人権

カント65歳、フランス革命に熱狂の巻

ここがロドス島だ 1790年代の自由主義とロマン主義 ドイツ自由主義の源流 自由主義と啓蒙主義のちがい 自由主義者のフランス革命観 カント 啓蒙・革命・ロマン主義―近代ドイツ政治思想の起源 1790‐1800年 (叢書・ウニベルシタス)作者:フレデリック・C. バイ…

人権はナンセンスか否か『権力への懐疑』

人権は「おおげさなナンセンス」か否か? ロールズの議論に対する疑問 国家の中立性 権力への懐疑―憲法学のメタ理論 (現代憲法理論叢書) 作者: 長谷部恭男 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 1991/05/01 メディア: ハードカバー クリック: 2回 この商品を…

戦争と政治の間・その2 アーレントの国際関係思想

偽善と偽善に対する戦争の両方を非難した。 「リベラルの親ユダヤ主義に対する嫌悪感」 政治的に構成されたペルソナ 世界は人びとの間に横たわっている 死者の生の重さを計るいかなる基準も全面的に拒絶 前回のつづき。 戦争と政治の間――ハンナ・アーレント…

海賊ユートピア

ソマリア海賊は陸上の大衆に支持されている レネゲイド、「蜂起の欲望」 難民とは強き者であった 序文と訳者解題だけ読んでみた。 海賊ユートピア: 背教者と難民の17世紀マグリブ海洋世界作者:ピーター・ランボーン・ウィルソン以文社Amazon 序文 ソマリア海…

憲法改正のオモテとウラ 舛添要一

「第二次草案」をバッサリ。 保岡興治の失敗から学ぶ 自然描写盛り込んじゃう中曽根に苦笑の舛添 森を猛烈に……する舛添の巻 郵政民営化騒動で前文が中曽根味になってたかもの巻 アベちゃんが折衷案の巻 まとめ 憲法改正のオモテとウラ (講談社現代新書) 作者…

アイザィア・バーリンとの対話

二つのロシア革命 『資本論』のロシア語翻訳 マキャヴェリ ホッブスとスターリン 何故われわれは人権を信じるのか ツルゲーネフ ドストエフスキー インドでネルーと会った時 『ある思想史家の回想』をパラ読み。 ある思想史家の回想―アイザィア・バーリンと…

戦争のるつぼ 第一次大戦とアメリカ

革新主義と国民国家 戦備運動 戦争を忌避する感情は 「被治者の合意」 検閲と広報 徴兵の悪夢 リンチと人種暴動 戦争は日本人の非白人性を全国政治の舞台で可視化した 「第一次世界大戦とアメリカニズム」戦争のるつぼ: 第一次世界大戦とアメリカニズム (レ…

フランス革命史の現在

「ライシテ」とは何であるのか 寛容から抑圧へ 恐怖政治からテルミドール派へ ナポレオンがつくりあげた公認宗教体制 恐怖政治を共和制の創出の重要な一段階として評価 フランス革命史の現在山川出版社Amazon 第四章 礼拝を護るのは誰か (松嶌明男) 「ライ…

ハンナ・アレント 中山元

権力と暴力 ナチス、人権の無効 モッブと大衆 フランス革命 ハンナ・アレント<世界への愛>: その思想と生涯 作者: 中山元 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2013/10/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 権力と暴力 一般に権力が「最高善…

民主主義のつくり方 宇野重規

プラグマティズムとは トクヴィルが イソノミア トランセンデンタリズム(超越主義) ホームズ連邦最高裁判事 ウィリアム・ジェイムズ デューイ 藤田省三 「緩衝材で覆われた自己」 民主主義のつくり方 (筑摩選書)作者:重規, 宇野発売日: 2013/10/15メディア…

新訳 初期マルクス・その2

バウアーの課題 政治的解放の限界 福音書 「革命的実践を正しい関係の〜」についての解説 前日のつづき。 的場昭弘による「ユダヤ人問題によせて」解説編。訳と解説が交互するので、区別できるように、冒頭に[訳]と[解説]をつけました。 新訳 初期マルクス――…

なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか

なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか。 新訳「ユダヤ人問題に寄せて」 国家の宗教からの解放は、現実の人間を宗教から解放するということではない 自由という人権は政治的生活と闘争に入るや権利であることをやめる 的場昭弘による4ペー…

福田恒存の「大衆」論、インテリ批判

「二つの世界のアイロニー」(1950年) 「文学者の文学的責任」(1951年) 「知識階級の敗退」(1949年) 「理想人間像について」(1947年) 「白く塗りたる墓」(1948年) 「民族の自覚について」(1949年) 「観念的な、あまりに観念的な」(1949年) 呉智…

プーチンの思考

二つの戦争 タンデムでリベラル支持拡大 タンデムに亀裂 国防外交をまかせておけないと大統領復帰 中国 北方領土訪問 プーチンの思考――「強いロシア」への選択作者:佐藤 親賢岩波書店Amazon これらの演説を聞いていると、欧米の内政干渉からロシアを守る、と…

