マルクス

アナーキズムと反植民地主義的想像力

三つの興味深い「世界」 パリ・コミューン弾圧 日本滞在 ブルボン王政復古 日本とフィリピン 『三つの旗のもとに』ベネディクト・アンダーソン 訳者あとがき そうしたアナーキズムとナショナリズムの対称性と同時代性に、アンダーソンは三名のフィリピン人の…

初期マルクスを読む

ヘーゲル批判 『ユダヤ人問題のために』 第一章だけ読んだ。 初期マルクスを読む作者:長谷川 宏岩波書店Amazon ヘーゲル批判 マルクスは近代批判としてヘーゲル批判をするわけですが、批判の対象となる書物としては『法哲学要綱』がもっともよく取り上げられ…

アイザィア・バーリンとの対話

二つのロシア革命 『資本論』のロシア語翻訳 マキャヴェリ ホッブスとスターリン 何故われわれは人権を信じるのか ツルゲーネフ ドストエフスキー インドでネルーと会った時 『ある思想史家の回想』をパラ読み。 ある思想史家の回想―アイザィア・バーリンと…

フランス革命史の現在

「ライシテ」とは何であるのか 寛容から抑圧へ 恐怖政治からテルミドール派へ ナポレオンがつくりあげた公認宗教体制 恐怖政治を共和制の創出の重要な一段階として評価 フランス革命史の現在山川出版社Amazon 第四章 礼拝を護るのは誰か (松嶌明男) 「ライ…

ハンナ・アレント 中山元

権力と暴力 ナチス、人権の無効 モッブと大衆 フランス革命 ハンナ・アレント<世界への愛>: その思想と生涯 作者: 中山元 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2013/10/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 権力と暴力 一般に権力が「最高善…

民主主義のつくり方・その2

依存への恐怖 依存のパラドクス ロールズの政治哲学 習慣とは人と人とをつなぐメディア 「文化左翼」への敵愾心 前回のつづき。 民主主義のつくり方 (筑摩選書)作者:重規, 宇野筑摩書房Amazon 依存への恐怖 [近代の政治思想において]何よりも重視されたの…

ユートピアの歴史

アメリカの共産社会主義 オーエンとエンゲルス ロバート・オーエン シャルル・フーリエ チラ見。いい感じのカラー図版が結構あります。 ユートピアの歴史作者:グレゴリー クレイズ東洋書林Amazon (↓クリックすると大きくなるよ)オスカー・ヴォイテ石版画『…

ヒトラーを支持したドイツ国民

序章 「まずぶん殴れ!」 新しい刑法、「罰無き罪なし」 「マルクス主義者用の強制収容所」 「典型的収容所囚人」の拡大 死刑をよしとした市民たち 「安楽死」計画 同性愛者 ヒトラーを支持したドイツ国民作者:ロバート・ジェラテリーみすず書房Amazon 序章 …

マルクスへ帰れ

キルケゴール、マルクス、ニーチェ マルクス マルクスへ帰れ (こぶしフォーラム)作者:マクシミリアン リュベル発売日: 2010/04/01メディア: 単行本 キルケゴール、マルクス、ニーチェ 19世紀のヨーロッパを背景として、発展する産業社会のための新しい価値の…

新訳 初期マルクス・その2

バウアーの課題 政治的解放の限界 福音書 「革命的実践を正しい関係の〜」についての解説 前日のつづき。 的場昭弘による「ユダヤ人問題によせて」解説編。訳と解説が交互するので、区別できるように、冒頭に[訳]と[解説]をつけました。 新訳 初期マルクス――…

なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか

なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか。 新訳「ユダヤ人問題に寄せて」 国家の宗教からの解放は、現実の人間を宗教から解放するということではない 自由という人権は政治的生活と闘争に入るや権利であることをやめる 的場昭弘による4ペー…

カール・シュミット入門講義・その3

自由主義 マルクス主義 『政治的なものの概念』からの引用 前日のつづき。 カール・シュミット入門講義 作者: 仲正昌樹 出版社/メーカー: 作品社 発売日: 2013/03/02 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (14件) を見る 自由主義 シュミッ…

カール・シュミット入門講義・その2

「政治神学」 神を代理する存在「独裁者」 「決定主義」 人類そのものは戦争をなしえない 人類を口にする者は、欺こうとするものである 前日のつづき。 カール・シュミット入門講義 作者: 仲正昌樹 出版社/メーカー: 作品社 発売日: 2013/03/02 メディア: 単…

カール・シュミット入門/仲正昌樹

具体的秩序 ロマン派とポモ 90年代日本のポストモダン保守思想 政治的ロマン主義の問題 「実証主義+規範主義」 ボダン 高速パラ読み。 カール・シュミット入門講義 作者: 仲正昌樹 出版社/メーカー: 作品社 発売日: 2013/03/02 メディア: 単行本 クリック: …

吉本隆明が語る戦後55年・第二回

「日本の歴史ブームをめぐって」(2000年) 歴史の進歩 『言語にとって美とはなにか』 「記録芸術の会」のもつ政治的意味の重要性 吉本隆明が語る戦後55年〈2〉戦後文学と言語表現論作者:吉本 隆明三交社Amazon 「日本の歴史ブームをめぐって」(2000年) 最…

