死刑

公開性の根源—秘密政治の系譜学・その2

王の二つの身体、『エイコン・バシリケ』 ギロチン刑 ライプニッツの「国家表」 カフカの世界 カフカと保険 スパイ小説 前回の続き。 公開性の根源?秘密政治の系譜学 作者: 大竹弘二 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2018/04/19 メディア: 単行本 この商…

“殺し”の短歌史・その2 土岐善麿、寺山修司

土岐善麿の「殺し」の歌 善麿と大杉栄 BC級戦犯のうた 匿名的な「殺し」の時代へ 前回の続き。 “殺し”の短歌史メディア: 単行本 土岐善麿の「殺し」の歌 その記録性を巡って / 森本平 貧しさに汽車にひかれて人は死ぬ、わが死ぬことをさても思はず。 弑さね…

“殺し”の短歌史 夢野久作「猟奇歌」、大逆事件

夢野久作「猟奇歌」の成立過程 父・杉山茂丸は政界の黒幕 大逆事件と近代日本 管野すが “殺し”の短歌史メディア: 単行本 夢野久作「猟奇歌」の成立過程 東京、満洲、父・杉山茂丸 / 秋元進也 殺すくらゐ 何でもない/と思ひつゝ人ごみの中を/潤歩して行く …

憐れみと縛り首―ヨーロッパ史のなかの貧民

脱落したエリート救済 「貧民」への非難 乞食の団体 「貧民」の概念 相互扶助 エンクロージャー 都市と農村 パリの貧民 地方都市 イングランド 監獄 「矯正の家」 総合病院 グリフィス『イントレランス』(1916年)は 憐れみと縛り首―ヨーロッパ史のなかの貧…

圏外編集者 都築響一

「編集」は基本的に孤独な作業 専門家より自分の感覚 新しいものへの嗅覚 読者層を想定するな 若手編集者の加齢臭 『ArT RANDOM』とMac導入 『TOKYO STYLE』 『ROADSIDE JAPAN』 「死刑囚の俳句」 『ヒップホップの詩人たち』 『妄想芸術劇場』 「スキマ」狙…

死刑に直面する人たち・その2

弟を殺した死刑囚からの手紙 片山隼君の父 「終身刑化」する無期懲役 薬物死刑への疑問 『元死刑執行官だけが知る監獄の叫び』 前回の続き。 ドキュメント 死刑に直面する人たち――肉声から見た実態 作者: 佐藤大介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/0…

死刑に直面する人たち 佐藤大介

袴田巌の精神状態 確定死刑囚へのアンケート 執行の日 松田幸則の母 名古屋アベック殺人事件 ドキュメント 死刑に直面する人たち――肉声から見た実態 作者:佐藤 大介 発売日: 2016/01/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) 袴田巌の精神状態 [議員時代の保坂…

永山則夫 封印された鑑定記録・その3

職を転々。 初体験 定時制高校で学級委員長になるも被害妄想 石川医師の分析 拳銃 青森へ死出の旅 別れの悲しみを知る 鑑定を永山に否定される 死刑判決 永山の遺品の中に石川鑑定書 前回の続き。 永山則夫 封印された鑑定記録作者:堀川 惠子発売日: 2013/02…

永山則夫 封印された鑑定記録・その2

父への憧れ セツ 父の死 男女を問わず「もてた」けど、ウブすぎて…… 友達ができない、クビへの恐怖 前回のつづき。 これを読んでると、永山に酒鬼薔薇とかにあるイヤな感じは全くない。要領が悪くてもどかしくはあるけど、猟奇的悪意はない。だいそれたこと…

永山則夫 封印された鑑定記録 堀川惠子

二度と裁判の精神鑑定はやらない そんな石川の経歴 石川の人生の分岐点となった、ある非行少女 第二次精神鑑定 中央公論社を辞めた井出孫六39歳 母代わりの優しい長女セツ 家出 連続射殺犯永山則夫の精神鑑定に使われた100時間に及ぶ聞き取りテープが存在し…

「最悪」の法律の歴史

「殺人法」と「フランケンシュタイン」 ベンサムの「チンコマシーン」w 動物裁判は ペットでナンパ禁止 裸体の定義 タクシードライバー哀歌 ボウリング 「最悪」の法律の歴史作者:ネイサン ベロフスキー発売日: 2014/01/28メディア: 単行本 「殺人法」と「…

「無罪」を見抜く 裁判官・木谷明の生き方

木谷實の息子 加藤正夫 四畳半襖の下張事件 死刑反対 裁判官を三分類 調布駅南口事件 少年事件 人事 「無罪」を見抜く――裁判官・木谷明の生き方作者:木谷 明発売日: 2013/11/28メディア: 単行本 うーん、こっちの周防監督との対談(→kingfish.hatenablog.com…

