明治

大人にはわからない日本文学史 高橋源一郎

樋口一葉 明治二十八年の「リアル」 円朝 小説と詩の違い 「小説のOS」 ケータイ小説 大人にはわからない日本文学史 (ことばのために) 作者:高橋 源一郎 発売日: 2009/02/20 メディア: 単行本 樋口一葉 わたしは長いあいだ一葉のことを、周りで新しい散文が…

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界

『社会と文学』 最初期娯楽小説「露西亜がこわいか」 講談速記本の製造プロセス 複数人で書く、文士崩れがいる、厳密さは求められない 最初期娯楽小説 犯罪実録、推理小説 忍者キャラ 猿飛佐助がなぜ少年になったか 無名作家と駄作の先に 「舞姫」の主人公を…

本当の翻訳の話をしよう 村上春樹 柴田元幸

帰れ、あの翻訳 二葉亭四迷との共通点 柴田元幸講義 日本翻訳史 明治篇 短篇が上手いのは 藤本訳ブローティガン 本当の翻訳の話をしよう 作者: 村上春樹,柴田元幸 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング 発売日: 2019/05/09 メディア: 単行本 この商品を…

町村「自治」と明治国家 中西 啓太

江戸時代との違い、村落共同体との対比 第五章 企業に対する府県の課税と税の分割 町村「自治」と明治国家 (山川歴史モノグラフ) 作者:中西 啓太 発売日: 2018/10/20 メディア: 単行本 江戸時代との違い、村落共同体との対比 [町村自治の問題点] 国が要請す…

“殺し”の短歌史 夢野久作「猟奇歌」、大逆事件

夢野久作「猟奇歌」の成立過程 父・杉山茂丸は政界の黒幕 大逆事件と近代日本 管野すが “殺し”の短歌史メディア: 単行本 夢野久作「猟奇歌」の成立過程 東京、満洲、父・杉山茂丸 / 秋元進也 殺すくらゐ 何でもない/と思ひつゝ人ごみの中を/潤歩して行く …

ふたつの憲法と日本人 明治の護憲論

護憲論 明治憲法の欠陥 不磨ノ大典の担い手 欽定憲法史観 逆手に取る民権派 あの御真影は肖像画 明治大帝論 昭和天皇と明治大帝論 国体憲法学 穂積憲法学 美濃部憲法学 8割強が戦前の話なのに何故こういうタイトルにしたのだろう。 『明治憲法の破綻』とか…

明治のワーグナー・ブーム その2

洋楽普遍主義 音楽取調掛の海外広報 「仙人」ケーベル 久野ひさの「意志と情熱」 活字で音楽に感動する 姉崎嘲風、ドイツ贔屓から嫌独家へ なぜ、反ユダヤのワーグナー崇拝に行き着いたか 前回の続き。 明治のワーグナー・ブーム 近代日本の音楽移転 (中公叢…

明治のワーグナー・ブーム 近代日本の音楽移転

明治のワグネリアン 姉崎嘲風 近代日本の音楽移転 浄瑠璃の家元が洋楽を学ぶ 日本人にとっての西洋音楽 西洋人の耳に響いた邦楽 開拓者伊沢修二 「国策」という考え方 音楽の効用、「国楽」 洋楽流入ルート 「お雇い」外国人ディトリヒ 明治のワーグナー・ブ…

日本の近代とは何であったか・その2 三谷太一郎

立憲主義は明治憲法下の体制原理 幕藩体制の合議制 幕末の権力分立論 明治憲法下の権力分立制 藩閥 日本の近代とは何であったか 教育勅語成立過程 - 本と奇妙な煙の続き。 日本の近代とは何であったか-問題史的考察 (岩波新書) 作者:三谷 太一郎 発売日: 20…

謀叛の児: 宮崎滔天の「世界革命」 加藤直樹

熊本民権党 民権派の限界 失望、キリスト教 中国革命−世界革命 犬養毅 孫文 滔天、康有為 内省と決心 桃中軒牛右衛門 謀叛の児: 宮崎滔天の「世界革命」 作者: 加藤直樹 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/04/21 メディア: 単行本 この商品を含む…