吉本隆明はなぜ「マチウ書」としたか

「関係の絶対性」 「マチウ書」にしたわけ 芥川龍之介『西方の人』、太宰治「駆け込み訴へ」 オウム 終戦 吉本隆明は自分をエラソーに見せるためにフランス語使ったとか適当なことを書いている呉智英に教えてあげたいw 吉本隆明が語る戦後55年〈5〉開戦・戦…

吉本隆明、村上春樹のサリン事件解釈

「大衆の原像」 村上春樹のノモンハン事件解釈とオウム 非転向じゃなくて殺人罪 小林秀雄 丸山真男学派と橋本行政改革 「吉本隆明が語る戦後55年 12」「大衆の原像」の変化、「非転向じゃなくて殺人罪」と平野謙、村上春樹のサリン事件解釈批判、小林秀雄 吉…

吉本隆明が最後に遺した三十万字

『「反核」異論』 『マス・イメージ論』 『源氏物語論』 『超西欧的まで』 高橋源一郎 あとがき 1999年、江藤淳自殺後のインタビュー 2000年の吉本の執筆?状態 kingfish.hatenablog.com 上記に追加した完全版「吉本隆明が最後に遺した三十万字」上巻と下巻…

吉本隆明が語る戦後55年

60年安保闘争と『試行』創刊前後 「理念と実践の一致」への不満 ナショナリズム 農業問題 村上一郎 前日につづき、あれをファシズムとすることにずっと引っ掛かっていた吉本隆明という話。 吉本隆明が語る戦後55年〈1〉60年安保闘争と『試行』創刊前後作者:…

大西巨人、吉本のマス・イメージ論に面食らうの巻

素人の時代(大西巨人との対談・1982) 農本主義はファシズムじゃない 吉本隆明が大西巨人にマス・イメージ論を語っている対談集『素人の時代』について、呉智英が「とりたてて素人の時代を論じたものではなかった」とノンキな事を書いて、大衆マンセーでボ…

呉智英の吉本隆明批判本が雑すぎ!

kingfish.hatenablog.com 上記の続き。 呉智英は吉本隆明、小林秀雄、花田清輝が難解文で自分達をエラソーにみせてる奴等であると雑に論じている件を検証。 一応予備知識としてこちらを(→kingfish.hatenablog.com)先に読んでいただくと、呉のいい加減さが…

吉本隆明とアカデミズム・サブカル論のちがい

アカデミズムのオタク論 吉本隆明はメディアである(1986) 三島由紀夫と吉本隆明(2007) 橋川文三による三島の論理矛盾指摘 吉本隆明のサブカル論とアカデミズムのオタク論(「前田敦子はキリストを超えた」の類w)は全く別物という橋爪大三郎の見解。200…

吉本隆明「幻想論の根柢」

講演「幻想論の根柢」(1978) 講演「喩としての聖書」(1977) 講演「シモーヌ・ヴェーユの意味」(1979) 今週中にはやるつもりの呉智英検証で必要かなと吉本隆明講演本から引用。 語りの海 吉本隆明〈3〉新版・言葉という思想 (中公文庫)作者:吉本 隆明メ…

吉本隆明 わが「転向」

わが「転向」 大衆 日本における革命の可能性 都市から文明の未来をさぐる 「吉本隆明のみ、インテリゲンチャにあらざるが故に、大衆についての解釈を許されている。これが吉本大衆神学である」とかなんとか書いてる呉智英の吉本批判本をいつになったら検証…

ロールズのマルクス講義

正義に適った資本主義 アレン・ウッドその他の見解 地主の市場参入 「賃金システムを廃止せよ」 自由に連合した生産者の社会 不平等 共産主義社会 ロールズ政治哲学史講義からマルクスに関するところをザクッと引用、意味不明の場合は現物にて。重たくなるの…

ここから読もう『言語にとって美』吉本隆明

読みやすい吉本隆明・第三弾。 『言語にとって美とはなにか』を難解だという人は第二章までで挫折したのではないだろうか、代表作だからと読み始めて挫折したヤング、とりあえず第三章から読んでみて。23歳の僕はこの文章解析を読んで目から鱗、中学生の国語…

〈主体〉のゆくえ

カント『純粋理性批判』 日本で最初に「Subject」と格闘した西周 1922年末アインシュタイン来日 フォイエルバッハ・テーゼ 師・西田の先を行った三木清 sub(下に)+ject(投げる)という意味になる“subject”が何故に「主体」と訳されているかという話。 ア…

シュタイナー、支出税のススメ

1919年の講演録。社会の未来―シュタイナー1919年の講演録作者: ルドルフシュタイナー,Rudolf Steiner,高橋巖出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2009/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る長いけど、これでも5ページ分を短縮 P4…

柄谷行人『資本論』を語る

柄谷行人 政治を語る―シリーズ/六〇年代・七〇年代を検証する〈1〉 (シリーズ/六〇年代・七〇年代を検証する 1)作者: 柄谷行人,小嵐九八郎出版社/メーカー: 図書新聞発売日: 2009/04メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 48回この商品を含むブログ (20件) を…

マルクスvsワイトリング

マルクスは1846年の討議で数年前まで「ワイトリングの天才的な諸著作」と激賞していた叩き上げの闘士をこう批判マルクスと批判者群像 (平凡社ライブラリー)作者: 良知力出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/02/01メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を…