モンティ・パイソン正伝・その2

前日よりの続き。

ラリってませんでした

テリー・ジョーンズ 僕らはドラッグに遭遇するには出てくるのがちょっと早すぎた。大学を卒業したのが64年、その頃はそういうものがあることすらよく知らなかった。もちろんその後葉っぱをやっている人も知ってはいたけれど、パイソン内では誰も興味を持たなかった。というより、そんなことにかまっている暇はなかった。だからそのかわりに酒が出回っていた。

BBC「オナニー」削除請求

マイケル・ペイリン 「プルースト要約選手権」の中に、ある参加者が趣味を問われて「動物を絞め殺すこと、ゴルフと、オナニーです」と答えるところがある。
[BBCが削除要求したきたので]
テリーは完全に頭に来て「オナニーのどこがそんなに悪いんですか?つまり僕はオナニーをするし、みんなオナニーをするし、我々全員オナニーをするものです!」と叫んでいた。ぼくは「ああ会議がマスかき選手権になってゆく」と思っていた

第三シリーズでジョン・クリーズがやや強引に外部の人間(ビル・ペイン)を導入

マイケル・ペイリン ぼくたち全体に、ただジョンひとりが不満なのではなく、番組の出来そのものが以前ほどよくはなくなっているという感触があり、またそういう感じを押し殺していることが難しい雰囲気になってきた。
おそらく、第3シリーズは「知的」で面白いというよりも「ショック」で面白いのである

パイソンの本質は

マイケル・ペイリン ある意味で、パイソンの本質、パイソンの方法、それからパイソンとは何か、どのような表現をするのかということなどは、つまりテリー・Jの仕事であり、そしてテリー・G、そしてぼくの仕事であると、ある程度まで言っていいいのではないだろうか。確かにジョン、エリック、グレアムは作品を書いたけれど、番組そのものがどのようにあるべきか、などという議論に深く加わったことはないと思う。

くりぃむしちゅー有田と阿部寛の中間ような顔のジョン・クリーズ。
JohnCleese
上流家系かと思っていたら、親戚内で初の大学出。他のメンバーからはクソマジメ、神経質、金に細かい等と言われてます。同じケンブリッジ派のグレアムがああなったせいでストレスも溜まり、妻と新しい番組を始めたかったこともあり脱退宣言。でも幼少時はこんなペコちゃんフェイスだったんです。
JohnCleese

ジョン・クリーズ カナダヘの飛行機の中で、「私はもう第4シリーズはやりたくない」と告げた。(略)
マイケル・ペイリン (略)たとえば自分が賛成していないのにかかわらず、テリーとぼくとギリアムでシリーズが動かされるようになっているとどこかで感じていたからなのか(略)それともグレアムとの関係ゆえなのか、あるいはのちの『フォルティ・タワーズ』のようなコニーと始めたい新しいアイディアがあったからなのか、それはぼくにはよくわからない。
第2シーズンの後半には、ジョンの真意がここにはないということがかなりはっきりしてきていた。(略)第3シリーズに入ると書く量のバランスが崩れてきた。ジョンとグレアムはもう以前ほどものを書かなくなった。

『人生狂騒曲』でカンヌ参加の際にも

ジョン・クリーズだけ仲間はずれ

エリック・アイドル 突然カンヌに来いと言われた。ぼくは行ってきた。素晴らしかった。(略)
ジョンは新聞に、「もしこの映画が受賞なんかしたら大変恥ずかしく思うだろう」とかなんとか書いて、とてもいつものジョンらしい力添えをしてくれていた。(略)
[テリー・ジョーンズは会見で審査員に賄賂を渡したから絶対受賞といって新聞の見出しになり、審査員賞受賞スピーチで「トイレのパイプの下を探せば金がある」とオチをつけ]
繰り返すけど、すごく面白いひとときだった。で、ジョンが来てなかった---やつはいつもこうやって楽しいときを逃す。
テリー・ギリアム ジョンは一番楽しいところが怖いんだと思う。例えば僕たちがグループで集まっていて、気楽に楽しくやってるように見えると、ジョンは突然一歩身を引いてしまう。よくない兆候だ。(略)
ジョン・クリーズ 私はカンヌ映画祭には行かなかったし、行かなかったことを誇りに思う。あれ以上冗漫なものはない。

アメリカでのパイソン

エリック・アイドル ぼくらはアメリカでは、ただレコードで認識されているグループだった。ブッダ・レコーズから音源が何枚か発売されていただけで、だからぼくらはレコードだけだと思われていて、でも実は誰も実際に見たことはなかった。
[『ザ・トゥナイト・ショウ』に出演したが、アメリカ人は呆然。](略)
ぼくらはただただ混乱して騒いでいた、何故なら面白くてどうしようもなかったからだ。ぜんぜん笑われなかったことが愉快で仕方がなかった。
コメディの世界で最高に愉快な事態だ、何をやっても人が笑わないという。それは本当に楽しい。

  • ちゃんとした番組しか保存しない方針のBBCはモンティパイソンの録画ビデオを消去しようとした。メンバーが個人的にダビング保存しようと目論んでいたところ、ちょうどアメリカから注文が相次いで商売になることに気付いたBBCは消去を中止。

以下面白かったところを箇条書きにしようかと思ったが元気がなくなったので断念。