日本の近代とは何であったか 教育勅語成立過程

「神」の不在で天皇の神格化 憲法外で「神聖不可侵性」を体現するために「教育勅語」 「神」や「天」から「皇祖皇宗」へ 教育勅語と立憲主義 グラントの忠告 国際金融家・井上準之助 なぜ「非公式帝国」にならなかったか 「帝国主義」に代わる「地域主義」の…

〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等

はじめに 保守党の反軍国主義 軍部の地位の引き下げ 「統帥権の干犯」 五・一五事件 〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等 (講談社選書メチエ)作者:坂野 潤治発売日: 2014/11/11メディア: 単行本 はじめに [戦後改革で]日本の左翼とリベラルは、「…

福沢諭吉の『学問のすゝめ』   橋本治

ステロタイプな名文から逃げろ 「虚学」と「実学」 自由と《分限》 《自由》と《独立》 啓蒙思想 福沢諭吉は体制擁護か? 理想から離れてゆく現実に怒る 福沢諭吉の『学問のすゝめ』作者:橋本 治発売日: 2016/06/09メディア: 単行本 ステロタイプな名文から…

元老・その2 なぜ陸軍を統制できなかったか

対華二十一ヵ条要求 元老存廃をめぐる闘争 大隈、原、山県の死 若い天皇への批判 満州事変 五・一五事件以後 三国同盟を嫌う天皇 前日の続き。 元老―近代日本の真の指導者たち (中公新書)作者:伊藤 之雄発売日: 2016/06/21メディア: 新書 対華二十一ヵ条要求…

元老―近代日本の真の指導者たち 伊藤之雄

元老形成の素地 天皇のサボタージュ 元老制度形成 元老批判 北清事変、山県の台頭 伊藤の死、桂太郎の台頭 山県と大正天皇の力関係 脱元老の動き 元老―近代日本の真の指導者たち (中公新書)作者:伊藤 之雄発売日: 2016/06/21メディア: 新書 元老形成の素地 …

慰霊と招魂―靖国の思想 村上重良

靖国の思想 長州藩の招魂場が護国神社の源流 東京招魂社創建 神道国教化政策 別格官幣社 西南戦争が契機に 靖国神社に改称 英霊 明治神宮 靖国神社法案 慰霊と招魂―靖国の思想 (岩波新書)作者:村上 重良発売日: 1974/09/28メディア: 新書 靖国の思想 大老の…

明治国家をつくった人びと 瀧井一博

シュタインからの手紙 山県有朋 歴史法学 穂積八束 明治国家をつくった人びと (講談社現代新書)作者:瀧井 一博発売日: 2013/06/18メディア: 新書 シュタインからの手紙 [明治15年福沢諭吉にローレンツ・フォン・シュタインから手紙] 福沢が大きな感動をもっ…

憲法誕生・その2 新井政美

元老院国憲按 井上毅私案 行政の重視 前回の続き。 憲法誕生: 明治日本とオスマン帝国 二つの近代作者:新井 政美発売日: 2015/12/24メディア: 単行本 元老院国憲按 [明治13年の]この確定案において「皇帝」に関する第一篇第一章の第一条は「万世一系の皇統は…

憲法誕生 大久保利通の構想

狐狩りにおける「規律」 失意落胆、政争の中での目覚め 憲法構想 憲法誕生: 明治日本とオスマン帝国 二つの近代作者:新井 政美発売日: 2015/12/24メディア: 単行本 狐狩りにおける「規律」 この同じ書翰の中で、大久保がウスターで見物した狐狩りの様子を、…

