一般ピープルが、ホールドして、ガード

本人の人々
人生は短いので面白いとわかっていてもいろいろ我慢しなければ
ならぬわけだが、そのわりに「天花」とかうかうか観てたり、
おいおい白石美帆オーディションの時の方がカワイイじゃないとか、
何やってんだっつう話ですが。今頃、つい借りてしまった
「本人の人々」(ISBN:4838713924)、コレ凄いなあ。
顔真似の面白さは予想内なんだけど、文体模写がこれ程とは。
養老猛司の文体なんて、地味に面白い。
ジャクチョウとかヒノハラのように普通に真似るだけで
その底の浅さを露呈させてるのも痛快ですが、
模倣文体で変なテーマを語らせてるのがもう最高。
勝手にベスト3
1)村上龍(サイコー!笑撃で立ち読み不可能)
顔真似も完璧。なおかつあのエラソーな勝ち組トーク
ホームレス必勝論という、悪意全開。

もっとも大事なことは、生きのびるためのスキルだと思う。
どこに行けば、ベストセレクションで賞味期限オーバーの弁当があるか、
ダンボールやアルミ缶をゲットできるのかって情報の収集能力とか、
正確さ、スピードが問われていると思うんですよ。(中略)
アルミ缶にせよ、ダンボールや古新聞、古雑誌にせよ、いま、
一般ピープルが、ホールドして、ガードしてますから、
そこをかいくぐっていくのは、ガッツじゃない、
正確な文体っていうか、パスとシュートのスキルですよね。

2)アエラ田岡俊次
朝生防衛論争口調でジャンケン必勝戦略を語るおかしさ。
最初は「チョキ」と言っていたのが興奮してくるにつれ
「チー」になってしまうその芸の細かさにカンドー。
3)安藤忠雄
元ボクサーでコンクリ打ちっぱなしネタ。
打ちっぱなしやったら、打たれっぱなし。