2016-01-01から1年間の記事一覧

脱原発の哲学 佐藤嘉幸 田口卓臣

なぜ活断層の上に原発が建つのか 炉心溶融は起こらないと強弁する理由 伊方原発訴訟判決 電源三法交付金という麻薬 原発事故と足尾鉱毒事件の類縁性 宇井純「公害の起承転結」 専門家は本当に専門家なのか 公害影響を否認する者 再稼働差し止め判決文 脱原発…

世界の辺境とハードボイルド室町時代

「なぜ人を殺してはいけないの?」という愚問 アジールとしての寺院 離合集散が激しいタイでは庶民に徴税できない 独裁者は平和を要求する ちょっといい話:いつ歴史学者を志したか ちょっといい話:講談社選書メチエ編集者 「多数決は暴力的な手続きなんだ…

カインド・オブ・ブルーの真実・その2

30丁目スタジオ 安堵したジミー・コブ 《ブルー・イン・グリーン》クレジット問題 エコー・ルーム 《ソー・ホワット》 すべてが、ただ“ポン”とはじけたんだ 『スケッチズ・オブ・スペイン』 1972年、キャノンボールのフリージャズへの見解 オーネット・コー…

カインド・オブ・ブルーの真実

観客に背を向けるマナーが尊大だと一部から非難 モード宣言 ビル・エヴァンス 『1958マイルス』 今回引用したのは最初に翻訳された方から。 カインド・オブ・ブルーの真実 作者: カーンアシュリー,中山康樹,中山啓子 出版社/メーカー: プロデュースセンター…

私の1960年代 山本義隆の丸山眞男批判

丸山眞男批判 廣松渉、ちょっといい話 回想はこんな感じ。 丸山眞男を批判しつつも、「現代日本はデモクラシーが至上命令として教典化される危険が多分に存する。それはやがて恐るべき反動を準備するだろう。」といった主張は評価していると著者。 私の1960…

なぜ国々は戦争をするのか ベトナム、ユーゴ

ベトナム戦争 ヨーロッパ最後の独裁者の戦争 セルビア人による長いサラエヴォ包囲 なぜ国々は戦争をするのか 上作者:ジョン・G・ストウシンガー発売日: 2015/10/27メディア: 単行本 ベトナム戦争 リンドン・ジョンソンは負けられないと思っていたため、その…

私たちはどこまで資本主義に従うのか

法人を警戒したリンカーン 「グローバル企業のための民営化された司法制度」 「代表あって課税なし」 自由企業が自由な人々の民主主義を乗っ取っている 「バランスの取れた文明的な自由」の重要性 私たちはどこまで資本主義に従うのか 市場経済には「第3の柱…

ティーパーティ運動の研究 憲法保守とは

ティーパーティ運動とインスティテューションの崩壊 ティーパーティと分裂要因 ティーパーティ運動と「憲法保守」 なんか読む気しねえという人は、デカ字のとこだけで済ませるといいかも。 ティーパーティ運動の研究―アメリカ保守主義の変容作者:久保 文明,…

圏外編集者 都築響一

「編集」は基本的に孤独な作業 専門家より自分の感覚 新しいものへの嗅覚 読者層を想定するな 若手編集者の加齢臭 『ArT RANDOM』とMac導入 『TOKYO STYLE』 『ROADSIDE JAPAN』 「死刑囚の俳句」 『ヒップホップの詩人たち』 『妄想芸術劇場』 「スキマ」狙…

レッキング・クルーのいい仕事・その3

キャロル・ケイ一代記 ジム・ゴードンの悲劇 「ビート・ゴーズ・オン」 モンキーズ 前回の続き。 レッキング・クルーのいい仕事 (P-Vine Books)作者:ケント・ハートマン発売日: 2012/11/16メディア: 単行本 キャロル・ケイ一代記 キャロル・スミス。父はトロ…

レッキング・クルーのいい仕事・その2

ビリー・ストレンジとブライアン・ウィルソン 『ペット・サウンズ』 「明日に架ける橋」 「俺にリズムを合わせろ」 終焉 「エコーはどうした?」とスペクター 前回の続き。 レッキング・クルーのいい仕事 (P-Vine Books)作者:ケント・ハートマン発売日: 2012…

レッキング・クルーのいい仕事

ウォール・オブ・サウンド 「パサデナのお婆ちゃん」 ソニー・ボノ 「明日なき世界」「夢のカリフォルニア」 肝心のスタジオ・ミュージシャンの話は次回になります。 レッキング・クルーのいい仕事 (P-Vine Books)作者:ケント・ハートマン発売日: 2012/11/16…

出版幻想論・その3 藤脇邦夫

角川春樹 文芸編集者は税金対策 編プロ受注率が出版社を左右する 本にも賞味期間がある 図書館は出版産業の敵だ 出版における新商品とは 90年代の出版界を予想する 編集者40代定年説 「カネを飼っているような本」の作り方 前回の続き。 ここ(出版幻想論 デ…

出版幻想論・その2 安原顕対談

安原顕、原価計算 再販をやめて淘汰されてしまえ 出版は元々セコイ商売なんだよ 前回の続き。またまた著者の話ではなく、安原顕との対談を。 出版幻想論 作者: 藤脇邦夫 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 1994/05 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品…

出版幻想論 データハウスの秘密w

週三冊ペース 「謎本ブーム」なんてない 原価計算はしたことない 100万部行く本って二時間で読めなければだめ 蔵書は五万冊あるが読まない 出版幻想論 作者: 藤脇邦夫 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 1994/05 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を…

