雪山怪獣JB&苦情学

御大死去の報を受けて頭をよぎったのが何故かテレ東で観た「スキー・パーティ」。「ビーチ・パーティ」の冬version、雪山コテージに登場したJB、セーター姿が、飛び散る汗が、かなり違和感あったなあ、でも言葉じゃあの面白さ伝わらないなあ、ひょっとしてアソコにある?、と思ったら本当にアッタ!でも画面が暗くて御大が透明人間状態。それにこの場面だけ観ると衝撃がイマイチ、ゆるーい青春映画を観てるところに、突然JBが登場すると、もうほんと「お呼びでない」状態で、脳内メモリーではもっと凄いことになっていたのだが。多分もっとクリアな画像で観れば凄いはず、きっとテレ東が深夜にさらっと放映しちゃうんじゃあねえの。
スキーパーティー(1965) - goo 映画

「山小屋で暴れるJB

「スキー・パーティー」予告

これで終わるのもあれなので意味もなく。

苦情学―クレームは顧客からの大切なプレゼント

苦情学―クレームは顧客からの大切なプレゼント

クレーマーの定義。
斜体の部分がそこはかとなく悲しき「猫猫魂」。

クレーマーとは、些細な申し出に対して過剰対応されたことに昧をしめ、勝手にエスカレートしてしまった者で、通常は苦情として申し出るほどのことでもないのに大げさに申し立て、相手の動揺する姿を楽しみ、揚げ句の果て、過去の解決済みの苦情をぶり返し謝罪をさせます。途中で自分でも異常さに気づきますが、戻れない状態になっています。そのことは家族をはじめとする関係者は気づいています。

「性格も少しずつ暗くなります」w

[苦情係に配属され]三ヵ月もしてくると、精神的な疲れが見え始めるのです。やがて、電話が鳴っても、出す手が目に見えて遅くなってきます。怖さが分かり始めたのでしょう。性格も少しずつ暗くなります。しかし、これは仕方のないことです。苦情を受けるのが毎日の仕事であり、常にお叱りの言葉が頭にこびりついているのですから。

実録・クレーマー
傘にヒビが入っていた→対応した係長はマニュアル通り「来店の予定がなければ、こちらから交換に行く」と答えたはずだが→「来店しろ」と言われたとクレーマー激怒→お客様相談室の出番

[電話のやりとり]で、この方は私に対して「俺はこんな目にあっている」「これからは特別な待遇を希望する」「高速を使って交換に行くのはお前の会社の命令だ」「その高速道路の代金も要求する」といっているのだと寸時に読み取らなくてはならないのです。最後の決着は間違いなくここに落ち着くはずですから。(略)
[客が到着、確かにひびは入っていた]
クレーマーという人種は通常、自分で商品を壊すようなことはしません。(略)
到着までの三十分の間に、店内の情報網を探ると、紳士用品の販売員が豊川様に気に入られていることが判明しました。しかも、その販売員に事情を聞くと、数日前に豊川様が傘を購入して店頭に来たとき、「こちらにもポロ(いつも愛用のブランド)の傘がありましたのに」という一言を発していたことを掴んでいました。入口で傘のひびを見たときは一瞬、「故意に」とも思いましたが、証拠はありませんでした。雑貨売り場で代わりの傘を選びだして二十分、頃合いを見て「紳士用品にも傘がございますが、ご覧になりますか」と誘いをかけますと、一瞬顔が緩み、「そんなこと、できるの」(心の中では望んでいた)と尋ねられました。この辺はかけひきです。最初から紳士用品の話を持ち出すと、それにもクレームをつけてくるものです。
(略)不良品の傘を一度精算し、予定通りポロの傘をお求めいただきました。豊川様は大層ご満足の様子で、こちらも安堵しました。この際に高速道路の代金を受け取っていただけるようお願いしましたが、受け取りませんでした。

別れ際、あの係長の教育を目の前でやれ、謝罪させろとゴネだす。係長謝罪、高速代金は受け取らず。

このとき私は、直感でおかしい、まだ終わらないと感じました。この程度で終わったら、クレーマーとはいえません。案の定、一時間もすると、電話がかかってきました。「家に帰ったら家族がいない。これも不良品を買わされ、戻しにいったためだ。往復の時間のロスと、どのくらい距離があるか、あの女性の係長にも体験させたい。すぐよこしてくれ」と始まりました。(略)
この辺の絡み方がやはり異常です。(略)
[代わりに課長を連れて訪問]
クレーマーの家は新築で庭も広く、空地もたくさんある清閑とした地にあって、何であんなに性格がひねくれてしまうのかなと思うくらい、すばらしいロケーションでした。
正座して話すこと五十分、新たに話すことはないので、一連の繰り返しです。課長はその途中、足が痺れてあぐらの許可を得ました。話も大方尽きて和んだそのとき、彼は不意に立ち上がり隣室に消えました。戻ったその右手には高速道路の往復の領収書がありました。私は立ち上がって消えたとき、すでにその行動は見抜いておりました。課長は当然、代金の用意もなく、突然のことに顔色をなくし下を向いております。私はおもむろに自分のバッグから高速代金を入れた封筒を取り出し、黙って差し出しました。意地悪く糊で密封してあります。(略)
すべてが解決すると、お客様を楽にするために話題をそらした会話を始めます。室内を見回し、お客様が自慢したげなものを探して褒めちぎります。すると、お客様も救われたように自分の自慢話を始めます。このときもサッカー選手のサインが所狭しと並んでいるのを見て、くすぐりました。最後はにこやかに、またご来店いただく約束をしてお客様宅をあとにしました。(略)
帰路の五十分は課長への指導でした。(略)正座で足が痺れたらそのまま前に倒れろと指導しました。相手があぐらを許しても正座していれば、何回も痺れます。それを見て話題がそれ、早く引き揚げることも可能になります。それより、お詫びの場でのあぐらは絶対にいけません。