宮台真司の自己啓発グルーヴ

 宮台真司の嫌なカンジって、自己啓発セミナーのノリを社会に持ち込んで社会にダメ出し「人格否定」をぶちかましちゃうとこじゃないと、いい加減な感想を書こうとして、そういやオレ自己啓発セミナーなんてよく知らないやと思ったので検索してみたら、元関係者の語る「自己啓発セミナーの問題点と対処法」というのがあって、これがまんま宮台に当てはまるのでかなり笑える。

  • 勧誘の際の世間との軋轢も「修行」だ

最も大きな問題点は、お金がかかるという事もそうですが、それを親兄弟、親戚、友人にまで勧めて回る(エンロールと言います)、という点にあると思います。
 実際は、それで参加者が罵倒されたり回りの人とトラブルを起こしたりすればするほど、参加者自身のトレーニングになるようになっている(!)のです
が、普通に社会生活を送っている回りの人々にとって、参加者のトレーニングの為にトラブルに巻き込まれるのですから、たまったもんじゃありません(笑)

そ、そうか世間がブルセラ学者と罵れば罵るほど宮台にとっては修行値獲得だったのかあw。
入試問題を熟考するなんて無意味、さっさと解答を見てパターンを覚えこむべきというのは正解なのだろうけれど、それを人生にまで持ち込んで、さっさと「自己啓発セミナー」で解答パターンを身に付ければいいやという発想の人間というのはどうなんだろう。
参加者でもない一般の人間に向かって、セミナー気分で人格否定をすれば、過剰な拒否反応があるのは当たり前だ。「人格否定」をされた社会が過剰な拒否反応をしたのも当然だ。そのあげくトンズラ。というところで、ようやく本題の内容紹介。

宮台真司interviews

宮台真司interviews

「戦略が効きすぎると失敗する」

こんなはずじゃなかったと宮台。

ぼくが冷たい人間に見えるのは、ぼくがそれを意図した結果です。ぼくは人を癒したくない。癒してしまえば、癒しを必要とする現行システムを補完するだけ。それよりもシステム変革に動機づけるために、人を不安に陥れたいと思ってきた訳です。ただそれが裏目に出た部分もあります。例えば昨今のテレクラ規制ラッシュや東京都買春条例、あるいは国会上程中の児童買春・児童ポルノ法案などは、不安に駆られた人々が拙劣な法制措置に踏み込んでしまった結果です。あるいはぼくの読者から、ぼくの知る範囲でも複数の自殺者が出てきています。

果てして本人は自己のセミナー気分を自覚していたのか。

かつて宮台真司は、機械のように、正解を答えてくれた。だが今回、話を聞いてみて……話し方は変わらないが、苦悩が見える。答えは見えるが、逡巡も見える。機械のような印象は、露と消えていた。彼の中で何かが深まっていることは、確かだ。

聞き手のこんな感想で締め括られる『SPA!』インタビューがかなり宮台をつっこんでいて笑える。元参加者に糾弾されるセミナー講師宮台という構図だろうか。

−−宮台さんの方向転換が早ければS君は死ななくて済んだと?
宮台 その可能性はあります。
−でも、例えば宮台さんは『完全自殺マニュアル』を評価していた。自殺は生きることの選択肢の一つであり、自殺も売春も自己決定権の問題だという明快な意見でした。宮台さんを支持する人はそういう明快さに惹かれたと思うんですが、たった一人の読者の自殺に衝撃を受けてしまうのは矛盾するのでは?
宮台 自己決定権の主張は法律の問題です。法と道徳は違うというのが近代社会の常識です。だから、自殺の自己決定権を認めよと主張する人間が、個人的に自殺を止めようとすることは矛盾しません。それは、売春についても同様です。
−それは、宮台さんの道徳?
宮台 正確に言えば、個人道徳です。

女子高生売春は推奨するけれど、カミサンにはしてほしくないというのは、まったくオヤジの精神構造とちがわないのだが。
こんな風にしか回答できない宮台が別のインタビューでは大物学者の物凄さに触れた事がないと駄目だとこんな講釈を垂れている。

思弁を背後で駆動する「制御しがたい内発性」を実感することができない。
思考の帰結のいかんでは人を殺したり自死するような状況も起こりうること、内発性次第では思考は制御しがたい勢いを持つこと。

セミナー気分で社会を煽っていた宮台の思弁とやらにそんな真剣なものがあったのか。kingfish.hatenablog.com。まったく大爆笑だよ、貶したところで再度『SPA!』インタビューに戻って。

−−ということはあの頃、日常だけでは満足できないってことをわかっていながら、まったりと生きることを推奨していたってわけですね。
宮台 いや。「まったり革命」とは意味の追求をやめることで、それは目鼻がついた。でもその後、多くの人は強度(濃密な時間)が得られないことに苦しむようになりました。脳死みたいな生を送るんだったら死んじゃおうという人も出てきました。意味から自由になるには社会の相対化が一番だけど、今や自由になった後の実存の困難を問題にするべきです。
−−宮台さんは、そういう困難を抱えていないと思いましたが(笑)。
宮台 とんでもない。ボクは非日常体質で、とても日常だけでは生きていけません。

と、ここまで書いたところで、麻生久美子の鼻下スジがやたらくっきり時効警察が始まるので、続き&改稿はまた明日。