処女飛行・定岡正二2004

ズゴリキ罪で連邦裁判所から120年の定岡正二刑を命じられた宇宙海賊リチャード(ケネス・ブラナー)は定岡2004として成田に到着した途端にイルハンと間違えられてサダボルシャン。
醤油もソースもハルシオンな日本ギャル嗜好の不変性に1974年の定岡フィーヴァーに思いをはせるリチャードの目にハイドロジェットでとびこむのは終わりなき甲子園風景。
牛牛詰めのバスのなか首締められているみたい、懐かしいサカキバラ育恵校歌が今年も流れています。
リチャードはフェミニズムという難病のため車椅子の北原みのり(ヘレナ・ボナム=カーター)の世話をすることになる。
『女性が自分のエロを実践すれば、そこに自由な風が吹く』と中ピ連から進歩してない珍歩無しなみのりの戯言に悩まされながらも、リチャードは「シゲオを再び空に飛ばせば何かが変わるかもしれない」という強迫観念にとりつかれ、飛行機をつくりはじめる。
脳味噌が筋肉だけの定岡2004だが当然ネットで結ばれているのでマスター・イーノな思考を長井秀和風に口にするのだった。
プロセスの面白さに騙されるなっ、できた音楽がつまらなければ意味がないんだ!
アイディアに詰まった時に技術でごまかすな、それらしくできた音楽ほどつまらないものはないぞ!
多くの騎士達がシンセサイザーの非人間的明晰界に取り込まれていったのを私は知っている。
機械を修理するな!ちょっと壊れてるくらいが丁度いいんだ!
なんだかんだで、リチャードは『シゲオ』にみのりを乗せて空へ飛んだ。
たった数十秒しか『シゲオ』できなかったが、リチャードはもちろん、やがて死にゆくみのりにとっても人生最高の時だった。
【映画「ヴァージン・フライト」のあらすじを一部利用】
   (ISBN:4900845795