ヘーゲル

イデオロギーとユートピア・その3

第十六回 マンハイム 第十七回 サン=シモン 前年からのつづき。イデオロギーとユートピア作者:ポール・リクール発売日: 2011/05/31メディア: 単行本 第十六回 マンハイム イデオロギーとユートピアの異なる特徴とは、ユートピアが「状況を超越している」の…

イデオロギーとユートピア・その2

第四回 マルクス『経済学・哲学草稿』「第三草稿」 マルクスはもっとも断固たる無神論者であるが、 第五回 マルクス『ドイツ・イデオロギー』 第九回アルチュセール(3) 第十三回 ハーバーマス(1) 前回のつづき。 イデオロギーとユートピア作者:ポール…

イデオロギーとユートピア ポール・リクール

フォイエルバッハ 青年期のマルクス ユートピア 構造主義的マルクス主義 初期のマルクスの課題 プロレタリアートの概念 『経済学・哲学草稿』 イデオロギーとユートピア作者:ポール・リクール発売日: 2011/05/31メディア: 単行本 フォイエルバッハ フォイエ…

共和主義の思想空間・その2

スコットランド 第14章 ヘーゲルの国家・経済論における共和主義的側面について 前回のつづき。 共和主義の思想空間―シヴィック・ヒューマニズムの可能性 作者: 田中秀夫,山脇直司 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2006/07/01 メディア: 単行本 …

ヘーゲルと近代社会・その4

青年マルクスがヘーゲルを通じて 前回のつづき。 ヘーゲルと近代社会 (岩波モダンクラシックス)作者:チャールズ テイラー発売日: 2000/11/07メディア: 単行本 青年マルクスがヘーゲルを通じて 確かに、青年マルクスがヘーゲルを通じて表現主義的願望の継承者…

ヘーゲルと近代社会・その3

へーゲルのジレンマ 「人民の敵」を一掃する恐怖 マルクスとヘーゲル 果てしない同質化 前回のつづき。 ヘーゲルと近代社会 (岩波モダンクラシックス)作者:チャールズ テイラー発売日: 2000/11/07メディア: 単行本 へーゲルのジレンマ ヘーゲルはフランス革…

ヘーゲルと近代社会・その2

政治と疎外 道徳的自律は空無性を代償として獲得された 義務の内容を自由の理念から演繹する 選挙 前日のつづき。 ヘーゲルと近代社会 (岩波モダンクラシックス)作者:チャールズ テイラー発売日: 2000/11/07メディア: 単行本 政治と疎外 (ヘーゲルは単なる…

ヘーゲルと近代社会 チャールズ・テイラー

カント倫理学「私は徹底的な意味において自由」 へーゲルの精神、ガイスト(Geist) 対立の克服 なぜヘーゲルか メモ代わりにザックリ引用するので、意味が通らないところは現物にあたって下さい。 あと、著者の主旨は「なぜヘーゲルの哲学が、たとえ彼のガ…

カント65歳、フランス革命に熱狂の巻

ここがロドス島だ 1790年代の自由主義とロマン主義 ドイツ自由主義の源流 自由主義と啓蒙主義のちがい 自由主義者のフランス革命観 カント 啓蒙・革命・ロマン主義―近代ドイツ政治思想の起源 1790‐1800年 (叢書・ウニベルシタス)作者:フレデリック・C. バイ…

じゅうぶん豊かで、貧しい社会

「強欲」から「自己利益」へ、アダム・スミス ファウスト伝説 金聖嘆「快哉三十三則」 よい暮らしという観念の消滅 じゅうぶん豊かで、貧しい社会:理念なき資本主義の末路 (単行本)作者:ロバート スキデルスキー,エドワード スキデルスキー発売日: 2014/09/0…

近代政治の脱構築 ロベルト・エスポジト

ルソー カント 近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治 (講談社選書メチエ)作者:ロベルト・エスポジト発売日: 2009/10/09メディア: 単行本 ルソー わたしたちは、すでに述べたように、共同体を所有しない人びとによる共同体を生きているのだ。(略) [このよ…

初期マルクスを読む

ヘーゲル批判 『ユダヤ人問題のために』 第一章だけ読んだ。 初期マルクスを読む作者:長谷川 宏岩波書店Amazon ヘーゲル批判 マルクスは近代批判としてヘーゲル批判をするわけですが、批判の対象となる書物としては『法哲学要綱』がもっともよく取り上げられ…

アイザィア・バーリンとの対話

二つのロシア革命 『資本論』のロシア語翻訳 マキャヴェリ ホッブスとスターリン 何故われわれは人権を信じるのか ツルゲーネフ ドストエフスキー インドでネルーと会った時 『ある思想史家の回想』をパラ読み。 ある思想史家の回想―アイザィア・バーリンと…

マルクスへ帰れ

キルケゴール、マルクス、ニーチェ マルクス マルクスへ帰れ (こぶしフォーラム)作者:マクシミリアン リュベル発売日: 2010/04/01メディア: 単行本 キルケゴール、マルクス、ニーチェ 19世紀のヨーロッパを背景として、発展する産業社会のための新しい価値の…

吉本隆明「アフリカ的段階」とオウム

加藤典洋講演&対談から オウム真理教 吉本追悼本なのに鶴見話で盛上がったり、あまり加藤典洋から愛情は感じないw 吉本隆明がぼくたちに遺したもの作者:加藤 典洋,高橋 源一郎発売日: 2013/05/10メディア: 単行本 加藤典洋講演&対談から [吉本隆明]が「ア…

