ビートルズがカバーした曲

ビートルズがカバーした曲のデータやオリジナル・アーティストについての解説の他に逸話。

ビートルズ カバーソングの聴き方―What are The Beatles made of?

ビートルズ カバーソングの聴き方―What are The Beatles made of?

ビートルズ上陸前夜の米国ロックの沈滞

ジェリー・リー・ルイスは人気絶頂の58年に、13歳の少女との結婚問題がファンとマスコミに糾弾され、表舞台から消えていった。チャック・ベリーはマン法(売春婦移送禁止法)で59年に告発され、62年に有罪が確定。二年間、インディアナ連邦刑務所に閉じ込められていた。リトル・リチャードも、まさに絶頂期にあった57年、牧師になるため引退を表明。62年に正式にカムバックするが、かつてのパッションは影をひそめていた。59年、バディ・ホリーリッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーが飛行機事故で死亡。60年にはエディ・コクランジーン・ヴィンセントが英国ツアーを終えてロンドン空港に向かう途中で自動車事故にあい、コクランは死亡、ヴィンセントも重傷を負った。さらに59年、「ロックンロール」ということばの創始者で、カリスマ的人気を誇ったDJアラン・フリードと、同じく人気DJのディック・クラークが、レコードをかける見返りに金銭を受け取っていたとされるペイオラ(賄賂)スキャンダルにより、フリードは引退、クラークも活動の縮小を余儀なくされる。
[ロックは沈滞し、パット・ブーン他の優等生ポップシンガーが台頭]

リバプールアイルランドの首都…か?

[ジョン]「リバプールは、アイルランド人が主食のジャガイモが乏しくなった時に移り住む土地だった。アフリカから奴隷として連れて来られた黒人が立ち寄り、そのまま残って住みつくケースもあった。リバプールにはアイルランドの血を引く者が多いし、黒人や中国人や、とにかくありとあらゆる人種が集まっている」。
[リンゴ]「7月12日のオレンジ党勝利記念日北アイルランドプロテスタントがボインの戦いでカトリック勢力を破った戦勝記念日)には、パレードをやっているプロテスタントカトリック教徒がぶん殴る。そういうことさ、誰もがいつも言っているとおり、リバプールアイルランドの首都なんだよ。

ラジオ・ルクセンブルク

BBCではロックンロールはオンエアされなかったから、イギリスでロックを聴こうと思ったら、(略)ラジオ・ルクセンブルクにチューナーを合わせるのが唯一の方法だった。それも、英語放送は夜間だけだったから、ロック好きの少年少女たちは、ベッドにもぐりこみながら雑音だらけの放送に耳をそばだてた。(略)
そのなかで、ビートルズに最も大きな影響を与えたのはバディ・ホリーだった。

バディ・ホリー

[ポール]ビートルズで重要だったのは自分たちの歌う曲を自分たちで書いていたことだった。(略)ジョンと僕が曲を作り始めたのは、バディ・ホリーの影響だった。“すごい!この人はミュージシャンなのに曲も書いてるぞ”って興奮したんだ。〕
[ジョン]自分で曲を書いて、しかもそれがスリー・コードだというところなんだ。自分で曲を書こうとしている人間にとって、それはすばらしいことだった。だって、ぼくらはコードを四つか五つくらいしか知らなかったんだから。(略)
[また、バディが眼鏡をかけていたことが、眼鏡コンプレックスだったジョンを勇気付けた]

ポールが「虹の彼方」をやろうとすると

ジョンはステージの上で「まさか!ジュディ・ガーランドの曲なんかやろうってのかい!」と腹を抱えて笑い出し、ポールが思い入れたっぷりに歌っている途中で演奏をやめ、薄気味悪い表情で客席をにらみつけたり、せむし男のまねをして客席を笑わせたりして、ポールのせっかくの“名唱”をだいなしにしてしまうことがよくあったらしい」[ピート・ベスト証言]

ポールと前衛

アッシャー家をとおして、ポールはロンドンの芸術家やインテリたちと親交を深めていった。そのなかのひとりが、ピーター&ゴードンを介して知り合ったジョン・ダンバーだった(当時ダンバーの若い妻だったマリアンヌ・フェイスフルは、これが縁でシンガーとしてデビューし、ミック・ジャガーの恋人としても知られるようになる)。
 ケンブリッジで自然科学と美術を学び、ロンドンにおけるアバンギャルド・シーンの発信者となったダンバーのアパートは、ポールをはじめとするポップ・ミュージシャンと、ダンバーたちカウンター・カルチャーの芸術家との出会いの場となり、かつ安心してドラッグにふけることのできるたまり場となった。ジョージ・マーティンに「ブルースの影響がほとんど感じられない[ジョン・リー・フッカーよりエルガーの影響のほうがある]」と言われたポールだが、このときダンバーのアパートで、イギリスにおける反商業主義ブルースの推進者ジョン・メイオールとも出会い、彼から直接、ブルースの“講義”を受けたらしい。

ボブ・ディラン:ジョンの被害妄想

ジョンは、「フォース・タイム・アラウンド」のエンディングの歌詞「俺はあんたのものをほしがったことはないぜ/だから俺のもほしがるなよ」の言わんとするところ、それに「四回目」というタイトルに思いをめぐらしてパ二ックになったという。「アイム・ア・ルーザー」「ベイビーズ・イン・ブラック」「悲しみはぶっとばせ」、それに「ノーウェジアン・ウッド」で四回目だ、もうこれ以上俺のマネをするな、とディランは俺に言っているのだろうか……。
 その直後、ディランから彼のドキュメント映画『イート・ザ・ドキュメント』への出演を依頼されたジョンは、ディランが自分をおとしいれようとしているのではないかと疑心暗鬼に駆られたという。

ブライアン・ウィルソンは『ラバー・ソウル』に感動して、『ペット・サウンズ』をつくったが

ブライアンが「フォークソング集のようなものだった」と言っていることからもわかるとおり、彼が聴いたのはアメリカ盤の『ラバー・ソウル』である。英オリジナル盤からは「ドライヴ・マイ・カー」「ひとりぼっちのあいつ」「恋をするなら」「消えた恋」が外され、かわりに『HELP!4人はアイドル』に収録されていた「夢の人」がA面一曲目に、同じく「イッツ・オンリー・ラヴ」がB面一曲目に収められた、ビートルズの意図したものとは異なる、ブライアンの言葉どおりまさにフォーク・ロックのようなアルバムだ。

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ふと、思い立って、不吉な画像をトップに。「死にたくなるから、ヤメテ!」「メシがまずくなる」という苦情はお早めに。まあ、すぐ、変えちゃうと思うんだけど。
採取元はケーブルでやってたコレ。

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こんなタイトルだとオサレな女子は観ないと思うけど、全然問題なしですよ。前半主人公が実家に帰る辺りまでのクールな画面が素敵。監督の希望タイトルは「受胎告知」。後半はなんつうか時代の湿り気というか、それはそれであれだけど。
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不吉なトップ画像をフォローせんと、『邪魔者は消せ』からの爽やかな画像で、サヨウナラ。