暴排条例、死刑制度の問題点

暴力団排除条例の問題点 死刑問題 原発から20キロ離れたところから撮影しておりまーす 上杉隆 勝間和代 警察に屈服 法務大臣はあまりポスト 僕たちの時代作者:青木 理,久田 将義毎日新聞社Amazon 『日本の公安警察』著者・青木理と実話ナックルズ編集長の対…

想死表現、自由意志

前回の続き。罪と恐れ―西欧における罪責意識の歴史/十三世紀から十八世紀作者: ジャンドリュモー,Jean Delumeau,佐野泰雄,江花輝昭,久保田勝一,江口修,寺迫正広出版社/メーカー: 新評論発売日: 2004/12メディア: 単行本 クリック: 26回この商品を含むブログ …

残虐死刑、被虐ゲロ聖女

注意!!残虐不快な表現を含みます。 本題に入る前にお笑いを一席。極論という手法がありますが、死刑制度に反対の人は、死刑による犯罪抑止力を主張する人に、それならこれくらいやらなきゃ駄目だと思うが、できるのか言ってみたらどうでしょう。罪と恐れ―…

江戸時代、拷問は不名誉だった

拷問は不名誉 ↓なんかこれもかなりムチャな論理 拷問に耐え抜く吉五郎は牢内のヒーロー 明治44年の株ブーム チラ見したら北町奉行与力から聞いた江戸時代に拷問は横行していなかったという話があったので借りてみた(元警官が拷問横行してましたとは言わない…

森達也「死刑」・その2

現場職員の見方や傷付き方 教誨師 1971年の処刑 廃止派から存置派へ 光市事件遺族からの手紙 前日のつづき。 死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う 作者: 森達也 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2008/01/10 メディア: 単行本 購入: 12…

森達也「死刑」

春奈ちゃんの祖父へのインタビューから 『弟を殺した彼と、僕。』 宅間の弁護をしたことで死刑廃止の気持が揺らいだ人権派弁護士 亀井静香:冤罪の多さを知っているから反対 冤罪:免田栄 冤罪、絞首刑は残酷なのではないか、死刑囚を殺すのは現場の刑務官な…

ソフト切腹、清は敵討ち禁止

かたき討ち―復讐の作法 (中公新書)作者: 氏家幹人出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/02メディア: 新書購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (7件) を見るうわなり打ち(宇波成打)。 先妻が後妻を襲撃。 『広辞苑』には「本妻や先妻が後妻…

中世都市と暴力・その2

前日のつづき。中世都市と暴力作者: ニコルゴンティエ,Nicole Gonthier,藤田朋久,藤田なち子出版社/メーカー: 白水社発売日: 1999/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (11件) を見る都市における強姦の日常化 については、ヴェ…

シェイクスピアの驚異の成功物語・その2

ロンドンは、絶え間の無い懲罰の劇場だった。 「私はイエスを愛したように女王を愛した」 息子の死。「儀式はこれだけか」。 生者は死者を救えるのか。 「信仰遺言書」に署名していた父・ジョン 息子のミサ問題、迫る父の死、その中で書かれた『ハムレット』…

喧嘩両成敗の誕生・その2

間男を殺してもいいけど、同等に妻も殺せ 解死人制とは 一歩踏み出して「本人切腹制」 刑罰として「切腹」が採用されたのは、 たとえ非があっても喧嘩さえしなければ咎めないよ 理非がないがしろ 前日のつづき。 喧嘩両成敗の誕生 (講談社選書メチエ) 作者: …

喧嘩両成敗の誕生

復讐が放任されていた中世日本 あの一休さんも二度自殺未遂で 「指腹/さしばら」 縁もゆかりもないお尋ね者を匿うわけ 掠奪刑・アハト刑。 落武者狩り 中世の占有屋「押蒔き」「押植え」 「獄前の死人、訴えなくんば検断なし」。自害は究極の訴願形態。自殺…

セイレムの魔女裁判

罪悪感でヒステリー 少女を利用する牧師 誰でも告発されうる恐怖に人々は襲われた。 ホーソーン研究 作者: 周藤康生 出版社/メーカー: 大阪教育図書 発売日: 1993/09 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (1件) を見る セイレムの魔女裁判…

永山則夫と遠藤ミチロウ

なぜだかこれを借りて飛ばし読み。かくも激しき希望の歳月―1966~1972作者: 海老坂武出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/05/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るなぜだか海老坂は法廷で裁判長に問い掛ける永山則夫に衝撃。 「あんた・・…