哲学

ニュースクール――20世紀アメリカのしなやかな反骨者たち

「ニュースクール」創設 マーロン・ブランド 複雑なナショナリズム アメリカ化運動と弾圧の拡大 マッカーシズムの構造 ハンナ・アーレント ニュースクール――20世紀アメリカのしなやかな反骨者たち 作者: 紀平英作 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/08…

哲学においてマルクス主義者であること・その2

平面秩序、丸い秩序、境界ならざる境界 唯物論の道、神からはじめるとは 前回の続き。 哲学においてマルクス主義者であること (革命のアルケオロジー 6)作者:ルイ・アルチュセール発売日: 2016/07/20メディア: 単行本 平面秩序、丸い秩序、境界ならざる境界 …

哲学においてマルクス主義者であること アルチュセール

哲学者たちの集い 大衆的哲学 再び、哲学は無からはじまる デカルトの機械論 「すべて」とは スピノザ、ヘーゲル、マルクス ガリレオ、デカルト、カント 哲学においてマルクス主義者であること (革命のアルケオロジー 6)作者:ルイ・アルチュセール発売日: 20…

なぜ科学を語ってすれ違うのか・その2

「ハンチントン」たち 「スコープス裁判」 ニセ科学 著者あとがき 前回の続き。 なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて作者:ジェームズ・ロバート・ブラウン発売日: 2010/11/20メディア: 単行本 「ハンチントン」たち マリオ・ブンゲが大ぼら…

なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて

ソーカル事件 ポストモダンの言葉づかい 偶像破壊者ファイヤアーベント なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて作者:ジェームズ・ロバート・ブラウン発売日: 2010/11/20メディア: 単行本 まず、訳者あとがきから ソーカル事件 ソーカル事件に対…

資本主義後の世界のために D・グレーバー+矢部史郎

資本主義づくりをやめる 最終的に左翼と右翼を区別するのは 自律空間 資本主義後の世界のために (新しいアナーキズムの視座) 作者: デヴィッドグレーバー,高祖岩三郎 出版社/メーカー: 以文社 発売日: 2009/03/30 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 20回…

イタリア・ファシズムを生きた思想家たち

国民概念とファシズム 20世紀における国民概念の変更 新国家設立 ムッソリーニのファシズム観 クローチェ イタリア・ファシズムを生きた思想家たち――クローチェと批判的継承者 作者: 倉科岳志 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/02/23 メディア: 単行…

無くならない アートとデザインの間 その2

サヴァン症候群 平面作品の行き詰まり 岸野雄一、細馬宏通との対話 前回の続き。 無くならない: アートとデザインの間 作者: 佐藤直樹 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2017/04/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小崎哲哉との対話 サヴァン…

無くならない アートとデザインの間 佐藤直樹

美学校 アキ・カウリスマキ 「アート」と「デザイン」 「絵画作品」はいつから自明なのか 長新太 赤瀬川原平 秋岡芳夫 「デザインならざるもの」 東京五輪エンブレム騒動 無くならない: アートとデザインの間 作者: 佐藤直樹 出版社/メーカー: 晶文社 発売日…

よくわかる人工知能 清水亮 ディープラーニング

第四章 人工知能は意識を持つのか? 第五章 ディープラーニングの先にあるもの よくわかる人工知能 最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ作者:清水 亮発売日: 2016/10/17メディア: 単行本 第四章 人工知能は意識を持つのか? 対談 前野隆司…

犯罪・捜査・メディア・その2「居心地のよい」監獄

「居心地のよい」監獄 ロマン主義の監獄 前回の続き。 犯罪・捜査・メディア: 19世紀フランスの治安と文化 (叢書・ウニベルシタス)作者:ドミニク・カリファ発売日: 2016/10/25メディア: 単行本 「居心地のよい」監獄 王政復古期の末期から執拗に見られるよう…

オルテガ―現代文明論の先駆者 色摩力夫

トインビー 宗教改革とイエズス会 ベラスケス 絶望の様相 ローマ市民の「信念の体系」 正統性 大衆人、無知の賢者 「国家」と「国民社会」 世論 オルテガ―現代文明論の先駆者 (中公新書)作者:色摩 力夫メディア: 新書 トインビー オルテガは、また、トインビ…

丸山眞男の敗北 伊東祐吏

「終戦」 “戦後の丸山眞男” レッドパージ ファシズム 「日本の思想」(1957年) 留置場体験、思想弾圧 丸山眞男の敗北 (講談社選書メチエ) 作者: 伊東祐吏 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/08/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブロ…

ニーチェの言う強者/弱者とは

[解説:國分功一郎] マクシミリアン・ル・ロワ のバンド・デシネ『ニーチェ―自由を求めた生涯』の訳者解説から。 日本版は文庫サイズなので絵を楽しむにはちょっとツライ。 ニーチェ―自由を求めた生涯 (ちくま学芸文庫)作者:オンフレ,ミシェル,ル・ロワ,マク…

「法の支配」とは何か 大浜啓吉

ローマ法とゲルマン法 「法の支配」 「法の支配」とは何か――行政法入門 (岩波新書) 作者: 大浜啓吉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/02/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る ローマ法とゲルマン法 ローマ法には所有権の概念が存在…