出版アナザーサイド・その2 藤脇邦夫

「漫画ブリッコ」 ザッパ本と八木康夫 「パチンコ必勝ガイド」で逆転した末井昭 アマゾンの功罪 渋谷陽一 大瀧詠一『オール・アバウト・ナイアガラ』 大瀧詠一の本の読み方 前回の続き。 出版アナザーサイド作者:藤脇 邦夫本の雑誌社Amazon 「漫画ブリッコ」…

出版アナザーサイド 藤脇邦夫

白夜書房 末井昭 情報センター出版局の失速 「映画評論」を400万円で 書原の森原幹雄 見城徹 白夜書房から出ていたジャックス、大瀧、ザッパ他、マニアックな音楽本(妄想ジャップロック - 本と奇妙な煙や さよならアメリカ、さよならニッポン - 本と奇妙な…

ミキサーはアーティストだ! 吉野金次

細野晴臣『HOSONO HOUSE』 邪魔な音は消しちゃっていいの。 パターン化したミキサーにはなりたくない 思いのままに録音すべきだよ。 フィラデルフィア・サウンド 『細野晴臣 録音術』で話に出たので読んでみた。1979年の本。 細野晴臣 録音術 ぼ…

「表現の自由」を求めて・その3 ヘイトスピーチ

広告の自由 「バックレイ」判決 「スコーキ」事件。ヘイトスピーチ 「R・A・V」事件 「表現の自由」の再編成に向けて 前回の続き。 「表現の自由」を求めて: アメリカにおける権利獲得の軌跡作者:奥平 康弘発売日: 1999/12/17メディア: 単行本 広告の自由…

「表現の自由」を求めて・その2 奥平康弘

ホームズの転換――それを促したもの L・D・ブランダイス 1940年国旗敬礼強制事件 前回の続き。 「表現の自由」を求めて: アメリカにおける権利獲得の軌跡作者:奥平 康弘発売日: 1999/12/17メディア: 単行本 ホームズの転換――それを促したもの 劇場で[「火事…

「表現の自由」を求めて―アメリカにおける権利獲得の軌跡

治安妨害をめぐる裁判 検閲 「コムストック法」 「パターソン」事件 ラーネッド・ハンド裁判官 「表現の自由」を求めて: アメリカにおける権利獲得の軌跡作者:奥平 康弘発売日: 1999/12/17メディア: 単行本 治安妨害をめぐる裁判 [80歳近いアンドリュー・ハ…

明治国家をつくった人びと 瀧井一博

シュタインからの手紙 山県有朋 歴史法学 穂積八束 明治国家をつくった人びと (講談社現代新書)作者:瀧井 一博発売日: 2013/06/18メディア: 新書 シュタインからの手紙 [明治15年福沢諭吉にローレンツ・フォン・シュタインから手紙] 福沢が大きな感動をもっ…

ゲゲゲのゲーテ 水木しげる

水木しげる、ゲーテについて語る 水木の『ねぼけ人生』から 以下ゲーテの言葉。 仕事について 成功について 水木自身が選んだゲーテの言葉93篇を収録。 ゲゲゲのゲーテ (双葉新書)作者:水木 しげる発売日: 2015/12/16メディア: 新書 水木しげる、ゲーテにつ…

ソクラテス われらが時代の人 ポール・ジョンソン 中山元

プラトンによる二度目の死 過激な思想家・ソクラテス タフガイ・ソクラテス 問い掛けるソクラテス 「正義とは何か」 ソクラテス われらが時代の人作者:ポール・ジョンソン発売日: 2015/12/18メディア: 単行本 プラトンによる二度目の死 その頃のプラトンはま…

新しい音楽とことば 石野卓球 高城晶平(cero)

石野卓球(電気グルーヴ) 「Shangri-La」 篠原ともえ 菊池成孔 高城晶平(cero) 新しい音楽とことば (SPACE SHOWER BOOKs) 発売日: 2014/11/14 メディア: 単行本 石野卓球(電気グルーヴ) PILとかホルガー・ヒラーとかの歌詞はダントツに面白かったな…

音楽とことば 曽我部恵一、小西康陽

フリッパーズ・ギターから『若者たち』へ 自分なりの文法を無くしたい 「そこに自然にあるもの」 小西康陽 曲が書けるようになったきっかけ ピチカートとソロのちがい 職業作家の音楽を愛聴してきたが 言葉の可能性 音楽とことば あの人はどうやって歌詞を書…

死刑に直面する人たち・その2

弟を殺した死刑囚からの手紙 片山隼君の父 「終身刑化」する無期懲役 薬物死刑への疑問 『元死刑執行官だけが知る監獄の叫び』 前回の続き。 ドキュメント 死刑に直面する人たち――肉声から見た実態 作者: 佐藤大介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/0…

死刑に直面する人たち 佐藤大介

袴田巌の精神状態 確定死刑囚へのアンケート 執行の日 松田幸則の母 名古屋アベック殺人事件 ドキュメント 死刑に直面する人たち――肉声から見た実態 作者:佐藤 大介 発売日: 2016/01/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) 袴田巌の精神状態 [議員時代の保坂…

19世紀の女体化妄想『シュレーバー回想録』

訳者解説 脱男性化、女性神経 男根の軟弱化、低身長化の奇蹟 魂の官能的愉悦 裁判医鑑定書から ザクセン王国法曹界No.2まで登りつめるものの、精神を病み、女体化妄想にとらわれた男の回想録。 シュレーバー回想録 (中公クラシックス)作者:D・P・シュレーバ…

憲法誕生・その2 新井政美

元老院国憲按 井上毅私案 行政の重視 前回の続き。 憲法誕生: 明治日本とオスマン帝国 二つの近代作者:新井 政美発売日: 2015/12/24メディア: 単行本 元老院国憲按 [明治13年の]この確定案において「皇帝」に関する第一篇第一章の第一条は「万世一系の皇統は…