掟の問題/カフカ&春樹本

結局アフォリズムしか読まない。

25
この世へと逃げこむ以外に、どうしてこの世をよろこぶことができようか?
27
ネガティブなことを行うのが、なおわれわれに課せられている。ポジティブなことは、とっくに受けとりずみだ。
35
所有などなくて、存在があるだけ。最後のひと息、呼吸の絶えることを願っている存在があるのみ。
43
猟犬たちはまだ中庭で遊んでいる。森ではすでに狩りがはじまっているというのに、動物たちは猟犬から逃げようとしない。
62
精神世界しかないという事実が、われわれから希望を奪い、確信を与える。
73
彼は自分のテーブルからこぼれ落ちるものを食った。たしかにしばらくは誰よりも満腹したが、テーブルの上のものを食べるのを忘れ、だからしてこぼれ落ちるものもなくなった。
78
精神は支えであることをやめるとき、ようやく自由になる。
101
罪はいつもひらかれたかたちでやってくるので、すぐさま感覚でとらえることができる。根をはったものは、引き抜くわけにいかない。
103
この世の苦悩から、おまえは身を引くことができる。おまえしだいであって、おまえの本性にまかされている。だが、この身を引くことこそ、おまえにとって避けられる唯一の苦しみではないのか。
106
(略)
おまえが知ることのできるのは欺瞞だけなのか?ひとたび欺瞞が打ち砕かれれば、おまえは目のやり場に困る、あるいは地の塩になる。