人権

法的人間 ホモ・ジュリディクス 法の人類学的機能

訳者あとがき プロローグ 人の法的な基盤 唯一にして同一の個人 アイデンティティを保証する〈第三項〉 全面的解放の先にあるもの――解体した人間 法の人間的な統御 従属の新形態 人権の正しい使用法 批判にさらされる人権の正当性 連帯原則を再訪する 法的人…

ロールズ正義論入門 森田浩之

「社会契約論」の系譜 「正しい社会とはなにか」 ヘイトスピーチと誇大広告 所有権は基本的自由には入らない お金より投票権 「平等な自由」と所有権 前半をパラッと読んだ。 ロールズ正義論入門 作者:森田浩之 発売日: 2019/01/31 メディア: 単行本 「社会…

アフター・ヨーロッパ ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか

人権と危機 ブルガリア 中欧の憤り ギリシャ危機 EU危機の核心、EUエリートが憎まれる理由 国民投票 アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか 作者: イワン・クラステフ,庄司克宏 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/08/04 …

自由論―現在性の系譜学 酒井隆史

誰が誰を観察するのか? 世界の捏造化 未曾有の「対案主義」がいま、この社会を支配している。 ロールズの正義論はポスト福祉国家の理論 フーコー、ハイエク 「警察権」は膨張していった 2001年の本。 自由論―現在性の系譜学作者:酒井 隆史発売日: 2001/06/0…

政治哲学的考察・その2 宇野重規

シュミットの考える「代表」とは ルフォールの全体主義論 保守主義が成立したのは19世紀前半 バークによる人権批判 カトリック教会の批判 マルクスの人権批判 前回の続き。 政治哲学的考察――リベラルとソーシャルの間 作者: 宇野重規 出版社/メーカー: 岩波…

抑止力としての憲法・その3 フーコー

フーコーと新自由主義 ボダン citoyen 前回の続き。 抑止力としての憲法――再び立憲主義について 作者: 樋口陽一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る フーコーと新自由主義 フーコーと言えば〈国家ぎ…

抑止力としての憲法・その2 樋口陽一

「立憲」という言葉 「憲法を創る力」=旧体制を壊す力 ルソーVS立憲主義? 防御権、保護義務論 social tyranny 自己統治秩序 前回の続き。 抑止力としての憲法――再び立憲主義について 作者: 樋口陽一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/15 メディ…

フランス現代史 戦争のタブーを追跡する

アルジェリア戦争、アルキの虐殺 「大戦」 強制連行 ペタン、ヴィシー政権 オラドゥールの虐殺 フランス現代史 隠された記憶: 戦争のタブーを追跡する (ちくま新書1278) 作者: 宮川裕章 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/09/05 メディア: 新書 この商…

啓蒙の精神―明日への遺産 トドロフ

21 啓蒙主義への批判 51 宗教改革 122 全体意志と一般意志 啓蒙の精神―明日への遺産 (叢書ウニベルシタス)作者:ツヴェタン トドロフ発売日: 2008/07/01メディア: 単行本 21 啓蒙主義への批判 啓蒙思想が形成された時期から、また18世紀においても、啓蒙思想…

ふたつの憲法〜・その2 日本主義者の護憲

日本主義者の護憲 国体明徴運動 革新派 近衛体制=幕府論 翼賛会の改組 戦時体制 みずから人権放棄 聖断による明治憲法の破綻 前回の続き。 ふたつの憲法と日本人: 戦前・戦後の憲法観 (歴史文化ライブラリー)作者:暁弘, 川口発売日: 2017/07/18メディア: 単…

憲法パトリオティズム 過去の断罪と解消

まず「監訳者あとがき」を先に。 「記憶」と「闘争性」 憲法裁判所 カール・レーベンシュタイン 終息しなかった憲法パトリオティズム ヨーロッパ憲法パトリオティズム 「新しい過去」、他国の過去を断罪すること 自己卑下とヨーロッパ中心主義 統合による過…

いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃

フーコーの先見性 新自由主義の特異性 不平等はあらゆる領域で正当化され、生産性は生産物より優先される フーコーの枠組みの問題点 権限委譲と責任化 いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃作者:ウェンディ・ブラウン発売日: 201…

政治的なものについて・その2 右翼ポピュリズム

右翼ポピュリズム シュミットとネオコン ハーバーマス 結論 監訳者解説:酒井隆史(2008年) 前回の続き。 政治的なものについて ラディカル・デモクラシー作者:シャンタル ムフ発売日: 2008/08/12メディア: 単行本 右翼ポピュリズム 右翼ポピュリズムの侵攻…

日本の近代とは何であったか・その2 三谷太一郎

立憲主義は明治憲法下の体制原理 幕藩体制の合議制 幕末の権力分立論 明治憲法下の権力分立制 藩閥 日本の近代とは何であったか 教育勅語成立過程 - 本と奇妙な煙の続き。 日本の近代とは何であったか-問題史的考察 (岩波新書) 作者:三谷 太一郎 発売日: 20…

路地の子 上原善広

屠殺 骨粉工場 「人権が金になる」、更池と向野 同和利権 カワナン 路地の子作者:上原 善広発売日: 2017/06/16メディア: 単行本(ソフトカバー) 屠殺 牛が引きずり出されると同時に、為野はいつものように、何のためらいもなく勢いよくハンマーを眉間に叩き…

