『ロジャー&ミー』

ロジャー&ミー [DVD]

ロジャー&ミー [DVD]

ボウリング・・にはちょっと抵抗感があった。例のヘストン宅での切り返しもそうだけど、Kマート本社突入も落語のらくだというかヤクザな童話的恫喝手法が鼻についた。
ところがこの初監督作ではまだ企業の責め方がわかってないせいもあってかなり初々しい。門前払いを受けるときのしょんぼり感がキュート。
DVDにはマイケル・ムーア自身の解説が付いていてかなり感動的だ。彼は映画として評価を受けたこの作品を敗北だと感じている。なぜなら現状を変えられなかったからだ。失業保険を受けてる状態で世界を変えようと本気で思って彼は作ったのだ。作り方を知らないけど、作らなきゃいけなかったから、作ったのだ。GMは戻ってこない。自分達でどうにかしなければいけないんだ。そうフリントの人々に訴えながら。自分も明日に向かって戦ったのだ。
映画で世界を変えられるなんて考えるようでは必ず負けるよと、イマドキのクレバーなヤングはのたまうのだよ。そんなロック的方法論には限界があるとかなんとかふやけたことをオレも言ってしまいそうだ。だけどこの映画はロックだよ。明日の生活もわからない中で、作り方を学びながら作った奴に文句なんか言えないんだよ。人の掲示板にお前みたいなデタラメな翻訳がどうだとゴタクをならべてる奴がいたよ。くだらねえ。さっさとブログでも始めて自分の素敵な翻訳を披露すりゃいいじゃねえか。エラソーな口調だけはうまくなりやがって。
名前のわりには全然切り込めないエリート隊長の言い草はこうだ。

とりあえず私が何を言いたかったかというと、馬鹿は恥ずかしいからイラクに逝くなということと、自衛隊イラクに逝ってしまったものは仕方がないから、うまい具合に撤退できる道筋というか手打ちの方法はそろそろ考えておこうね、ということだ。

(ここぞとばかりにロクな保険にも入らず派兵した気分になってる)馬鹿な(政治家によってイラク派遣された)自衛隊はなぜ恥ずかしくないの。なぜ日米関係にかこつけた日本探しの自衛隊を糾弾しないの。そのくせ一般人がノコノコ出かければ袋叩きだ。
朝生じゃまだ大量破壊兵器だとか言ってたよ。お前ら脳味噌あるのか。同じ難癖つけるなら、「今まで大量破壊兵器を保持していたのに、それをやめたのはテロに方向転換した証拠だ」くらい言ってくれよ。テロという段階に入っているのに、大量破壊兵器なんて時代遅れなものの存在を問題にしていることの愚かさに、本当に気付いてないわけないよね。認めるのがコワイだけなんだ。
ともかくビデオでしか観てない人はDVDをレンタルしてムーアの解説付きでもう一度観てみてください。一円でレンタルして、すまなんだああ。