文学

ジョージ・オーウェル その2

ジョージ・オーウェル――「人間らしさ」への讃歌 (岩波新書) 作者:川端 康雄 発売日: 2020/07/18 メディア: 新書 『カタロニア讃歌』 われわれは希望が無気力やシニシズムよりもふつうである社会にいた。「同志」という言葉が、たいていの国でのようにまやか…

ジョージ・オーウェル――「人間らしさ」への讃歌

ジョージ・オーウェル――「人間らしさ」への讃歌 (岩波新書) 作者:川端 康雄 発売日: 2020/07/18 メディア: 新書 船旅の思い出 エリック・ブレアをのせたスクリュー汽船ヘレフォードシャー号は一九二二年一〇月二七日にリヴァプールを出港、途中マルセイユと…

大人にはわからない日本文学史 高橋源一郎

大人にはわからない日本文学史 (ことばのために) 作者:高橋 源一郎 発売日: 2009/02/20 メディア: 単行本 樋口一葉 わたしは長いあいだ一葉のことを、周りで新しい散文が生まれつつあったなかで、それをまったく知らないかのように、古めかしい美文に立て籠…

小説世界のロビンソン その2

前回の続き。 小説世界のロビンソン 作者:小林 信彦 メディア: 単行本 第十五章 1952年のスリリングな読書 ぼくらは、次々に発表される〈新しい小説〉、訳されるカミュやカフカを読みながら、並行して、バルザックやサッカレーやドストエフスキーを読む、と…

小説世界のロビンソン 小林信彦

小説世界のロビンソン 作者:小林 信彦 メディア: 単行本 第二章 岩窟と地底の冒険 (略) 野村胡堂、というと、「銭形平次」ですか、と、たいていの人が答える。それだけで、ぼくは、もう、あとの言葉をつづける気を失ってしまう。(略) 昭和初年に書かれた…

文学がこんなにわかっていいかしら 高橋源一郎

文学がこんなにわかっていいかしら (福武文庫) 作者:高橋 源一郎 メディア: 文庫 なぜメタ・フィクションが精彩を欠いているのか ちょっと回り道して考えてみよう。「小説についての小説」はメタ・フィクションと呼ばれるジャンルでは、いちばんありふれたや…

文学王 高橋源一郎

文学王 (角川文庫) 作者:高橋 源一郎 メディア: 文庫 小説の中の子供たち (略) 『小鳥の園芸師』に出てくる、架空の村の子供たちは、昔話の多くがじつはそうであるように、ひどく残酷です。だが、同時にひどく懐かしい気もするのです。それは、この作品に…

生還 小林信彦

脳梗塞になった状態で書かれた前半の文章がなかなかに面白いというかコワイというか。果たしてこれはいつ頃書かれたものなのか。半年の病院暮しが終わった三週間後に自宅キッチンで転倒骨折し手術した頃に「週刊文春」で初回が掲載されている。 「生還」を書…

MELOPHOBIA 安川奈緒

MELOPHOBIA 作者: 安川奈緒 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 2006/12 メディア: 単行本 クリック: 90回 この商品を含むブログ (10件) を見る 玄関先の攻防 1 「おまえがかつて見たものを俺が見ることはないということには耐えられない」 避けたかった豚の…

霧中の読書 荒川洋治

アーサー・ミラーの小説 則武三雄 『西東三鬼全句集』 中村薺『かりがね点のある風景』 「幸福な王子」の幸福 霧中の読書 作者:荒川 洋治 発売日: 2019/10/02 メディア: 単行本 アーサー・ミラーの小説 [『存在感のある人』は]八五歳を過ぎて書いたものだが…

見田宗介対話集 山田太一、吉本隆明

超高層のバベル 見田宗介対話集 (講談社選書メチエ) 作者:見田 宗介 発売日: 2019/12/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) 山田太一 『大航海』1995年8月掲載 母子関係と日本社会:「オウムを生んだ母子関係の力学」 山田 見田さんは、お母さんはご健在です…

書評稼業四十年 北上次郎

傍若無人な大森望が鏡明には 中間小説の時代 北上さんとはお逢いしたことがない 書評家の副業 「締め切りを守ること」 書評稼業四十年 作者:北上 次郎 発売日: 2019/07/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) 傍若無人な大森望が鏡明には あまりに話が飛びす…

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本 作者: 山下泰平 出版社/メーカー: 柏書房 発売日: 2019/04/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『社会と文学』 当…

10セントの意識革命 片岡義男

なぜいま一九五〇年代なのか 『地上より永遠に』 ロックンロール・ミュージック 1970年8月から 1973年8月までに書かれた文章。 10セントの意識革命 作者:片岡義男 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2015/01/31 メディア: 単行本 なぜいま一九五〇年代なのか …

