1960年の皇太子ニート問題

こんなものを借りてしまったのは、「週刊新潮」が昭和35年9月5日号で侍従長とこんなやりとりをしてたからで

どうも国民に知られる限りでは、テニスと馬とレセプションで、ほかのことが出たと思ったら乳母車を押している、じゃあ能がないんじゃないか、という批判の声が出てくるんですが。
(答) なにか仕事といっても、それがむずかしいんです。昔なら、陸軍、海軍といったものがあって、そういうところで一つの仕事を持つことができるんですが、今は、そういうものはないし、政治もいけない、なにもいけない、ですからねエ。(以下延々と)

「週刊新潮」が報じたスキャンダル戦後史

「週刊新潮」が報じたスキャンダル戦後史

結婚して子供もできたというのにブラブラしてんなんよ皇太子という空気があったということに驚き。
日赤病院勤務案

「最近、皇太子の就職が某方面にかなり強く流れているが、具体的にいうと、日赤病院に常駐させて、普通のサラリーマンのように九時に出て五時に帰る、ということにしてはどうかということらしい。これには宮内庁の若手の役人なんかも賛成しているが、幹部連が首をひねっている」とは、某宮廷記者の言葉だ。
この説の有力な推進者の一人といわれる小泉信三氏は、「皇太子殿下の今後について、なにか一定の仕事なり職業なりをお持ちになったほうがいい、という意見があるが、私も前からそう考えている。それならどんな仕事が皇太子にふさわしいか、ということになると問題はあろうが、ともかく、なんらかの意味で国のため、民衆のためになるような仕事がいい。たとえば病人とか、恵まれない人びとの福祉のために働かれるなどは非常に結構なことだと思う」
とハッキリいい切っているから、必ずしも実現不可能のことではないが、反面「ご結婚当初、皇太子は何か約束されたと思うが、それすらも実行されない現状だから、就職などとても見込みがない」(学習院大女子学生)という声も出てきた。

この約束とはなんだ、「里帰り」か、「一生お守りします」とか言ったのか。で、学友とかは

(略)しかし殿下の周囲の人たちは殿下がやられる以上、堂々としたもので、一流でなくてはならないと考えている。だから金の集まり具合を一ばん心配していた。金が集まらないほうがいい、といったのは私たち友人だった。
もし一流のものなら、殿下や美智子さんが参加しようがない。むしろ、初めはどんな小さなものでも、一般の人たちがゼロから出発するようにやればいいと考えたし、そうでなくてはならないと思った。
しかしこのことも、今はどうなっているか知らないが、ウヤムヤの状態になっていることは確かだ。私たちも面倒くさくなって次第に遠ざかっていったが、どっちにしろこの問題は、今後再燃すると思う」

大宅壮一はマネキン説

日本民族天皇を必要としているから、天皇という職業があり、皇太子にしても職業です。(略)
天皇が生物なんかやるのは、あれはアルバイトで、まあ一種の日曜画家的なものだからそれはいいけれども、仮にどこかの会社に入るとしたら、必ずその会社のマネキン化します。
だからそういうことになると困るんで、結局、天皇や皇太子は、国家や民族のマネキンということでいいんじゃないかと思うんです。現在、とにかく日本民族はマネキンを必要としているんだから、時代が改まって必要としなくなるまでは、民族のマネキンという職業がとにかく成り立ちうるということです」

昭和57年の正田家の苦労話。戦後天皇は明確な発言を控える、すると宮内庁の幹部がどうはからうかということになり、当然官僚は前例のないことはやりたがらない、そのため両陛下と正田夫妻が親同士として親しく懇談したこともないし、美智子の「里帰り」も23年間で五回だけ、しかも日帰り。

英三郎氏は、慎重に言葉を選び、グチめいた言葉は決して口にしない。宮内庁についても、
「長官をはじめ、いい方が側近におられるし、安心しているんですよ。美智子がヤセてるヤセてると、世間でよくいわれるんですが、日本人は人の体のことを気にし過ぎるのね」そういいながら、英三郎氏は、こんな打明け話をする。「この23年間で、いちばん心配したのは、浩宮様が生れたあと、美智子の具合が悪い時がありましたよね。あの時は、私も葉山に行き、リラックスさせるために一緒に絵をかいたりしました。(略)」
昭和38年、美智子妃が異常妊娠で、葉山において長期療養され、巷間、ノイローゼではないかと噂された時期の話である

https://kingfish.hatenablog.com/entry/20040627kingfish.hatenablog.comもヨロシクね。
ああ、なんかすごい下世話だわ。ついでに昭和51年8月19日号のロッキード事件怪文書。田中はシロなので世間を納得させるには中曾根幹事長逮捕しかないがそれじゃ三木首相は困るでしょ指揮権発動しますかと仄めかされて煩悶する三木。

