植民地&ニート

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植民地主義とは何か

植民地主義とは何か

植民は計画的にネ

特異なケースは日本帝国である。日本は、植民地でも非公式支配の場合にも、計画的に〈工業〉によって植民地経済をおこした唯一の帝国であった。朝鮮および満州では石炭産業や鉄鋼業が、台湾では製糖業が、上海や北シナでは木綿加工業が、それぞれ起業されている。これらの産業は、原料にとぼしい日本列島の経済を補完し、かつ計画されていた日本支配下でのアジア広域圏が、分業的な自給自足経済をいとなむよう助成するのが目的だった。日本の植民地支配は、近代史のなかでも、きわめて弾圧的な植民地体制といってよく、支配下にあった諸民族が、圧政者に対して感謝をしめす理由は少しもないとはいえ、その物的、構造的な遺産は、後に朝鮮、台湾、中国の一部で産業が発展する重要な基盤となった。

政治を非政治化

ヨーロッパ人の有能な総督たちが成功した秘密のひとつは、1883年から1906年までエジプトの最高権力者だったクローマーが述べたように、「政治を非政治化し、人間にかかわるすべての事柄を、規律ただしい管理の問題に還元する傾向」のためであった。事実、クローマーは、高度帝国主義的なイギリス植民地思想を最もまとまった形で述べた著作『近代エジプト』(1908年)のなかで、くりかえしエジプトの行政府を、帝国主義的な意志によってのみ動きつづける「機械」と呼んでいる。だからこそ、植民地国家は、とりわけ西欧の政治形態を取りいれようとする他意のない順法的な試みにさえ、苛立ちをかくさず抵抗したのである。効率のよい平穏な行政を乱すことは許さないというわけだ。