ポンコツDIYで自分を取り戻す

「Strumstick」に興味を持った著者が色々作る話を読もうと借りたのだけど、そこら辺はネットで見たほうが画像があってわかりやすいので引用スルー。

著者自身のページ。
I demonstrate my 3-string dronestick on Core77 / Boing Boing
著者が参考にしている煙草箱ギターのページ。
How To Build A Cigar Box Guitar

Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make: Japan Books)

Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make: Japan Books)

  • 作者:Mark Frauenfelder
  • 発売日: 2011/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

バリスタ・チャンピョン講座

ランチリオ・シルビア・エスプレッソメーカーと80ドルの擂り臼式グラインダーでもいい味にならない著者がバリスタ・チャンピョンに教えを乞う

[著者のランチリオは「正直あまりよくない」と師]
「いや、その価格帯ならあなたのマシンがいちばんですよ」
 実を言うとグランビルは、家でエスプレッソを入れることには基本的に反対の立場なのだ。新鮮な豆を手に入れるための苦労、(略)[高価で上等な道具etc]厳しい条件などを考慮すると、よほど真剣なホームバリスタでないかぎり、家庭で楽しめるようなものではないからだ。むしろ、ケメックス(コーヒー通の間では有名なガラス製のドリッパー)のほうが簡単だし、おいしいコーヒーを入れられるという。(略)
[まず著書がいつものやり方を披露することに]
「30ポンドの力で押すんですよね」と、力んで歪んだ表情のまま私は言った。
 私が読んだエスプレッソに関する文献では、どれも口を揃えて、30ポンドがタンパーで粉を押しつけるときのマジックナンバーだと言っていた。(略)
 「関係ないですよ、押しつける力は」とグランビルは言い放った。「20ポンドでも、40ポンドでも、80ポンドでもかまいません」
 エスプレッソ全米チャンピオンによる授業の最初の五分で、私のマシンはガラクタであり、タンパーの圧力は関係ないことを知らされた。(略)
「嗅いでみて」と彼は私にカップを渡し、私は香りを嗅いだ。「焦げた麦のような香りがしたら、出し過ぎだとわかります」(略)
[ポルタフィルターの内側をチェックする師]
まだらに錆びて黒ずんだ銀食器のようになっていた。「コーヒーを入れるためには、その前段階として、こいつを磨いてやらなければなりません。このようにコーヒーの油分が付着して乾燥すると、悪臭がします」
 私はフィルターを掃除したことがなかった。「月に一回とか、掃除したほうがいいんでしょうか?」
 「我々は一時間ごとにします」と言って、グランビルは小さな研磨パッドを使い、黒ずみが取れるまで磨いてくれた。
 ポルタフィルターを脇に置いた彼は、今度はグラインダーに目をやった。「コーヒーの粉が細かすぎますね。抽出時間が長いのはそのためです」
[師のグラインダーは千ドルもする代物](略)
グランビルはあくまで謙虚に対応してくれた。心から私の力になろうとしてくれている。しかし彼には、自宅でエスプレッソを入れるなど、脳外科手術をDIYでやるのと同じだと見ているようなところがあった。(略)
 グランビルはグラインダーのダイヤルを粗いほうへ二つ戻し、スイッチを入れた。いつもの甲高い音ではなく、むしろガリガリという音がした。豆を挽き終わると、彼は粉の容器を取り出し、静かに横方向に振った。粉の塊の原因となる静電気を逃がすためだそうだ。その粉を直接フィルターに入れた。私のようにスコップは使わない。粉はフィルターの縁より高く盛り上がり、かなりの量が溢れてカウンターの上に落ちた。
 「粉がフィルターの中で均等になることが大切です」(略)
グランビルはポルトフィルターをカウンターに叩き付けた。すると粉の表面は平らになり、フィルターの縁にほぼ揃った。そして慣れた手つきで、縁に沿って指で円を描くように粉をならした。粉の表面は、少しだけ凹んだ感じになった。タンパーで一度押さえ付け、溢れた粉を拭き取り、もう一度タンパーで押さえた。次にポルタフィルターをひっくり返し、はみ出た粉を落とした。「ポンプを止めたとき、マシンの中に粉が吸い込まれないように、私はこうしています」(略)
[低価格マシンのバイメタルサーモスタット式スイッチと業務用のPIDの違い]
運転上手なドライバーと同じで、PIDは指定した温度まで湯を温めて、その温度をきっちり保つことができるのだ。
「PIDがないので」とグランビル。「ここでは湯温を保つための“テンパチャーサーフィン”と呼ばれる技を使いましょう。(略)
湯がグループヘッドからこぼれるときにシューシューと音がした。「これが沸騰のサインです」数秒後、音は止まったが湯は流れ続けている。そこでグランビルは数え始めた。「フォー・ワンサウザンド」で彼はポンプのスイッチを切り、ポルタフィルターを取り付け、再びスイッチを入れて、カップをトレイに置いた。すべてが流れるような動作だった。見るからにリッチな、キャラメル色のとろりとしたエスプレッソが二筋、カップに流れ込んだ。(略)
[PID付マシンが欲しくなるも高価で手が出ない、だがなんと著者の愛機ランチリオはPID増設に最適だと判明]

女性喫煙者を増やした男

バーネイズが誇る最大の業績は、1920年代に女性タバコ中毒症患者の国を作り上げたことだろう。当時、アメリカン・タバコ・コーポレーションの社長だったジョージ・ワシントンヒルは、女性喫煙者を増やすためにバーネイズを雇い入れた。その当時、タバコを買うアメリカ人女性は12%に過ぎなかった。(略)
メディアと深いつながりがあったバーネイズは、知り合いの写真家に依頼して、スリムでかわいい女性がタバコを吸っているところを撮影させた。また、医師たちに金を払い、「口内を消毒し神経を和らげる」タバコは食事にとって大切なものだと公言させた。しかし、バーネイズの天才たる所以はこの後にあった。大成功を収めるには、女性が起きて活動しているすべての時間の環境を変えなければいけないと考えていたのだ。彼はレストランに掛け合い、高カロリーのスイーツに代えて、デザートメニューにタバコを入れさせた。家具メーカーに依頼して、台所のキャビネットにタバコ入れを付けさせた。家庭雑貨メーカーには(小麦粉や砂糖の缶とマッチするデザインの)タバコ缶を作らせた。彼は、タバコとタバコを吸う機会を、あらゆる場所に遍在させようとしたのだ。
 バーネイズの努力によって、女性たちは家庭でレストランでタバコを吸い始めた。しかし、男性と同じように街角でもタバコを吸うようにはならないのだろうか?(略)そこで平等な喫煙の自由のための戦略を打ち立てたバーネイズは、ニューヨークのイースターのパレード会場に魅力的な若い女性を大勢集め、公衆の面前でタバコを吸わせた。そしてバーネイズは、女性参政権論者のグループが「自由のたいまつ」に火を灯して世間にアピールを行うという情報をマスコミに流したのだ。(略)
権利と自由の思想とペニスの象徴を組み合わせたバーネイズの計画は、大当たりだった。マスコミはこぞってこのやらせイベントの写真を撮った。これが新聞に掲載されるや、タバコの売り上げは爆発的に増大した。1928年末には、アメリカンタバコの年間収益は前年の320万ドル(インフレ率を調整した現在の金額で約4000万ドル)増となった。