ブローティガン『東オレゴンの郵便局』翻訳比較

(平石貴樹訳) (藤本和子訳) 「天の鳥たち」 「アーネスト・ヘミングウェイのタイピスト」 「庭はなぜ要るのか」 「一九三九年のある午後のこと」 「伍長」 「装甲車 ジャニスに」 「カリフォルニア1964年において高名であること」 平石貴樹が「アメリカ…

洋書天国へようこそ 宮脇孝雄

洋書天国へようこそ?深読みモダンクラシックス 作者: 宮脇孝雄 出版社/メーカー: アルク 発売日: 2019/07/30 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 『さらば愛しき女よ』レイモンド・チャンドラー ミステリの世界では、このハードボイルドは長いこ…

歌謡曲が聴こえる 片岡義男

一世代前で素材が歌謡曲でもなんとなく春樹の先駆け感が出てる第一章。第三章は橋本治に先駆けてか。 歌謡曲が聴こえる (新潮新書 596) 作者: 片岡義男 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/11/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る 第一…

本当の翻訳の話をしよう 村上春樹 柴田元幸

本当の翻訳の話をしよう 作者: 村上春樹,柴田元幸 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング 発売日: 2019/05/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 帰れ、あの翻訳 村上 ジャック・ロンドンはリバイバルの価値があると思います。僕、昔から好き…

総特集◎橋本治 ユリイカ 2019年5月臨時増刊号

“小説家”とうい在り方 基本的にビジュアル・イメージ 橋本治という恵み 森川那智子 電話口の橋本治 さべあのま・高野文子・飯田耕一郎 慈悲の笑顔 浦谷年良 作家ではなく、芸の人 矢内裕子 「リア家」の一時代 橋本治 宮沢章夫 ユリイカ 2019年5月臨時増刊号…

1913 20世紀の夏の季節 その2

前回の続き。 1913: 20世紀の夏の季節 作者: フローリアンイリエス,Florian Illies,山口裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/12/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 2月扉文 マルセル・デュシャンが『階段を下りる裸体No.2…

1913 20世紀の夏の季節

1913: 20世紀の夏の季節 作者: フローリアンイリエス,Florian Illies,山口裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/12/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 各章の扉文からして「こりゃ、読むでしょ!」って感じ。 1月扉文 こ…

公開性の根源—秘密政治の系譜学・その2

前回の続き。 公開性の根源?秘密政治の系譜学 作者: 大竹弘二 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2018/04/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 王の二つの身体、『エイコン・バシリケ』 政治神学は支配に正当性を付与するために、主権者…

現代詩手帖特集版 高橋源一郎

再読。 現代詩手帖特集版 高橋源一郎 作者: 高橋源一郎 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 2003/10 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (19件) を見る 討議 高橋源一郎×加藤典洋(司会:永江朗) 『さようなら、ギャングたち』 …

再読:柴田さんと高橋さんの小説の読み方・その2

前回の続き。 柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方 作者: 柴田元幸,高橋源一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2009/03/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 4人 クリック: 240回 この商品を含むブログ (53件) を見る 片岡義男…

再読:柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方

以前にやってるけど再読。なんてザルなんだオレの記憶。 柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方 作者: 柴田元幸,高橋源一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2009/03/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 4人 クリック: 240回 こ…

Haruki Murakamiを読んでいるときに~・その2

前回の続き。 Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち 作者: 辛島デイヴィッド 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2018/09/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 新たな出版社を求めて [プリンストン大の知人の紹介…

Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち

Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち 作者: 辛島デイヴィッド 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2018/09/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 翻訳を持ち込んだバーンバウム [KI(講談社インターナショナル)…

筒井康隆、自作を語る

筒井康隆、自作を語る 作者: 筒井康隆,日下三蔵 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/09/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 江戸川乱歩 [家族で同人誌は話題になるだろうという戦略で〈NULL〉創刊。月収1万の…

書き出し「世界文学全集」 柴田元幸

柴田元幸の解説の方を主に紹介。 書き出し「世界文学全集」 作者: 柴田元幸 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2013/08/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る エドガー・ハントリー――夢遊病者の回想録 チャールズ・ブロックデン・ブ…

代表質問 16のインタビュー 柴田元幸

一度読んでいる(kingfish.hatenablog.com)のだが、読んだ記憶がないところがあったので、また読んでみた。代表質問 16のインタビュー作者: 柴田元幸出版社/メーカー: 新書館発売日: 2009/06/19メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (20件)…