文学

創造と狂気 フレデリック・グロ

書くことの罠 文芸サロン バルザックと狂人 著書内引用部分は青字にしました。 創造と狂気: 精神病理学的判断の歴史 (叢書・ウニベルシタス)作者:フレデリック グロ発売日: 2014/07/31メディア: 単行本 書くことの罠 文章こそが狂気を捕らえる罠だと精神科医…

英語化する世界、世界化する英語

アメリカ英語 南北戦争 シェイクスピア ダニエル・デフォー、スウィフト 前置詞、ドライデン 順番を飛ばして個人的に面白かった第9章から。 英語化する世界、世界化する英語作者:ヘンリー・ヒッチングズ発売日: 2014/04/26メディア: 単行本 アメリカ英語 17…

「貧者を殴り倒そう」ボードレール語録

「貧者を殴り倒そう」(『パリの憂愁』) [解説] 世界はやがて終わりだ(「火箭」15) ボードレール語録 (岩波現代文庫)発売日: 2013/04/17メディア: 文庫 「貧者を殴り倒そう」(『パリの憂愁』) それまでの二週間、私は部屋に閉じこもって、当時(十六年…

世界を動かした名言

ウッディ・アレン アガサ・クリスティ ジョン・スタインベック ウィリアム・サローヤン アンディ・ウォーホル アルフレッド・ヒッチコック リチャード・ロジャーズ 英語の勉強になるかなと、英文対訳本を借りてみた。 英文対訳 世界を動かした名言 (講談社プ…

高橋源一郎+大友良英=対談

フリージャズとノイズ 「なんの役に立つの?」 「上手なノイズミュージシャン」 テキトーがサイコー 高橋源一郎との対談のとこだけ読んだ。 シャッター商店街と線量計 大友良英のノイズ原論 作者: 大友良英,高橋源一郎,開沼博,もんじゅ君 出版社/メーカー: …

「陰鬱な部屋」のホーソーン

『空想の箱めがね』("Fancy's Show Box") 「ぼくの親戚、モリヌー少佐」 セイレムの若き文人作者:義雄, 井坂発売日: 2013/09/15メディア: 単行本 『空想の箱めがね』("Fancy's Show Box") Twice Told Tales (English Edition) 作者: Nathaniel Hawthorne…

破産ふたたび、家族解散 カーヴァー評伝その4

嫉妬 小話 食い逃げ ジョン・チーヴァー チーヴァーの小説論 単身赴任 新たな不倫 「足元に流れる深い川」 破産 家庭崩壊 家族解散 テス・ギャラガーは 前回のつづき。 大学で教えるようになっても無銭飲食上等だったり失業保険不正受給してたことに驚き。そ…

リッシュ登場、不倫 カーヴァー評伝その3

ゴードン・リッシュ登場 リッシュ、遂に「エスクァイア」入り 田舎者 『隣人』 二重性 72年春ブコウスキーを招く いい流れ リッシュによる改変 不倫 あだ名 前回のつづき。 レイモンド・カーヴァー - 作家としての人生作者:キャロル・スクレナカ発売日: 2013…

レイモンド・カーヴァー評伝

父と母 狩猟 高校時代 パーマー通信講座 17歳の夏・妻との出会い 結婚、娘の誕生 師・ジョン・ガードナー パラノイア レイモンド・カーヴァー - 作家としての人生作者:キャロル・スクレナカ発売日: 2013/07/09メディア: 単行本 父と母 [父のC・R・カーヴァ…

孤立の宿命 サリンジャー評伝・その4

結婚 ビート族 息子 孤立 農園購入 ケネディからの招待 回転木馬 1992年に再婚(再々婚) 隠遁まで サリンジャー評伝・その3 - 本と奇妙な煙 のつづき。 サリンジャー ――生涯91年の真実 作者: ケネス・スラウェンスキー,田中啓史 出版社/メーカー: 晶文…

『幻聴妄想かるた』『アメリカ・メディア・ウォーズ』

患者が自分の来歴を綴っていて 「ハイパー・ローカル」路線 NPOメディア VOSD 真面目なニュース 二冊まとめて。 国民のコトバ作者:高橋 源一郎発売日: 2013/03/19メディア: 単行本 高橋源一郎が上記本の中で下記本を紹介したものを引用。 やっぱりホ…

隠遁まで サリンジャー評伝・その3

PTSD 選集『若者たち』、裏切り 名声にとまどう 黒 ヴェーダンタ コーニッシュ 戦場のサリンジャー 評伝その2 - 本と奇妙な煙の続き。 サリンジャー ――生涯91年の真実 作者: ケネス・スラウェンスキー,田中啓史 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2013/0…

戦場のサリンジャー 評伝その2

「タイガー作戦」 パリ解放 The Magic Foxhole ヒュルトゲンの悲劇 バルジの戦い 尋問、収容所 悪夢 サリンジャー 生涯91年目の真実 - 本と奇妙な煙 上記からのつづき。 サリンジャー ――生涯91年の真実 作者: ケネス・スラウェンスキー,田中啓史 出版社/メー…

サリンジャー 生涯91年目の真実

一族の歴史 学生生活 1937年訪欧 1938年帰国 1939年コロンビア大学入学 社交界の娘たち 入隊 チャップリンに恋人ウーナを奪われる サリンジャーの決定版・評伝。 サリンジャー ――生涯91年の真実 作者: ケネス・スラウェンスキー,田中啓史 出版社/メーカー: …

