マルクス

「法の支配」とは何か 大浜啓吉

ローマ法とゲルマン法 「法の支配」 「法の支配」とは何か――行政法入門 (岩波新書) 作者: 大浜啓吉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/02/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る ローマ法とゲルマン法 ローマ法には所有権の概念が存在…

マルクス思想の核心・その2 人権批判

ロックのブルジョワジー擁護 政治的解放が人間的解放になりえない理由 マルクスの人権批判 子育てが商品生産と類比される世界 前回の続き。 マルクス思想の核心 21世紀の社会理論のために (NHKブックス) 作者: 鈴木直 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2016…

マルクス思想の核心、時間稼ぎの資本主義

『資本論』刊行されるも反響は薄かった なぜ革命が失敗したのか。 シュトレーク『時間稼ぎの資本主義』 マルクス思想の核心 21世紀の社会理論のために (NHKブックス) 作者: 鈴木直 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2016/01/22 メディア: 単行本(ソフトカ…

明治国家をつくった人びと 瀧井一博

シュタインからの手紙 山県有朋 歴史法学 穂積八束 明治国家をつくった人びと (講談社現代新書)作者:瀧井 一博発売日: 2013/06/18メディア: 新書 シュタインからの手紙 [明治15年福沢諭吉にローレンツ・フォン・シュタインから手紙] 福沢が大きな感動をもっ…

柄谷行人 インタヴューズ 2002-2013

ロシア革命 なぜイスラム原理主義が出てきたか。 国家の揚棄 柄谷行人インタヴューズ2002-2013 (講談社文芸文庫)作者:柄谷 行人発売日: 2014/03/11メディア: 文庫 ロシア革命 ロシア革命というのは日本人一般に社会主義を知らしめたものですが、同時に、それ…

吉本隆明〈未収録〉第8巻その2 柳田國男

柳田國男と田山花袋 行動的文体。柳田と田山、互いの影響。 太宰治、志賀直哉 「鮎川信夫と吉本隆明」瀬尾育生 前回の続き。 吉本隆明〈未収録〉講演集第8巻 物語と人称のドラマ: 作家論・作品論〈戦前編〉 (シリーズ・全集)作者:吉本 隆明発売日: 2015/07/0…

『正戦と内戦』その4 権力の前室、統治の機密

モンロー主義の道徳的犯罪化 「権力の前室」 [ナチス体制の問題点はヒトラー独裁ではなく] 肥大化する行政への不信 機密理論、警察暴力による法の退廃 再び「統治の機密」へと変容 サッチャリズム 結語 前回のつづき。 正戦と内戦 カール・シュミットの国際…

マルクスとヘーゲル・その2

ブルジョワ 憲法 ヘーゲルとマルクス プロレタリアート 前回のつづき。 マルクスとヘーゲル (叢書・ウニベルシタス)作者:ジャン・イッポリットメディア: - ブルジョワ へーゲルが叙述し表現するのは、同じ時期にゲーテが行なったように、勝利し、自分自身に…

マルクスとヘーゲル ジャン・イッポリット

脚注 富、施されるものの魂 啓蒙が戦いで勝ちを占めた。 絶対的自由 政府は「権力についた徒党」 革命のたびに マルクスとヘーゲル (叢書・ウニベルシタス)作者:ジャン・イッポリットメディア: - 脚注 ヘーゲルは国家をまず契約として、ついで個人の“運命 ”…

近代政治哲学入門 マルクスの人権批判

マルクスの人権批判 ヘーゲルの法=権利批判 国家を現実的な個人として樹立 権力と代表 ルソーは、市民として書いている ルソーは、人間に人間国家を与えようとする。 前日のつづき。 近代政治哲学入門 (叢書・ウニベルシタス)作者:アルノ バルッツィメディ…

近代政治哲学入門 所有が自由にするのは…

実体から主体への革命は ヘーゲルが指し示しているのは、 カントの理性批判の眼目 人倫 占有と所有 「所有が自由にするのは……所有が個人を他の個人に対立させるのではなく、むしろ人間を結び合わせてそれぞれの所有に共同して目を向ける場合だけである」てな…

マルクスとフランス革命・その3

『ユダヤ人問題について』 『ヘーゲル法哲学批判 序説』 『ドイツイデオロギー……』 テクスト13 前回のつづき 後半部はマルクスのテクスト抜粋集。マルクスとフランス革命 (叢書・ウニベルシタス)作者:フランソワ フュレ発売日: 2008/02/01メディア: 単行本 …

マルクスとフランス革命・その2

トクヴィル さて、つぎは『ドイツ・イデオロギー』である。 ヘーゲルの観念論は、 ルイ・ナポレオン・ボナパルトによる国家の横領という事態を理解することである。 マルクス主義とレーニン主義 前回のつづき。 マルクスとフランス革命 (叢書・ウニベルシタ…

マルクスとフランス革命

マルクスの眼前にあるドイツはもはや、 『法哲学綱要』は何を語っているのか ルソーとヘーゲルの根本的な違いは ヘーゲル的国家は、 フランス革命は、 ブリュメール十八日 哲学の犯罪計画 ヘーゲル『精神現象学』を読む - 本と奇妙な煙と同じくらいわかりや…

なぜマルクスは正しかったのか テリー・イーグルトン

マルクス主義はユートピアの夢だ マルクス主義は全能の国家を信じている アマレビューでは翻訳が「日本語としても理解不能な文章」「しばしばイーグルトンの主張と正反対の訳文になっている」と酷評されてて、確かにその気配はあるw 「マルクス主義は終わっ…

