森山大道・路上スナップのススメ

森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

ほとんどの人は日常しか撮ってないでしょう。つまり、基本的に異界に入り込んでいない。でも、街はいたるところが異界だからさ。街をスナップするってことは、その異界を撮るっていうことなんだよ。

商店街でスナップ撮影をする際の注意点とは?

「まず、どのようなスケールの商店街にしても、また、人間が多かろうが少なかろうが、人間と商店街との絡みを、やっぱり基本にして撮っていくということ。それともう一つは、商店の店頭に並べられている品々や、それから建物の一角に貼ってある多くの広告類にもキチンと目を向けること。ただ、通りや買い物客を漫然と撮るだけじゃなくて、必ずそういったいろいろな物を、しっかりと見ること」
実際この日の森山も、行き交う人物はもちろんのこと、商店の軒先に吊るされた商品から、店頭に貼り出された演歌歌手のポスターまで、自身の視界に飛び込んできた物すべてを、絨毯爆撃する戦闘機のような勢いで、徹底的に撮り尽くしていった。そこには一貫したコンセプトや、撮り手の視点などまるで存在せすに、ひたすら街をまるごとコピーしようとしているようにすら見える。

[通勤通学]の道程を、あるいはよく行く商店街を、そうした自分の日常で辿っている道を、まず徹底的に撮ったほうがいい。なぜかというと、それはスナップの訓練になると同時に、自分の生活を含めたなかで、見えてくる自分自身の視覚みたいなものを探していく作業にもなるから。だいたい商店街1本をしつこく撮れば、スナップのレッスンにとどまらず、写真全般のいいレッスンになる

森山大道 NORTHERN

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≒(ニアイコール)森山大道 [DVD](NEAR EQUAL MORIYAMA DAIDO)(English subtitle)

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  • お蔵出し

半端な量なので、下書きに入れたまま二年半忘却放置していた、近田春夫の書評本。
音楽評論の時と違って、少し遠慮がちだけど、本質をつこうという姿勢は、ただの内容紹介に終始する凡百書評家にはないもの、てな感想を抱いた記憶があるが定かではない。

僕の読書感想文

僕の読書感想文

例えば花森安治の本を評した文章。脳内をそのまま書き写してみたけれど、伝え切れていないもどかしさが漂っている。

 そこで浮かび上がってくるのは、花森安治が徹底して実際的な人だったということだが、書き手が何となく花森安治に対して距離を取っている感じが全体にあるようにも思えた。『暮しの手帖』に書かれていることは大変正しい。しかしその正しさには面倒臭さもついてまわる。花森安治はそのことを実感として理解出来ていなかったのかな、と何となくそんな気もしました。普通の人ではないですね。

あとがき

普通、本は一回読むだけで、細かいメモなどはほとんど取らない。唯一、らしきことと言えば、ここだけは引用したい、と思われる個所のページと行を、ケータイのメモに〈P15L34〉などと残しておくぐらいで、後はとにかく読んだことを頭の中で何度も何度も反芻する。そうこうしているうちに、何となくその本の「芯と輪郭」が見えてくる。ここのところがスンナリ行くと嬉しいのであるが、そんなことは無論めったにない。が、それもまた悪くない。このあたり(段々とフォーカスが絞られていく感じ)は作曲の作業と似ていなくもなく、結局私はそういうことが好きなのだろう。

近田春夫&ハルヲフォンLIVE!1975~77

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