憲法

試される民主主義(下) その2

憲法裁判所 ニクラス・ルーマン フーコー 前回の続き。 試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想(下) 作者:ミュラー,ヤン=ヴェルナー 発売日: 2019/07/27 メディア: 単行本 憲法裁判所 一九六五年にカール・レーヴェンシュタインは「一九世紀には究極の…

愛国の構造 将基面貴巳 その2

パトリオティズムをめぐる言論状況 近代日本における「愛国」の成立 コミュニタリアン・パトリオティズム 憲法パトリオティズム 前回の続き。 愛国の構造 作者:将基面 貴巳 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/07/26 メディア: 単行本 パトリオティズム…

ヨーロッパ憲法論 ハーバーマス

序文 人間の尊厳というコンセプトおよび人権という現実的なユートピア 「政治的なるもの」、カール・シュミット 国民主権と国家主権 インタビュー ヨーロッパ憲法論(叢書・ウニベルシタス) 作者: ユルゲンハーバーマス,J¨urgen Habermas,三島憲一,速水淑子 …

日銀と政治 暗闘の20年史 鯨岡仁

大蔵省不祥事から日銀法改正 ゼロ金利導入 速水、30歳下のサマーズにめっさ怒られる うずまく反発 「量的緩和」導入 日銀と政治 暗闘の20年史 作者: 鯨岡仁 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/10/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) …

人々の声が響き合うとき 熟議空間と民主主義

非対称選挙戦争 米国の民主制 アイオワ 実質的バランス 前半をチラ見。 人々の声が響き合うとき : 熟議空間と民主主義 作者: ジェイムズ・S.フィシュキン,曽根泰教,James S. Fishkin,岩木貴子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2011/04/21 メディア: 単行…

公開性の根源—秘密政治の系譜学 大竹弘二

主権の危機 政治的公開性の機能不全 啓蒙主義による公開性の要求 「神秘体」の転用、『王の二つの身体』 マキャヴェッリに公開性原則の萌芽あり タキトゥス主義 「例外状態」、「必要は法を持たない」 「二つの身体」 大衆への恐怖 「自己統治」 利己的人間…

公共性――自由が/自由を可能にする秩序 (自由への問い 第3巻)

自由「濫用」の許容性について 毛利透 第一次共和国擁護法 第二次共和国擁護法 共和国擁護法がナチスによって政敵弾圧のために使用された 福祉国家の公序 中島徹 一九六〇年代の福祉国家論 一九七〇年代の「大きな政府」批判と現実の日本社会 一九九〇年代福…

熟議が壊れるとき: 民主政と憲法解釈の統治理論

編者解説 第1章 熟議のトラブル? 第3章 司法ミニマリズムを越えて 空虚さ、浅さ、概念的下降 実践における収束 不完全な理論化の利点 熟議が壊れるとき: 民主政と憲法解釈の統治理論 作者: キャスサンスティーン,那須耕介 出版社/メーカー: 勁草書房 発売…

運命 文在寅自伝

盧武鉉(ノ・ムヒョン)との出会い 盧武鉉の情熱と原則 盧武鉉、 初出馬ポスター 2002年大統領選 父と母 憲法 イラク派兵 「国家保安法廃止」 舌禍トラウマ 運命 文在寅自伝 作者: 文在寅,矢野百合子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/10/05 メディア…

民主主義の死に方・その2

独裁者が制度を破壊する過程をサッカーの試合でたとえると 第5章 民主主義のガードレール 第6章 アメリカ政治の不文律 第7章 崩れていく民主主義 第8章 トランプの一年目 第9章 民主主義を護る 前回の続き。 民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁…

民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道

見えにくい民主主義の崩壊 イソップ寓話集「馬と鹿と猟師」 致命的な同盟 アメリカの民主主義を護る門番 独裁者リトマス試験紙 民主主義を破壊する 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道― 作者:スティーブン・レビツキー,ダニエル・ジブラット …

総特集=丸山眞男 現代思想2014年8月増刊号

【討議】丸山眞男を問い直す 川本隆史+苅部 直 近代市民の哀悼劇 丸山眞男と決断の帰趨 金杭 丸山眞男と藤田省三 認識するということの意味 趙星銀 この事態の政治学的問題点 丸山眞男(1960年発表) 現代思想 2014年8月臨時増刊号 総特集◎丸山眞男 -生誕一…

精神の革命――急進的啓蒙と近代民主主義の知的起源

独立革命の最大の汚点 「暴君と聖職者たちが真の反逆者」 直接民主政への懸念 「曖昧で出来損ないの勅許状」 権力と富の不均衡是正 精神の革命――急進的啓蒙と近代民主主義の知的起源 作者: ジョナサン・イスラエル,森村敏己 出版社/メーカー: みすず書房 発…

デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義

黒幕ロバート・マーサ 偽ニュースサイト ピザ店、「コメット・ピンポン」に銃を持った男が侵入 国民投票 デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 (集英社新書) 作者:福田 直子 発売日: 2018/05/17 メディア: 新書 黒幕ロバート・マーサ トランプ政…

自由論―現在性の系譜学 酒井隆史

誰が誰を観察するのか? 世界の捏造化 未曾有の「対案主義」がいま、この社会を支配している。 ロールズの正義論はポスト福祉国家の理論 フーコー、ハイエク 「警察権」は膨張していった 2001年の本。 自由論―現在性の系譜学作者:酒井 隆史発売日: 2001/06/0…