帝国議会 〈戦前民主主義〉の五七年

「国民政党」の誕生 第一次護憲運動 選挙の大衆化 自由民権運動がおこった原因は、 家長選挙論 GHQ帝国議会改革案 帝国議会 〈戦前民主主義〉の五七年 (講談社選書メチエ)作者:村瀬 信一発売日: 2015/11/11メディア: 単行本 「国民政党」の誕生 こうした…

橋本治 失われた〜その2 子規、漱石

正岡子規 北村透谷が《粋》を嫌う理由 夏目漱石 あとがき 前回の続き。 失われた近代を求めてIII 明治二十年代の作家達 (失われた近代を求めて 3) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2014/10/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1…

橋本治 失われた近代を求めて〜北村透谷

北村透谷、近代最初の「挫折した少年」 山路愛山にブチキレ 宗教と《個人的生命》 失われた近代を求めてIII 明治二十年代の作家達 (失われた近代を求めて 3) 作者: 橋本治 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2014/10/07 メディア: 単行本 この商品を含…

朝鮮開国と日清戦争 渡辺惣樹

朝鮮は清国の属国か否か 米国を撃退し強気の朝鮮 属国朝鮮の扱いに苦慮する清国 なぜ宗主国が西洋に屈したのに朝鮮は強気だったか 1885年元駐日英国公使ハリー・パークス、北京で死去 英国の思惑 長崎事件 アメリカへの売り込み 下関講和交渉 ルーズベルトの…

町村合併から生まれた日本近代・その2

堤防、橋梁はひとつの「地方」が利害を共有している なぜ住民は一町村に一戸長の体制を望んだか 「美風」を冷笑した内務官僚 再分配と市場メカニズム 地方利益という抑圧 前日のつづき。 町村合併から生まれた日本近代 明治の経験 (講談社選書メチエ)作者:松…

町村合併から生まれた日本近代

サラ金とはちがう「村融通制」 助け合いの範囲を広げる難しさ 新しい産業 井上毅の構想 町村合併から生まれた日本近代 明治の経験 (講談社選書メチエ)作者:松沢 裕作講談社Amazon サラ金とはちがう「村融通制」 個別の百姓が個別の事情で年貢納入不能に陥っ…

カネと文学

薄利 サイドビジネス 文学バブル 文壇印刷会社 バブル以前 通俗小説も売れなかった カネと文学―日本近代文学の経済史 (新潮選書)作者:山本 芳明新潮社Amazon 薄利 [明治23年雑誌「日本之少年」]もうけは三厘から五厘。百冊売って、ようやく30銭から50銭の利…

「自然主義」と呼ばれたもの達 橋本治

二葉亭四迷は『平凡』 本家フランスより進んでいた前近代日本 日本自然主義文学を誕生させたのは島村抱月 なぜ『小説神髄』に若者は熱狂したか 「近代自我」は言文一致体の中から 言文一致体の完成 失われた近代を求めてII 自然主義と呼ばれたもの達 (失われ…

近代日本の国家構想 坂野潤治

「新攘夷派」の「革命目的」 「富国派」、台湾出兵、立憲制移行 井上と大隈 『憲法義解』、穂積八束「大権政治」論 天皇親政論と内政官僚 近代日本の国家構想―1871‐1936 (岩波現代文庫) 作者: 坂野潤治 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2009/08/18 メディ…

未完の明治維新 坂野潤治

幕末の議会&憲法論 「大政奉還」と「王政復古」 大蔵官僚 台湾出兵、征韓論 民撰議院派と憲法制定派の妥協 未完の明治維新 (ちくま新書)作者:坂野 潤治発売日: 2007/03/01メディア: ペーパーバック 幕末の議会&憲法論 もっとも議会論そのものに限っていえ…

誰がための地方自治改革

出遅れた東京 横浜 神戸、大阪 外債 地方増税 府県による市町村統制 フランスの地方自治 増税する地方議会 山縣有朋の挫折 - 本と奇妙な煙の続き。 山縣有朋の挫折―誰がための地方自治改革作者:松元 崇発売日: 2011/11/23メディア: 単行本 出遅れた東京 明治…