1945年、抗争に敗れた大日本帝国のシマは

亜米利加の手におち、功利的キューブリック主義者に
睨まれたヒロヒトの運の悪いカメラ目線は
ただただ多くの洞察力を締め出すばかり。
二次元の日本に印刷された青い富士山に赤い朝日が昇る。
解放の幻影に酔いしれる皮肉だらけの群衆が
最後に焼けあがるのは50年後のことだ。
「静かな自暴自棄でがんばることが日本の道でありました」
市川雷蔵の暗いモノローグとともに
経済ヤクザとして復興の途についた日本が描かれてゆく。
陸軍中野学校・椎名次郎は愛した者すべてが
食用レイプに解体されたという理由で
原型石のように冷たいキラーな男として、
激しく絵画の平穏を傷つけながらのしあがるが、
夢半ばにして病に倒れる。傍らには
永久に卵を抱くだけの女がぼんやり座っていた。
やがて頭角を現したのが元兵隊やくざ・核心太郎。
努力ヘアスプレー、絶望的なまでのポリエステル生活、
控え目の予算にはキャラクター駆動、
家族制度上へ乱雑射精される乾いたユーモアで
昭和の今太閤と持て囃されることになる。
イタコシステム豪華キャストで送る超話題作第一部。