オランダの極右、非正規雇用事情

パートタイム 女性パート論争 移民優遇 キッチェルト『西ヨーロッパにおける急進右翼』 ピム・フォルタイン 「包摂」のための「排除」 反転する福祉国家――オランダモデルの光と影作者:水島 治郎発売日: 2012/07/19メディア: 単行本 移民を積極的に受け入れマ…

人権がもたらした差別

公開処刑の是非 ルソー、人権ブームにうんざりするの巻 ナポレオン 人権が招いた、差別の生物学的説明 サド、人権の不吉な双生児 何故あっさり「女性の人権を創造する」としないのか不思議だぜと読まずに済ませたフェミ本、返却前にフラッシュ引用。 人権を…

人権の相続、生殖の自由

「国民」という言葉 人権は相続されるか 生殖の自由 免責特権の起源 T(教師)とS(生徒)の問答形式で憲法論議。 日本国憲法の論じ方 第2版作者:渋谷 秀樹有斐閣Amazon 「国民」という言葉 T:いずれにしても、統治者の統治権の及ぶ範囲で生活を営んでい…

明石康の交渉術

聞き手の木村元彦への興味で借りてみた。「独裁者」との交渉術 (集英社新書)作者: 明石康,木村元彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/01/15メディア: 新書購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (10件) を見る文民統制 [「戦争をやりたがるのは文…

ジハード・その2

前回のつづき。ジハード―イスラム主義の発展と衰退作者: ジルケペル,Gilles Kepel,丸岡高弘出版社/メーカー: 産業図書発売日: 2006/04/01メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (8件) を見るアフガンで潤うパキスタン 1979年3月、アリー・ブ…

個人と国家/樋口陽一

チラ見。“共和国”はグローバル化を超えられるか (平凡社新書)作者: ジャン=ピエールシュヴェヌマン,三浦信孝,樋口陽一,Jean‐Pierre Chev`enement出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/09/01メディア: 新書購入: 3人 クリック: 33回この商品を含むブログ (11…

倒壊する巨塔

サダト暗殺に関与し収監されたザワヒリ クリントン 殉教 ビンラディンとヒヨコマメ軍団 「ライオンの棲処」 サダム・フセイン 破綻 倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道作者:ローレンス ライト白水社Amazon サダト暗殺に関与し収監されたザワヒリ…

「靖国」上映中止をめぐって

「靖国」上映中止をうけての会見、対談、鼎談映画「靖国」上映中止をめぐる大議論 (TSUKURU BOOKS)作者: 森達也,鈴木邦男,宮台真司,他出版社/メーカー: 創出版発売日: 2008/06/26メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブロ…

表現の自由―その公共性ともろさについて 毛利透

ハンナ・アーレント 市民的自由を行使する変人 なぜ憲法学はハーバーマスの 公共圈論の不在は樋口にありと愛敬 シュミット ロールズ 長谷部恭男 第二章まで(あと省略)。順番を変えてアレントから先に。 表現の自由―その公共性ともろさについて作者:毛利 透…

森達也「死刑」・その2

現場職員の見方や傷付き方 教誨師 1971年の処刑 廃止派から存置派へ 光市事件遺族からの手紙 前日のつづき。 死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う 作者: 森達也 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2008/01/10 メディア: 単行本 購入: 12…

森達也「死刑」

春奈ちゃんの祖父へのインタビューから 『弟を殺した彼と、僕。』 宅間の弁護をしたことで死刑廃止の気持が揺らいだ人権派弁護士 亀井静香:冤罪の多さを知っているから反対 冤罪:免田栄 冤罪、絞首刑は残酷なのではないか、死刑囚を殺すのは現場の刑務官な…

ユートピアの終焉

夢の終焉―ユートピア時代の回顧 (りぶらりあ選書)作者: ミヒャエルヴィンター,Michael Winter,杉浦健之出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2007/08/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る支配を夢見る知識人 ユートピア的…

奪ったもので死ぬのはなによりも美しいことだ

セネカ哲学全集〈1〉倫理論集 I作者: 兼利琢也,大西英文出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/07/27メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見るパラッとめくってみた。ありがちな高級ジャクチョー説法ともいえるが、気合で 「私は断…

憲法を生きる

マルクス主義と基本的人権 1959年から二年間アメリカ留学 行政法 デモ行進は表現の自由の一形態 検閲 憲法を生きる作者:奥平 康弘メディア: 単行本 マルクス主義と基本的人権 [著者は1950年東大入学]ぼくが法律学の勉強を始めた頃(略)マルキシズムからみる…

NGOはネオリベのトロイの木馬

NGOは「グローバルなネオリベラリズムのトロイの馬」 IMFネオリベ化のきっかけ リベラリズムとネオリベラリズムとの決定的な違い ネオリベラリズムとは何か作者:デヴィッド ハーヴェイ青土社Amazon NGOは「グローバルなネオリベラリズムのトロイの…

宗教vs国家

革命前のフランスにおいて 1804年ナポレオン戴冠式 複数の宗教が容認される 「教育の自由」を望む保守派 何をもって統一するか 政教分離 「普遍的な道徳」 神抜きの「道徳」 教会資産の行方、一時没収(後に手打ち) 「御真影」を外す せっかちな人は第三章…