カフカと映画

映画というメディア 路面電車の力動性とヴァイオリンの響き 執筆のためのトランス状態 『失踪者』 カフカと映画作者:ペーター=アンドレ アルト発売日: 2013/03/22メディア: 単行本 映画というメディア 社会人となってからの最初の数年間において、カフカは定…

カネと文学

薄利 サイドビジネス 文学バブル 文壇印刷会社 バブル以前 通俗小説も売れなかった カネと文学―日本近代文学の経済史 (新潮選書)作者:山本 芳明新潮社Amazon 薄利 [明治23年雑誌「日本之少年」]もうけは三厘から五厘。百冊売って、ようやく30銭から50銭の利…

「自然主義」と呼ばれた・その3 橋本治

『破戒』 国木田独歩の怒り 渋谷村の「ロシアの秋」 前日のつづき。 失われた近代を求めてII 自然主義と呼ばれたもの達 (失われた近代を求めて 2) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2013/03/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3…

田山花袋・26歳・童貞 橋本治

技巧ばかりを問題にする文壇は自然主義の重要性を理解していないと怒る田山花袋 「まだ口語文体によるろくな作品があまりない日本で、自分なりの独自性を持った作品を書く」 情熱の田山花袋が訴える「この恋が実らぬ理由」はとりあえず「貧富の差」 田山花袋…

「自然主義」と呼ばれたもの達 橋本治

二葉亭四迷は『平凡』 本家フランスより進んでいた前近代日本 日本自然主義文学を誕生させたのは島村抱月 なぜ『小説神髄』に若者は熱狂したか 「近代自我」は言文一致体の中から 言文一致体の完成 失われた近代を求めてII 自然主義と呼ばれたもの達 (失われ…

カフカとの対話

偽書批判についての解説 『変身』 神 デモ 表現主義の詞華集について 面白いけど、こんなにカフカとの対話を明確に覚えているものだろうかと思っていたら、解説によれば「<偽書という嫌疑>を内蔵した『対話』」らしい。(ついでにBL受けしそうな雰囲気全…

吉本隆明が語る戦後55年・第二回

「日本の歴史ブームをめぐって」(2000年) 歴史の進歩 『言語にとって美とはなにか』 「記録芸術の会」のもつ政治的意味の重要性 吉本隆明が語る戦後55年〈2〉戦後文学と言語表現論作者:吉本 隆明三交社Amazon 「日本の歴史ブームをめぐって」(2000年) 最…

吉本隆明、村上春樹のサリン事件解釈

「大衆の原像」 村上春樹のノモンハン事件解釈とオウム 非転向じゃなくて殺人罪 小林秀雄 丸山真男学派と橋本行政改革 「吉本隆明が語る戦後55年 12」「大衆の原像」の変化、「非転向じゃなくて殺人罪」と平野謙、村上春樹のサリン事件解釈批判、小林秀雄 吉…

橋本治が大部屋で入院してたんですよ

病名は顕微鏡的多発血管炎 定年退職した団塊の世代は「本を読む」だろうか、 「狂気」でさえもがバーチャル 同室患者の呻き声 病床で島崎藤村『夜明け前』を読んでみたら 「東大話法」 出版社のおエライさんが橋本治を見舞いに行ったら大部屋だったゼエ、ワ…

やさしい警察作文教室

女房が海で溺れている さて、いよいよ警察作文の開始です 警察官による偽証依頼 誤認逮捕された大学生の「楽しそうな小学生を見て、自分にない生き生きとしたものを感じ、困らせてやろうと思った」という警察作文に痺れたので、どのような過程であのようなも…

あらゆる小説は模倣である。

「無知な模倣」 パクられたかもと悶々 ケータイ小説 あらゆる小説は模倣である。 (幻冬舎新書)作者:清水 良典発売日: 2012/07/28メディア: 新書 あとがきから 「無知な模倣」 初歩的な書き手だと、マンガやアニメで見た話や設定をそのまま小説に取り入れてし…

ロバート・ブロックで中原昌也

もう誰も覚えていない、四年ぶりに復活「kingfish.hatenablog.com」。 ロバート・ブロックから適当に引用して中原昌也ぽくなるのかならないのか、どうなんだいオレの筋肉ということで。血は冷たく流れる (異色作家短篇集)作者: ロバートブロック,Robert Bloc…

ブローティガン、談志

ボート 立川談志を悼む 志ん生伝説 前回の流れでブローティガンの初期未発表作、なんつうかタイトルがええね。 なにゆえに無名の詩人たちはいつになっても無名なのか ぼくは眺めていた 世界が苦もなく滑るように通りすぎてゆくのを ヘミングウェイ的世界から…

カミングズ詩集、『巨大な部屋』

訳者によってだいぶ雰囲気ちがうもんだなあ。 1984年のヤリタミサコ訳はとってもRCサクセション。「ナウい」はさすがにアレだがw。カミングズ詩集 (海外詩文庫)作者: E.E.カミングズ,E.E. Cummings,藤富保男出版社/メーカー: 思潮社発売日: 1997/06メディ…

中原昌也「死んでも何も残さない」

死んでも何も残さない―中原昌也自伝作者: 中原昌也出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/03メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 84回この商品を含むブログ (26件) を見る 僕は、メロディというものに興味がない。人が奏でるメロディはいいのだけれど、自分…

倉本聰と山田太一「それぞれの秋」

倉本聰の対談番組「みんな子どもだった」(BS―TBS、日曜夜11時)に山田太一登場番宣記事に 倉本は山田の「それぞれの秋」(73年)に触発され、75年に始まった「前略おふくろ様」からナレーションを採り入れたと明かした。 なぬううう、というわけ…