「革命の恐怖」に脅えて貧民児童教育

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上記に関係あるようなないような

ロバート・オウエン (イギリス思想叢書)

ロバート・オウエン (イギリス思想叢書)

ランカスター・システム。インド式がココにもw

もともと国教会の聖職者アンドリュー・ベル博士がインド在任中に小学校の校庭で目撃した「モニター制」にヒントを得て、イギリスで紹介し、それをジョセフ・ランカスターが実用化したものである。
 ランカスターの『教育の改善』(1803年)によれば、そのシステムは、まず、教師が生徒のなかから成績優秀なものを抜擢して助手に採用し、その生徒が他の生徒を指導するという制度である。したがって教育方法は単純化されていた。もっぱら、文字を暗記させ、簡単な計算を繰り返して、知識を機械的に習得させるやり方であった。この作業を効果的にするために、生徒に対するさまざまな賞罰の制度を併用していた。すなわち、一方で、厳しい体罰をちらつかせ、他方で、わずかな褒美の品やメダルを与えて、勉学に励ませるという、単純なアメとムチによる誘導の制度であった。
 「革命の恐怖」に脅えた人々の狼狽に後押しされ、貧民児童教育が、にわかに「国民的課題」として上流階級に認知され、ランカスターの活動に全国から熱い期待が寄せられた。