新訳 初期マルクス・その2

バウアーの課題 政治的解放の限界 福音書 「革命的実践を正しい関係の〜」についての解説 前日のつづき。 的場昭弘による「ユダヤ人問題によせて」解説編。訳と解説が交互するので、区別できるように、冒頭に[訳]と[解説]をつけました。 新訳 初期マルクス――…

なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか

なぜ、マルクスは『資本論』を書かねばならなかったのか。 新訳「ユダヤ人問題に寄せて」 国家の宗教からの解放は、現実の人間を宗教から解放するということではない 自由という人権は政治的生活と闘争に入るや権利であることをやめる 的場昭弘による4ペー…

吉本隆明が語る戦後55年・第二回

「日本の歴史ブームをめぐって」(2000年) 歴史の進歩 『言語にとって美とはなにか』 「記録芸術の会」のもつ政治的意味の重要性 吉本隆明が語る戦後55年〈2〉戦後文学と言語表現論作者:吉本 隆明三交社Amazon 「日本の歴史ブームをめぐって」(2000年) 最…

吉本隆明はなぜ「マチウ書」としたか

「関係の絶対性」 「マチウ書」にしたわけ 芥川龍之介『西方の人』、太宰治「駆け込み訴へ」 オウム 終戦 吉本隆明は自分をエラソーに見せるためにフランス語使ったとか適当なことを書いている呉智英に教えてあげたいw 吉本隆明が語る戦後55年〈5〉開戦・戦…

吉本隆明「幻想論の根柢」

講演「幻想論の根柢」(1978) 講演「喩としての聖書」(1977) 講演「シモーヌ・ヴェーユの意味」(1979) 今週中にはやるつもりの呉智英検証で必要かなと吉本隆明講演本から引用。 語りの海 吉本隆明〈3〉新版・言葉という思想 (中公文庫)作者:吉本 隆明メ…

神と国家の政治哲学・その2

前日のつづき。神と国家の政治哲学 政教分離をめぐる戦いの歴史 (叢書「世界認識の最前線」)作者: マーク・リラ,鈴木佳秀出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2011/08/31メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログを見る原罪 [ル…

〈主体〉のゆくえ

カント『純粋理性批判』 日本で最初に「Subject」と格闘した西周 1922年末アインシュタイン来日 フォイエルバッハ・テーゼ 師・西田の先を行った三木清 sub(下に)+ject(投げる)という意味になる“subject”が何故に「主体」と訳されているかという話。 ア…

木田元のカンタン哲学講座

よくある「〜でもわかる哲学」の類ってちっともわからないというか、わかりたいところが書いてなくて、この本の前半の木田によるカンタン哲学講座の方がずっとわかりやすい。ここらへんだけまとめて新書にしたら売れそう。精神の哲学・肉体の哲学 形而上学的…

戦争と死は偉大なる平等推進者

ハゲしく飛ばし読み。社会契約論の系譜―ホッブズからロールズまで (叢書 フロネーシス)作者: ディヴィッドバウチャー,ポールケリー,David Boucher,Paul Kelly,飯島昇蔵,山岡龍一,金田耕一,佐藤正志,輪島達郎出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 1997/05…

私は奴隷だが、私の皇帝は無敵だ

前日のつづき。国家制度とアナーキー作者: ミハイル・バクーニン,左近毅出版社/メーカー: 白水社発売日: 1999/05メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見るロシア帝国解体 汎ゲルマン的な中央集権主義に対して、汎スラヴ的な連合体を…

輸入学問の功罪

教養ってなにかね 日本の近代 翻訳の話に戻る 大学人翻訳 新保守主義的カント 翻訳論と近代化論の二冊に分けたらという助言もあったがあえて一冊にしたとあとがきにある。その意図はわかるのだが、チョットもったいない気もする。だって下のような本を購入し…

ドイツ現代史の正しい見方

なぜナチスがというのが本題なのだが、それ以外のとこをつまみ食い。 成金ぬるま湯国家プロセイン ビスマルクは反ナショナリズム 観念の帝国の実現でプロイセンは無意味に 「フランスをぶちのめして凱歌をあげろ」 1930年のドイツ 1932年、新首相パーペン男…

政治的ロマン主義の運命・その2

行動の美学に酔いしれてファシズム ぼくたちは大量生産品のように病んでいる(1934) ニーチェ主義エリートが世界を変える 啓蒙主義的自由の失効 自由が重荷なんです 弱いからぼくたちは社会主義者 現代戦争と霊的戦争 国家成立の神話的暴力 屈辱感を煽る 愛…

ヘーゲル伝

公にはエンガチョされた葬儀 神学院が形骸化していった時代に入学 ノロマなカメでした 懐疑的学生に確信を与える ヘーゲルの手紙に描かれる1810年の日常的悲劇 明白な批判は不可能だった ヘーゲル伝作者:ジャック ドント発売日: 2001/10/22メディア: 単行本 …

ヘーゲル『法の哲学』に学ぶ

スミスとヘーゲルのちがい 商品という存在 貨幣 共同性形態論としての君主 自由と国家 ヘーゲル『法の哲学』に学ぶ―自由と所有、そして国家作者:山辺 知紀メディア: 単行本 スミスとヘーゲルのちがい スミスの中では、貨幣を介した交換が導き出す世界は人々…