隠居の日向ぼっこ

隠居の日向ぼっこ

隠居の日向ぼっこ

検査機関より役に立つ「踏み台」

踏み台は、若い弟子へ、親方から課せられた腕試しの仕事でもあった。親方はその出来栄えを入念にチェックし、合格すれば、建主に竣工の記念として献上する。そしてそれは、ひとりの職人の輝かしいデビューを証明した。
徒弟制度は前時代的として退けられ、マニュアルをそつなくこなせる能力だけが優先されるようになった。

浮世絵

いまでは立派な美術品あつかいだが、そもそも浮世絵は、複製を多部数刷ることを前提にして、成り立つ情報媒体であり、ウケることならなんでもやる、テレビのバラエティー番組ばりのノリが、身上なのだ。
色彩、構図、描線等の、芸術的評価は、後世の人間のお節介というもの。当時は、世間の評判を得て、一気にたくさん売って、勝ち逃げするのが、最高の栄誉だった。

屏風。
[関連][https://kingfish.hatenablog.com/entry/20050624">2005-06-24 「明治の音」
音の持つ浸透性と視覚の遮断性。

六曲屏風を二双、立て回すと、部屋の中に別の個室が生まれた。病人には、隙間風を防ぎ昼間の明るすぎる光線を和らげた。そして、開放的な構造の日本家屋にとって、プライバシーをそっと隠してもくれた。しょせん紙と木の、障子や襖と屏風である。遮るのは視線だけで、密室にはならない。それでもそこは、厳かに守られるべき、異空間だった。
厚い壁が個室を区切る住まいからは、屏風というやさしい道具は生まれないだろう。

軽石
呉智英さんならこのネタでバカフェミをおちょくる陰毛ネタを書いてくれるはず

「男を磨く」にも、入浴時の軽石は欠かせなかった。男湯には、軽めと重めの石が常備されていた。それと、蛤の殼。除毛の道具だ。あまり毛深いのは好かれなかったらしい。ことに揮はTバックだから、ビキニラインから、はみ出てしまう分を、蛤の殼をあわせて引き技いた。長い分は石を打ち合わせてカットした。刃物でカットすると、毛の断面が鋭角になり、チクチクして都合が悪いのだが、石だと毛先がソフトなシャギー仕上げになるそうだ。この軽石と蛤による除毛の音が、ケロケロと蛙の鳴き声よろしく、男湯からこだましたそうな。これで、勇の尻っぱしょりが、ぐっとキマルね。