堀江社長のメディア批判

このあいだインサイト山田五郎が「堀江社長って本当は物凄く繊細なんだけど、わざと逆に見せようとしてますよね」てなことを言って回りは誰も付いてきてくれなくて、孤軍奮闘の悲しい五郎。がんばれ、五郎。ただ僕は単純だし貧乏なのでアノ雰囲気が嫌いで、それに乗っかってる軽薄な連中も嫌いで、一連の野球騒動の時はある意味ナベツネ派だったのです。(それについては、ここにて。[https://kingfish.hatenablog.com/entry/searchdiary?word=%2a%5b%a5%d7%a5%ed%cc%ee%b5%e5%b9%e7%ca%bb%5d">https://d.hatena.ne.jp/kingfish/searchdiary?word=%2a%5b%a5%d7%a5%ed%cc%ee%b5%e5%b9%e7%ca%bb%5d[プロ野球合併]まとめ])
そんなわけで、ニッポン放送買収についても無関心だったのだけど、さっき福留TBSを観てて、持ち合い株制度批判、メディア批判なのだなとようやく理解したのです(スミマセン、頭が悪くて)。「持ち合い株」についてはぐぐる検索トップにある新官僚のおかげなんです。一橋大学の野口先生が言う、四十年体制の一環として株式市場を閉めて、取締役への面々を許可制にし、官庁が管理したんです。昭和初年の日本の株式会社は、むしろアメリカのような株式会社でした。取締役会を見れば、明らかに株主の代表に過ぎないような、全然会社の事業に知識のないような取締役が多く、ボーナスをたくさん取って、配当をなるべく高くするような会社が多かったんです。ところが、そういうような取締役は許さずに、技術家であるとか、生え抜きで事業をよく知っている人でなければ取締役にできないような制度が戦時中にでき上がって、その後ずっと続きました。(略)
株主にサービスしない企業は株価が下がる。株価が下がれば敵対的買収が安上がりなんです。全部、市場で株を買うんだから、株価が安ければ敵対的買収が可能になります。株式市場の規則は、アメリカ、イギリスとさほど変わらないんです。敵対的買収を可能にする特殊な規則が、日本で二十年ほど前にでき上がっています。
 ところが、事実起こらないのはどういうわけか。一つは、文化的な要因もあるかもしれません。つまり、企業というのは忠誠の対象となるもので、金で買えないというような文化的価値観があるという要素が多少入るかもしれません。しかし、より重要なのは、やっぱり持ち合い制です。持ち合い制がもともとでき上がったのは、昭和四十年代の資本自由化に近づくころ、アメリカの会社に買収されないように防衛線としてつくったものです。
 その防衛線を崩そうという動きが、現在の日本にあります。

一方的に悪いこととは言えない。日本独特の美風であるのかもしれない。独禁法だのなんだの全部アメリカが日本を乗っ取る陰謀のためで、堀江なんてその先棒を担いでいるだけだという批判もある。だとしても、今回堀江は球団合併の時はファック・ナベツネと叫んでいたメディアに、今度はお前らがナベツネだと言ってるわけだ。どうすんだよという話です。当然福留は買収成功失敗で話を収めようとしてるし、平田オリザは「球団合併の時は明らかな悪役があって、大衆の支持があったわけですが、今回はどうでしょう」とか言って誤魔化してやがる。
えー、どうにも書き方がヘタクソなので本題に辿り着かないのだが、何に興奮してぐだぐだ書いているかというとですね、例えば僕のような一般人だけでなく本をだしているような学者がメディア批判を口にするときにリアルなものがあるかというと実際ないわけだ。そりゃソエジー化して真実を口にしてるから狙われてると信じている人もいるだろうが、これ一冊書いて変わると思ってるかというと、ドウデショウ?(ソリャ、チイサナコトカラ、コツコツトという気持ちはありますがね)。それが堀江の場合、メディアはクソだろとメディアのど真ん中でリアルに主張しているわけだ。球団合併の時にしたって、メディアはナベツネをコケにできて、それで大衆が喜んで視聴率が稼げればいいわけで、後は堀江をホソキだのと同類のバラエティタレントとして珍重して一件落着していた。堀江がナベツネに向けた批判が自分達にも適用されるものだなんて考えもしていなかった。自分達が当事者じゃないときは大衆の代表・正義の代表のようにナベツネを批判していたのに、いざ当事者になると途端に話をそらすのである。自分達はだけは聖域だと思っている。その愚かさが露になっている。クソだろと言われてる方は、気付かない振りをしてマネーゲームに矮小化しようとしてて、堀江の方は素知らぬ顔をして淡々と自分のビジネスを語る。さらりとメディアの経営体質が批判されて、その下でメディア自体がリアルに批判されている。球団合併騒動は壮大な「釣り」だ。まんまとメディアが喰いついたところで、「今度は貴方達の番ですね」とニンマリする堀江。山田五郎的に解釈するなら、堀江社長って金儲けが生きがいのように見せているけど、本当は命懸けでメディア批判してますよね、となる。
でも、やっぱりアノ顔はなんとなく苦手だ。
[追記]
小生がホリエモン・ネタを保持していたことに気付いたので、紹介。