謀叛の児: 宮崎滔天の「世界革命」 加藤直樹

熊本民権党 民権派の限界 失望、キリスト教 中国革命−世界革命 犬養毅 孫文 滔天、康有為 内省と決心 桃中軒牛右衛門 謀叛の児: 宮崎滔天の「世界革命」 作者: 加藤直樹 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/04/21 メディア: 単行本 この商品を含む…

憲法改正とは何か: アメリカ改憲史から考える

とりあえずこの憲法を認めて 初めての憲法改正 ロー判決 憲法解釈による実質的な改憲 法律の合憲性 違憲判決 政治問題化した最高裁判事任命 大統領が憲法に挑戦するとき アメリカと日本の違い 著者のスタンスは「根拠もなく憲法を神聖視するのはほどほどにし…

ポピュリズム化する世界 国末憲人 ルペン父娘

国民戦線、ルペン ルペンの娘 ポピュリズム化する世界 ―なぜポピュリストは物事に白黒をつけたがるのか?作者:国末 憲人発売日: 2016/09/29メディア: 単行本 国民戦線、ルペン [ルペンの「国民戦線」と思われているが] 結党にあたって実際に中心となったのは…

ダーク・ドゥルーズ アンドリュー・カルプ 小泉義之

主体――寄せ集めではなく、非-生産 世界を破壊する理由 共謀 反戦運動の破綻の後に ダーク・ドゥルーズ作者:カルプ,アンドリュー発売日: 2016/11/28メディア: 単行本 主体――寄せ集めではなく、非-生産 主体性は恥ずべきものである(略) 主体性は、時代と妥協…

保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで

「保守」とは何か 政治家バークの信念 「保守主義」という言葉 フランス革命と名誉革命 ハイエクは保守主義者か オークショット「人類の会話」 アメリカ保守主義の「創始者」 保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)作者:宇野 重規発…

マルクス思想の核心・その2 人権批判

ロックのブルジョワジー擁護 政治的解放が人間的解放になりえない理由 マルクスの人権批判 子育てが商品生産と類比される世界 前回の続き。 マルクス思想の核心 21世紀の社会理論のために (NHKブックス) 作者: 鈴木直 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2016…

「表現の自由」を求めて・その3 ヘイトスピーチ

広告の自由 「バックレイ」判決 「スコーキ」事件。ヘイトスピーチ 「R・A・V」事件 「表現の自由」の再編成に向けて 前回の続き。 「表現の自由」を求めて: アメリカにおける権利獲得の軌跡作者:奥平 康弘発売日: 1999/12/17メディア: 単行本 広告の自由…

死刑に直面する人たち 佐藤大介

袴田巌の精神状態 確定死刑囚へのアンケート 執行の日 松田幸則の母 名古屋アベック殺人事件 ドキュメント 死刑に直面する人たち――肉声から見た実態 作者:佐藤 大介 発売日: 2016/01/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) 袴田巌の精神状態 [議員時代の保坂…

アメリカ・宗教・戦争 西谷修・宇野邦一・鵜飼哲

「テロ」という言葉 親鸞 靖国 アメリカ・宗教・戦争作者:修, 西谷,邦一, 宇野,哲, 鵜飼メディア: 単行本 「テロ」という言葉 西谷 (略)アフガニスタン攻撃が一段落して以来、いつの間にか次はイラクだということになって、9・11には直接関わりのないイ…

国連と帝国 マーク・マゾワー

ヤン・スマッツ インターナショナリズム ヤン・スマッツ 「白色人種の団結」 国連憲章 アルフレッド・ジマーン [解説=渡邊啓貴:まとめ] 国連と帝国:世界秩序をめぐる攻防の20世紀作者:マーク・マゾワー,Mark Mazower発売日: 2015/07/29メディア: 単行本 …

本当の戦争の話をしよう 伊勢崎賢治

平和は何のおかげか 束ねる作業 主権侵害 タリバン 男気 派兵して稼ぎたい国もある 福島の高校生に行った5日間20時間の授業を書籍化。 「僕も、日本をシャキッとさせなきゃと、発言している部類に入れられているのかもしれない」なんて発言も。 本当の戦争の…

政治的正義 オトフリート・ヘッフェ 人権

人権 「人権の歴史がまだ短い」は近代の自惚れ 自由権 福祉国家 まとめ 人権のあたりをチラ見。 政治的正義―法と国家に関する批判哲学の基礎づけ (叢書・ウニベルシタス)作者:オトフリート ヘッフェメディア: 単行本 人権 憲法の歴史を見ればわかるように、…

近代政治哲学入門 マルクスの人権批判

マルクスの人権批判 ヘーゲルの法=権利批判 国家を現実的な個人として樹立 権力と代表 ルソーは、市民として書いている ルソーは、人間に人間国家を与えようとする。 前日のつづき。 近代政治哲学入門 (叢書・ウニベルシタス)作者:アルノ バルッツィメディ…

マルクスとフランス革命・その3

『ユダヤ人問題について』 『ヘーゲル法哲学批判 序説』 『ドイツイデオロギー……』 テクスト13 前回のつづき 後半部はマルクスのテクスト抜粋集。マルクスとフランス革命 (叢書・ウニベルシタス)作者:フランソワ フュレ発売日: 2008/02/01メディア: 単行本 …

共和主義の思想空間・その2

スコットランド 第14章 ヘーゲルの国家・経済論における共和主義的側面について 前回のつづき。 共和主義の思想空間―シヴィック・ヒューマニズムの可能性 作者: 田中秀夫,山脇直司 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2006/07/01 メディア: 単行本 …