『誰も語らなかったジブリを語ろう 押井守 - 本と奇妙な煙』
よりも、さらにアレな感じ……。
- 作者:岡田 斗司夫
- 発売日: 2017/12/28
- メディア: 単行本
ウルトラマンをやりたがる男
でも、特撮好きの誰一人、庵野の特異性に気付いていないと思います。
庵野以外の監督に共通しているのは、きっと彼らは仮面ライダーやウルトラマン自体になりたかったわけではない、ということ。彼らがなりたかったのは[本郷猛、ハヤタといった]「主人公」
(略)
[『エヴァンゲリオン』で]庵野は自らをどのキャラクターに投影しているのかということが話題になりました。主人公の碇シンジが庵野だ、いや父親のネルフ司令、碇ゲンドウだといった意見が出ましたが、僕はどれも違うと思います。
彼はウルトラマンをやりたがる男。つまり、エヴァ初号機こそが、庵野秀明なのです。
ネルフや使徒といったお膳立てを調えたうえで、自らが使徒を食い散らかしたり無体なことをする。それこそが、庵野の作家性だと僕は思います。
「シン・ゴジラ」
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では、すべてが破壊されたあとの世界を描きましたが、その世界では誰もが、すべてを破壊するエヴァを当たり前のように受け入れ、新作を期待しました。そこで庵野が変身して破壊できる世界は、もうどこにもないんです。彼を阻害する世界がなくなって、どうすればいいのかわからなくなってしまったのではないか。
だから、彼は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』をつくるための前段階として、ゴジラという神を自分のなかに降ろさないといけなくなった。(略)
庵野は自分がゴジラとなって日本と思う存分に殺し合いをしたかったのでしょう。
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