ターミネーター3

さてまたまた旧作DVD100円にはまって、時間を消費しております。

人の体には重さがあるってことが全然描けていないと、マンガ夜話ならコテンパンにされそうなCGは置いといて。
問題はジョン・コナーだ。何故美少年があんな顔になってしまったのか。人間悶々とするとロクなことはないのである。
何を悶々としているか。核戦争は来るのか来ないのかいうことである。「2」では一応その芽をつんでいるのである。それで「審判の日」が訪れなければ、めでたいことであるが、一方で「自分が人類の救世主となる」という話は妄想になってしまうのである。核戦争が来なければ、ターミネーターetcはただの妄想なのである。ジョンは冴えない日常を、「いつかは人類の救世主になる」という妄想で生き延びている、引きこもりというわけなのである。
「その気になったら本当はバリバリやれるんだけど、その日が来るまで、目立たないように社会の片隅で埋もれてなきゃいけないんだ」
「でも、前回その芽はつんでるんだから、もう社会に出てガンガンやればいいじゃん」
「いや別の場所で誰かが同じようなものを開発しているかもしれないし、まだまだ油断はできないんだ。」
「でもお前のママだって『審判の日』が来なくて、ガックリきて死んじゃったじゃない。君もああなっていいわけ。そもそも君はこのまま何もないままがいいのか、核戦争が起きるのがいいのか、どっちなの」
そんなわけですっかりもっさりフェイスになってしまったジョンの密かな願望に沿うように話は展開していくのだった。シュワちゃんにシェルターに逃げ込むでえとか言われて、でもー、とゴネて見せて未来妻の父親の元へと馳せ参じたりなんかしちゃったりして。

撃たれた義父「オフィスにアクセスコードがある」「クリスタルピークへ行け」
その意図は[きゃいーんもうだめシェルターに逃げるでえ。部下とか知らんでえ、娘等だけと逃げ込むでえ]
ジョン(&観客)「そこが中枢か」
[そのアクセスコードでスカイネットを止めれられるのねー]
死にそうな義父「最後のチャンスだ、娘を頼む」
[ああわしもうあかんわ、ちみぃ、娘をよろぴく。アダムとイヴになってね]
ジョン(&観客)[わっかりましたあ、スカイネットを止めるため、行きまっせえ]

確かによくよく映画の会話を検討すると最初から父親はスカイネットが止められるとは一言もいってないのだが、なんとなく釈然としないよねえ。「2」に充満していた核戦争への恐怖というのもナンだったが、「3」のあっさり感もこれまたナンだなあ。
己の死までも予言されちゃって、そのうえ妻はタフな感じだし。もうこれで「4」の副題は「頼朝と政子」に決定。