魂の労働―ネオリベラリズムの権力論

内務省型統治の復活 ネオリベラリズムのワークフェア言説 2003年の本。 魂の労働―ネオリベラリズムの権力論作者:渋谷 望発売日: 2003/10/01メディア: 単行本 内務省型統治の復活 日本において「護送船団方式」の解体は、「大きな政府から小さな政府へ」とい…

吉本隆明質疑応答集〈3〉人間・農業

国家をほんとうに開く 質問者が語る兼業農家の実態 1987年講演後の質疑応答 吉本隆明質疑応答集〈3〉人間・農業作者:吉本 隆明発売日: 2018/02/07メディア: 単行本 国家をほんとうに開く [1991年講演後の質疑応答。89年のベストセラー、石原慎太郎・盛田昭…

啓蒙 ドリンダ・ウートラム

カントが公的と呼ぶ領域 貸本、コーヒーハウス 啓蒙の世紀 第3章 啓蒙と統治 第10章 啓蒙の終焉 啓蒙 (叢書・ウニベルシタス)作者:ドリンダ・ウートラム発売日: 2017/12/04メディア: 単行本 カントが公的と呼ぶ領域 カントは、理性の使用ができるだけ進めら…

政治哲学的考察―リベラルとソーシャルの間

マルクスからトクヴィルへ トクヴィルの徳の概念 自由の精神と宗教の精神 ネオ・トクヴィリアン フランス・リベラリズムの独自性 近代議会制の内包する両義性 代議士の有権者からの独立性の確保 ルソーはなぜ代表を嫌ったか 政治哲学的考察――リベラルとソー…

抑止力としての憲法・その3 フーコー

フーコーと新自由主義 ボダン citoyen 前回の続き。 抑止力としての憲法――再び立憲主義について 作者: 樋口陽一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る フーコーと新自由主義 フーコーと言えば〈国家ぎ…

抑止力としての憲法・その2 樋口陽一

「立憲」という言葉 「憲法を創る力」=旧体制を壊す力 ルソーVS立憲主義? 防御権、保護義務論 social tyranny 自己統治秩序 前回の続き。 抑止力としての憲法――再び立憲主義について 作者: 樋口陽一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/15 メディ…

抑止力としての憲法 シュミット、ホッブズ、カピタン

シュミットとホッブズ シュミットとカピタン シュミットの「自由主義的継受」 シュミットにおける決断=非日常 カピタンにおける決断=日常 抑止力としての憲法――再び立憲主義について 作者: 樋口陽一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/15 メディ…

啓蒙の民主制理論・その2

カントとホッブズのちがい イギリス革命とフランス革命 カール・シュミットとカント 前回の続き。 啓蒙の民主制理論―カントとのつながりで (叢書・ウニベルシタス)作者:インゲボルク マウスメディア: 単行本 カントとホッブズのちがい カントが、国家元首は…

啓蒙の民主制理論―カントとのつながりで

序文 序論 抵抗権 誤解されたカント本来の理念 第三章 国民主権の法外的次元 10年前にも読んでた→(米憲法は17世紀英国式 - 本と奇妙な煙) 啓蒙の民主制理論―カントとのつながりで (叢書・ウニベルシタス)作者:インゲボルク マウスメディア: 単行本 序文 カ…

ほんとうの憲法: 戦後日本憲法学批判

保守合同「行くバカ(池田)に残るバカ(佐藤)」 改憲、下火に 美濃部達吉の愚民観が反感を買い天皇機関説事件 ほんとうの憲法: 戦後日本憲法学批判 (ちくま新書 1267)作者:篠田 英朗発売日: 2017/07/05メディア: 新書 保守合同「行くバカ(池田)に残るバ…

ふたつの憲法〜・その2 日本主義者の護憲

日本主義者の護憲 国体明徴運動 革新派 近衛体制=幕府論 翼賛会の改組 戦時体制 みずから人権放棄 聖断による明治憲法の破綻 前回の続き。 ふたつの憲法と日本人: 戦前・戦後の憲法観 (歴史文化ライブラリー)作者:暁弘, 川口発売日: 2017/07/18メディア: 単…

ふたつの憲法と日本人 明治の護憲論

護憲論 明治憲法の欠陥 不磨ノ大典の担い手 欽定憲法史観 逆手に取る民権派 あの御真影は肖像画 明治大帝論 昭和天皇と明治大帝論 国体憲法学 穂積憲法学 美濃部憲法学 8割強が戦前の話なのに何故こういうタイトルにしたのだろう。 『明治憲法の破綻』とか…

憲法パトリオティズム 過去の断罪と解消

まず「監訳者あとがき」を先に。 「記憶」と「闘争性」 憲法裁判所 カール・レーベンシュタイン 終息しなかった憲法パトリオティズム ヨーロッパ憲法パトリオティズム 「新しい過去」、他国の過去を断罪すること 自己卑下とヨーロッパ中心主義 統合による過…

ポピュリズムとは何か ヤン=ヴェルナー・ミュラー

ポピュリストは、ポピュリストとして統治できる 「憤懣を抱く人びと」ではない 政権についたポピュリスト 非リベラルな民主主義 テクノクラシーとポピュリズムは合わせ鏡 ポピュリズムについての七つのテーゼ ポピュリズムとは何か作者:ヤン=ヴェルナー・ミ…

日本の近代とは何であったか・その2 三谷太一郎

立憲主義は明治憲法下の体制原理 幕藩体制の合議制 幕末の権力分立論 明治憲法下の権力分立制 藩閥 日本の近代とは何であったか 教育勅語成立過程 - 本と奇妙な煙の続き。 日本の近代とは何であったか-問題史的考察 (岩波新書) 作者:三谷 太一郎 発売日: 20…