マルクス思想の核心、時間稼ぎの資本主義

『資本論』刊行されるも反響は薄かった なぜ革命が失敗したのか。 シュトレーク『時間稼ぎの資本主義』 マルクス思想の核心 21世紀の社会理論のために (NHKブックス) 作者: 鈴木直 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2016/01/22 メディア: 単行本(ソフトカ…

世界の辺境とハードボイルド室町時代

「なぜ人を殺してはいけないの?」という愚問 アジールとしての寺院 離合集散が激しいタイでは庶民に徴税できない 独裁者は平和を要求する ちょっといい話:いつ歴史学者を志したか ちょっといい話:講談社選書メチエ編集者 「多数決は暴力的な手続きなんだ…

私の1960年代 山本義隆の丸山眞男批判

丸山眞男批判 廣松渉、ちょっといい話 回想はこんな感じ。 丸山眞男を批判しつつも、「現代日本はデモクラシーが至上命令として教典化される危険が多分に存する。それはやがて恐るべき反動を準備するだろう。」といった主張は評価していると著者。 私の1960…

ドゥルーズ「記号と事件」1972‐90年の対話

ゴダール『6x2』をめぐる三つの問題 模倣者たちの陰謀 主体化 追伸――管理社会について チラ見。単行本から引用。文庫本は全面改訳されているらしい。 記号と事件―1972‐1990年の対話 (河出文庫) 作者: ジルドゥルーズ,Gilles Deleuze,宮林寛 出版社/メーカー:…

小泉義之×千葉雅也「ドゥルーズを忘れることは可能か」

晩年のドゥルーズ 「ドゥルーズを忘れろ」 巻頭の、対談 小泉義之×千葉雅也「ドゥルーズを忘れることは可能か」だけ読んでみた。 ドゥルーズ 作者: 河出書房新社編集部 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/10/24 メディア: 単行本 この商品を含むブ…

アメリカ・宗教・戦争 西谷修・宇野邦一・鵜飼哲

「テロ」という言葉 親鸞 靖国 アメリカ・宗教・戦争作者:修, 西谷,邦一, 宇野,哲, 鵜飼メディア: 単行本 「テロ」という言葉 西谷 (略)アフガニスタン攻撃が一段落して以来、いつの間にか次はイラクだということになって、9・11には直接関わりのないイ…

森田真生『数学する身体』 チューリング

思考は脳みそだけではない。 クラーク『現れる存在』 ヒルベルト「数学についての数学」 アラン・チューリング 数学する身体 (新潮文庫) 作者: 森田真生 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/04/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 思考…

ヒトラーと哲学者 哲学はナチズムとどう関わったか

大衆は服従を欲してる カール・シュミット ハイデガー 戦後のハイデガー 迫害された学者の復帰は ヒトラーと哲学者: 哲学はナチズムとどう関わったか 作者: イヴォンヌシェラット,三ッ木道夫,大久保友博 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2015/01/22 メディ…

海賊と資本主義・その2

リージョン・オブ・ザ・アンダーグラウンド宣言文 国家の市場独占 特許海賊 シャーマン法が合併促進 おわりに 前回の続き。 海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち作者:ジャン=フィリップ・ベルニュ,ロドルフ・デュラン発売日: 201…

海賊と資本主義

海賊とは 海賊と私掠船 「超コード化」解読 海賊船と商船のシステムの違い 海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち作者:ジャン=フィリップ・ベルニュ,ロドルフ・デュラン発売日: 2014/08/20メディア: 単行本(ソフトカバー) 海賊と…

スピノザと政治・その2

スピノザ ホッブズ マルクス:政治の他律性 前回のつづき。 スピノザと政治 (叢書言語の政治)作者:エティエンヌ バリバールメディア: 単行本 政治体は、内戦(「反乱」)(略)の潜在的脅威のもとでしか存在することができない(略) 政治体はつねに、外部の…

スピノザと政治

『神学・政治論』 哲学と神学とを分かつ境界線 予定説とスピノザの説との違い スピノザと政治 (叢書言語の政治) 作者:エティエンヌ バリバール メディア: 単行本 『神学・政治論』 『神学・政治論』にたえず誤解がつきまとうのは、ある特定の時代に帰属する…

共和主義の思想空間・その2

スコットランド 第14章 ヘーゲルの国家・経済論における共和主義的側面について 前回のつづき。 共和主義の思想空間―シヴィック・ヒューマニズムの可能性 作者: 田中秀夫,山脇直司 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2006/07/01 メディア: 単行本 …

人権はナンセンスか否か『権力への懐疑』

人権は「おおげさなナンセンス」か否か? ロールズの議論に対する疑問 国家の中立性 権力への懐疑―憲法学のメタ理論 (現代憲法理論叢書) 作者: 長谷部恭男 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 1991/05/01 メディア: ハードカバー クリック: 2回 この商品を…

社会契約論 重田園江

一般意志 ロールズとルソー わかりやすいというのは 「マルブランシュなんて聞いたこともないかもしれない。スイーツのような名前だが、18世紀のフランス語圈ではずいぶん読まれたようだ。」 なんて書き方をすることじゃないと思うけどなあ。 そもそもわかり…