軍演説」を「旧潮流」とした蝋山 二人の時代の終焉 自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治 (講談社選書メチエ)作者:坂野 潤治発売日: 2009/12/11メディア: 単行本 はじめに…

アジア再興・その2 梁啓超、タゴール

アメリカの梁啓超 レーニン タゴール 前回の続き。 アジア再興 帝国主義に挑んだ志士たち作者:パンカジ ミシュラ発売日: 2014/10/25メディア: 単行本 アメリカの梁啓超 [差別虐待されている在米中国人が祖国の自強運動を支援しないことに失望]中国系アメリカ…

アジア再興 帝国主義に挑んだ志士たち

日本海海戦の衝撃 ナポレオンとムスリム 梁啓超 アジア再興 帝国主義に挑んだ志士たち作者:パンカジ ミシュラ発売日: 2014/10/25メディア: 単行本 プロローグ 日本海海戦の衝撃 (略)東郷平八郎率いる日本帝国海軍の小規模な艦隊が、極東をめざして地球を半…

バーニー・サンダース自伝 ホワイトハウスのはぐれ者

はぐれ者から最有力候補へ 成功の秘訣 保守派との共闘 壊れているのは政治システムだ 人々と対話し、教育し、組織しろ 自伝本編 1997年の『アメリカ下院のはぐれ者』に「まえがき」と「解説」を足して、2015年に『ホワイトハウスのはぐれ者』として再刊され…

元老―近代日本の真の指導者たち 伊藤之雄

元老形成の素地 天皇のサボタージュ 元老制度形成 元老批判 北清事変、山県の台頭 伊藤の死、桂太郎の台頭 山県と大正天皇の力関係 脱元老の動き 元老―近代日本の真の指導者たち (中公新書)作者:伊藤 之雄発売日: 2016/06/21メディア: 新書 元老形成の素地 …

波乱万丈シュンペーター 資本主義、社会主義、民主主義

「自分は何者か」 戦後、財務大臣に 私財を失う トーマス・K・マクロウによる冒頭序文の履歴が波乱万丈すぎ。 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1作者:ヨーゼフ・シュンペーター発売日: 2016/07/13メディア: 単行本 「自分は何者か」 シュン…

ファシズムとは何か 労働者が極右に近づく理由

新右翼 労働者が極右に近づく理由 ファシストにとって 「ナショナル・ポピュリスト」 順番を飛ばして興味を引きそうな、最近の話の第7章から。 ファシズムとは何か作者:ケヴィン・パスモア発売日: 2016/04/20メディア: 単行本(ソフトカバー) 新右翼 極右…

脱原発の哲学 佐藤嘉幸 田口卓臣

なぜ活断層の上に原発が建つのか 炉心溶融は起こらないと強弁する理由 伊方原発訴訟判決 電源三法交付金という麻薬 原発事故と足尾鉱毒事件の類縁性 宇井純「公害の起承転結」 専門家は本当に専門家なのか 公害影響を否認する者 再稼働差し止め判決文 脱原発…

なぜ国々は戦争をするのか ベトナム、ユーゴ

ベトナム戦争 ヨーロッパ最後の独裁者の戦争 セルビア人による長いサラエヴォ包囲 なぜ国々は戦争をするのか 上作者:ジョン・G・ストウシンガー発売日: 2015/10/27メディア: 単行本 ベトナム戦争 リンドン・ジョンソンは負けられないと思っていたため、その…

私たちはどこまで資本主義に従うのか

法人を警戒したリンカーン 「グローバル企業のための民営化された司法制度」 「代表あって課税なし」 自由企業が自由な人々の民主主義を乗っ取っている 「バランスの取れた文明的な自由」の重要性 私たちはどこまで資本主義に従うのか 市場経済には「第3の柱…

ティーパーティ運動の研究 憲法保守とは

ティーパーティ運動とインスティテューションの崩壊 ティーパーティと分裂要因 ティーパーティ運動と「憲法保守」 なんか読む気しねえという人は、デカ字のとこだけで済ませるといいかも。 ティーパーティ運動の研究―アメリカ保守主義の変容作者:久保 文明,…

検証 バブル失政・その3 消費税、ブラックマンデー

グリーンスパンにかまされる 株式含み益45% ブラックマンデー BIS規制はバブルへの「通行手形」 ギロチンになった自己資本比率 凪・88年夏 日銀、大蔵省他にスルーされる 消費税で頭がいっぱいの大蔵省 前回の続き。 検証 バブル失政――エリートたちはな…

朝鮮開国と日清戦争 渡辺惣樹

朝鮮は清国の属国か否か 米国を撃退し強気の朝鮮 属国朝鮮の扱いに苦慮する清国 なぜ宗主国が西洋に屈したのに朝鮮は強気だったか 1885年元駐日英国公使ハリー・パークス、北京で死去 英国の思惑 長崎事件 アメリカへの売り込み 下関講和交渉 ルーズベルトの…

なぜマルクスは正しかったのか テリー・イーグルトン

マルクス主義はユートピアの夢だ マルクス主義は全能の国家を信じている アマレビューでは翻訳が「日本語としても理解不能な文章」「しばしばイーグルトンの主張と正反対の訳文になっている」と酷評されてて、確かにその気配はあるw 「マルクス主義は終わっ…

海賊と資本主義・その2

リージョン・オブ・ザ・アンダーグラウンド宣言文 国家の市場独占 特許海賊 シャーマン法が合併促進 おわりに 前回の続き。 海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち作者:ジャン=フィリップ・ベルニュ,ロドルフ・デュラン発売日: 201…