「実は総理閣下はどうお考えになられておられるかと存じましてお伺いする次第ですが、中曽根逮捕という事態になる可能性が出てまいりました。いかがいたしましょうか?」
「ウーン(と、力なくうめいて)、すぐいきますか? 法務省に問い合せた時にはそういう報告はなかったはずだがなあ」(略)
「いや、と申しますのは、田中(角栄)は逮捕になりましたが、外為法違反の容疑はシロになる可能性が強くなりました。やっぱり、直接、ロッキード社から金を受け取っていないというところが、外為法違反での起訴はむずかしいということでございます。結局、彼がシロになりますと、ロッキード事件といって、あれだけ騒いだのに何だったんだという世論の反撃もありますし、中曽根逮捕へいかないと、世論は納得しないのではないか、と存じまして……」
「ウーン、彼(田中角栄)は請託収賄ではないのですか?」
「ハイ、収賄は成立しません。職務権限ということもございまして、丸紅から”よろしく”といわれて献金を受けましても、それだけで、収賄ときめつけるわけにはいかないということです。ですから、田中は、釈放となる事態もありえます」
「そうですか。あれだけ騒いでそうなりますか。私の聞いてる情報とずいぶん違いますねえ」
「むろん、外為法で起訴しようと思えばできますが、結局、裁判では無罪ということになります。その場合でも、裁判に七、八年はかかりますから、その間は政冶活動ができません」
収賄じゃないのかねえ」
「ハイ、現在の状態では無理なようです。ただ、受け取った額が大きいということで、逮捕になったのですが、普通ですと、外為法形式犯……」
「エッ、何ですか?」
外為法違反は形式犯でございますので、逮捕しなくともいいものなのでございますが・・・」
「ハア……」
「純法律的には、逮捕に踏み切れないものでございます」
「そうですか、あれだけマスコミが書いて……、そうなんてすかねえ」
外為法違反と中しますのは、外国人から許可なく金を受け取った場合に適用される法律なのですが、日本人からもらった、という点が犯罪の成立をむずかしくしているのです」(略)
「緊急を要するのでございます。もし、中曽根逮捕は避けたいという総理閣下のお考えでございましたら、すでに時効が来ていて起訴はできないという結論に達するかと存じますが・・・」
「政治的に処理するというわけですか。しかし、法律を曲げてまでそうするというのはねえ・・・どういうものか・・」(略)
「総理閣下もお苦しい立場とは存じますが、田中釈放、中曽根逮捕という事態になりますと……」
「アーアー……、そりやあ、政局に直撃しますからねえ。少し考える時間を与えて欲しいねえ。私にそんなこと聞いても……むずかしいねえ……」

さらにさらに下世話に。毎日記者にたらしこまれて外務省情報を流してしまった女性事務次官の手記。腐れ男女の不倫光景がヒドイの当然としても、女の方は被害者気取りで「乙女チック」全開なところがヒドイというか笑える。
強引に迫る西山記者。「個性的だよ」w

あとは「君が好きだ」を何度も何度も繰り返した。「ぼくはほんとに君が好きだなあ。蓮見さんは個性的だよ」落ち着いて考えれば、これほど歯の浮くようなお世辞はない。ただ、その時の私は、この「個性的だよ」という言葉に酔った。

酔わされて旅館に連れ込まれて。「丁寧語」と「かまわないよ」が笑いのツボ。

突如、その日、私自身が生理であったことを思い出した。とたんに私の気持はさらに動揺し、生理に見舞われている私の体に対する心配やら恥ずかしさやら、頭の混乱は極度に達した。部屋の中で、もうとっくにその気になっている彼に無我夢中で私はいった。
「私、今日、生理なんです。どうかそれだけはお許し下さい」
自分でも不思議なくらいバカ丁寧な言葉を使った。ところが、西山記者はどっかりと落ち着いていた。
「生理だってかまわないよ」
すべては終った。「愛の余韻」などとても昧わっているヒマはない。私は急がなければならない。夫のことが気になって仕方がなかったのだ。

後日横浜に行こうと誘われてお食事ならと乙女チック。

バカな私は、その時、あまり行ったおぼえのない横浜を頭に浮かべて、「今日は中華街でお食事でもするのかな」なんて、ほんのちょっぴり胸をときめかしたりした。

当然男は渋谷のホテルに連れ込んで合体して機密書類を流してくれと哀願。

書類を持ち出し始めてから、西山記者の私に対する態度は、かなり変っていった。もう『ホテル山王』で会っても、決して甘い言葉なんかささやかない。私をごくごく事務的に抱いて、あとは私が持っていった書類に目を通し、おたがいほとんど言葉を交わさずに別れる。間違いなく私は彼にひっかかっている。

事が露見してからも西山に三通しか見せてない事にしてと言われて嘘をついて

しかし、それよりも、私にウソをつかせた西山記者が絶対に許せない気持ちだった。

私がワァッと泣いて「刑事さん、ウソをついていてごめんなさい」といった時の気持ちが、西山記者と毎日新聞にわかっていただけるだろうか。

と書いちゃうわけだが、最初に三通だけと言ったのは自分だって罪を軽くしたかったせいだし、刑事に落とされたら、今度は西山が悪い。自分の腐れ加減をちっとも見ようとしないこの女のズルさと記者男の傲慢さがあまりにヒドイ。いやあ大人って腐ってるなあ。ひろがねチックな愛だなあ。
ああ、ホント、下世話だわ。時間の無駄だわ。