平和を破滅させた和平、続き

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 上記の続き。

平和を破滅させた和平―中東問題の始まり(1914‐1922)〈上〉

平和を破滅させた和平―中東問題の始まり(1914‐1922)〈上〉

 

たしかにヘルファンドとドイツ参謀本部は、イギリス情報部が勘ぐったほどではなかったにせよ、諜報員と金を使ってロシア人を煽動し、ストライキと反乱へと駆り立てることにひと役買っていた。(略)
したがって、ボリシェヴィキはロシア人とみなされたのでもなければイデオロギー上の過激派として意識されたのでもなく、ドイツ人の手で生み出された敵側の秘密諜報員として、ロシアを破滅させて恨みを晴らそうと打ち込んでいるユダヤ人の仕事に携わっているのだと受けとめられていたわけである。イギリスの当局者は、ロシアでボリシェヴィキ革命が成功を収めた一九一七年にも、またそれ以後も長年の間、ボリシェヴィキは本来、みずからの課題を抱え目標をもつ主役ではなく、ドイツ参謀本部の単なる使用人だとみなしていて、ベルリンのユダヤ人とプロイセン人が命令を受けて動いているのだと信じつづけていた。