宮崎駿だけど、なにか質問ある?

年忘れ企画。観る前に読んではと思ったまま、すっかり忘却して今頃読んだよ8月発売「CUT」の宮崎駿インタビュー。
世間から突っ込まれるところは当然スタッフからも突っ込まれてるわけで、公開前からそれなりに予想済みだったんだなあw。

Cut (カット) 2008年 09月号 [雑誌]

Cut (カット) 2008年 09月号 [雑誌]

置き去りの件

アメリカの非常に肩入れしてくれる友人が、子どもたちを置いて母親がひとりで別のところに救援活動に行ってしまうということについて『あれは俺にはできない』って深刻に悩んでるんですよ(笑)。なんでできないんだろうって思うんですけど、スタッフの中にも、『僕はできない』って奴がいる(笑)。『結局、おまえはなにもしないんだ。助けにも行かないし、ただおろおろして一晩明かすんだ』って悪態をつきながらやったんですけどね(笑)」

「さかなの子」じゃない

――だいたいあのポニョ自体、「さかなの子」って言ってますけど、お父さんもお母さんも魚じゃないですからね。
 「ええ、そうですね」
――(笑)設定そのものがむちゃくちゃですよね。
 「でも異種婚礼っていうのは日本には数々あるからね。あのお母さんだって本当は巨大なアンコウなんだとかね。そういうことは、スタッフの中で話してたんですよ。

水の中に沈んだ町の世界観

だって水が引いたあとめちゃくちゃになってると困るじゃないですか。ポニョがこれから生きていくところが。だからお母さんが一生懸命魔法をかけて、ドアを開けてみたら中は乾いていたみたいな世界にしようと、壊れてない町を描いたんですけど。そう思ってくれない人が多くて困ってるんですよ(笑)。世界観の問題というより僕は必要としてあのシーンを作ったんですけど。

――(略)[千尋カオナシと電車に乗る場面]を観た時に、押井守も言ってたんですけども、やっぱり宮崎さんは、死を考えたんじゃないかという。
 「いや、それ鈴木さんもよく言うんですけど、それは賢しらなんですよ。『死と生が匂う』とかいろいろ言うんだけど、それはいつも同居してるものであって、それを描こうと思ってやってるんじゃないんですよ。今度の映画でも最後のところでひまわりの家がくらげたちの泳いでる中に入っていて、そこでおばあちゃんたちが平気で走り回ってるという。それを観て鈴木さんが『これは、もうあの世ですね』って。
(略)
死は匂うけど、そういうものの中に同時に自分たちが描きたいキラキラしたものもあるから。あんまり生と死っていう言葉を使いたくないですよね」

[異界が畏れの対象ではなく心地よいものになっている、異界との境界線が溶けてきている、『もののけ』のサンが「絶対に人間になりたくない」だったのが、ポニョは力強く「人間になりたい」という、新境地だと渋谷陽一が話を振るが宮崎はそれはポニョが子供だからであって別に新境地ではないと否定]

――というところに宮崎さんは、初めてこの映画で立ったわけですよね。
 「初めてって言われると前から立ってた気がするんですが」
――いや、そんなことはないです。
 「(笑)『そんなことはない』って!」
――だってサンとアシタカは、全然和解しなかったじゃないですか。(略)
 「だけどしょっちゅう会ってますからね、あのふたりは(笑)。僕はそう思ってますよ、それは」
(略)
――(略)ポニョにも「人間になりたい」って言わせた。これは言わば革命ですよね、宮崎アニメの。
 「そりゃ子どもだから言えるんですよね。子どもは言いますよ」
――いや、言わせたのは宮崎さんじゃないですか。
 「いや、そこまで言われると困るんですけどねえ」
(略)
[そこらへんを誤魔化し曖昧にしていたのに、今回は断言した!と粘る渋谷に宮崎は]
あの子どもたちだからできたんですよね。大人だったら話はちょっと違うと思うんですけど。フジモトになってくるんですよ。でも宗介とポニョだからできるんです。それは、子ども時代に味わうべきことなんですよ。たいてい約束は守れないんですよ。だけど、ひとりぐらい守り通した奴がいてもいいだろうっていうことで、この映画を作りましたから。

水道水の件。

海の魚なのに平気で水道の水の中に入れてるんですよ。
(略)
細かい演出としてはドキドキしてるハードルがあるんです。だけど宗介はやっぱり水道の水を絶対に入れる。海の水の中にポニョを入れるんだったら、海に帰すはずだから。それが何故なのかっていうのはよくわからないんだけど、やっぱり水道の水を入れるよなって。
(略)
――だから『ポニョ』のこの世界観をあなたたちは受け入れるのか、受け入れないのか、これに乗るのか乗らないのかということだと思うんですよね。で、たとえばあの海の中に沈んだ町を見て、やっぱりどうしても気持ちいいと思っちゃうわけですよ。あと僕、フジモト好きなんですよ、実は。
  「(笑)ありがとうございます。孤独なフジモトを好きな人、なかなかいないんで(笑)」

  • どうでもいい今日の実況

テレビをつけたら阿部サダヲ観月ありさがこんな会話。

阿部「ホストになって俺はギラギラしてる」
観月「そんなちっちゃいホストいません」

『OL』も『ギラギラ』も観てないけどワロタ。
相棒に大路恵美、老けると頬の肉がそげるタイプなのか、ECDあゆみ型か。そのせいでフェロモン減少してた。いっけいに「はちみつ」攻撃のあのころが、剣客商売がなつかしいとです。でも実況では小雪認定だった。来週は「ワクチンが欲しければ、跪いて足をお舐め」と大路が女王様プレイなのでしょうか。袴田吉彦を観るたび、「市川雷蔵物語」やるなら主役はyouだと思うoleなのだった。