ヘーゲル変奏 フレドリック・ジェイムソン

第8章の終わりから 第9章 革命と「歴史の終焉」 集合的なことの失敗 市民性と服属 功利主義の世界 よくわからぬまま、第9章だけ読んで、メモ代わりに引用。 ヘーゲル変奏 『精神の現象学』をめぐる11章作者:フレドリック・ジェイムソン発売日: 2011/04/23…

イデオロギーとユートピア・その3

第十六回 マンハイム 第十七回 サン=シモン 前年からのつづき。イデオロギーとユートピア作者:ポール・リクール発売日: 2011/05/31メディア: 単行本 第十六回 マンハイム イデオロギーとユートピアの異なる特徴とは、ユートピアが「状況を超越している」の…

イデオロギーとユートピア・その2

第四回 マルクス『経済学・哲学草稿』「第三草稿」 マルクスはもっとも断固たる無神論者であるが、 第五回 マルクス『ドイツ・イデオロギー』 第九回アルチュセール(3) 第十三回 ハーバーマス(1) 前回のつづき。 イデオロギーとユートピア作者:ポール…

イデオロギーとユートピア ポール・リクール

フォイエルバッハ 青年期のマルクス ユートピア 構造主義的マルクス主義 初期のマルクスの課題 プロレタリアートの概念 『経済学・哲学草稿』 イデオロギーとユートピア作者:ポール・リクール発売日: 2011/05/31メディア: 単行本 フォイエルバッハ フォイエ…

スピノザと政治・その2

スピノザ ホッブズ マルクス:政治の他律性 前回のつづき。 スピノザと政治 (叢書言語の政治)作者:エティエンヌ バリバールメディア: 単行本 政治体は、内戦(「反乱」)(略)の潜在的脅威のもとでしか存在することができない(略) 政治体はつねに、外部の…

ヘーゲルと近代社会・その4

青年マルクスがヘーゲルを通じて 前回のつづき。 ヘーゲルと近代社会 (岩波モダンクラシックス)作者:チャールズ テイラー発売日: 2000/11/07メディア: 単行本 青年マルクスがヘーゲルを通じて 確かに、青年マルクスがヘーゲルを通じて表現主義的願望の継承者…

ヘーゲルと近代社会・その3

へーゲルのジレンマ 「人民の敵」を一掃する恐怖 マルクスとヘーゲル 果てしない同質化 前回のつづき。 ヘーゲルと近代社会 (岩波モダンクラシックス)作者:チャールズ テイラー発売日: 2000/11/07メディア: 単行本 へーゲルのジレンマ ヘーゲルはフランス革…

ヴェニスの商人はいかにして資本主義を

フィボナッチ 複式簿記、為替手形 ルカ・パチョーリ、ヴェネツィア レオナルド・ダ・ヴィンチ、エラスムス ウェッジウッド マルクス バランスシートで読みとく世界経済史 作者:ジェーン・グリーソン・ホワイト(Jane Gleeson-White) 発売日: 2014/10/15 メデ…

近代ドイツ政治思想の起源・その2

カントの革命に対する共感はゆるがなかった フィヒテの進歩への信仰 フィヒテの最初の政治的著作『眠れぬ夜の断想』 シラーはいかにして革命の現実を非難するようになったか フンボルト 前回のつづき。 啓蒙・革命・ロマン主義―近代ドイツ政治思想の起源 179…

カント65歳、フランス革命に熱狂の巻

ここがロドス島だ 1790年代の自由主義とロマン主義 ドイツ自由主義の源流 自由主義と啓蒙主義のちがい 自由主義者のフランス革命観 カント 啓蒙・革命・ロマン主義―近代ドイツ政治思想の起源 1790‐1800年 (叢書・ウニベルシタス)作者:フレデリック・C. バイ…

じゅうぶん豊かで、貧しい社会

「強欲」から「自己利益」へ、アダム・スミス ファウスト伝説 金聖嘆「快哉三十三則」 よい暮らしという観念の消滅 じゅうぶん豊かで、貧しい社会:理念なき資本主義の末路 (単行本)作者:ロバート スキデルスキー,エドワード スキデルスキー発売日: 2014/09/0…

脱構築とプラグマティズム シャンタル・ムフ編

ローティの長所 ローティの欠点 『2.脱構築とプラグマティズムについての考察』 ジャック・デリダ 脱構築とプラグマティズム 〈新装版〉: 来たるべき民主主義 (叢書・ウニベルシタス)作者:デリダ,ジャック,クリッチリー,サイモン,ラクラウ,エルネスト,ロー…

近代政治の脱構築 ロベルト・エスポジト

ルソー カント 近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治 (講談社選書メチエ)作者:ロベルト・エスポジト発売日: 2009/10/09メディア: 単行本 ルソー わたしたちは、すでに述べたように、共同体を所有しない人びとによる共同体を生きているのだ。(略) [このよ…

戦前昭和の国家構想

「憲法の常道」とは 山川均の満州事変反対論 F・H・キング 五・一五事件へ 戦前昭和の国家構想 (講談社選書メチエ)作者:井上 寿一発売日: 2012/05/11メディア: 単行本(ソフトカバー) なにやら現代と大差ない当時の二大政党の状況をかなーーり大雑把に解…

海賊ユートピア

ソマリア海賊は陸上の大衆に支持されている レネゲイド、「蜂起の欲望」 難民とは強き者であった 序文と訳者解題だけ読んでみた。 海賊ユートピア: 背教者と難民の17世紀マグリブ海洋世界作者:ピーター・ランボーン・ウィルソン以文社Amazon 序文 ソマリア海…