阿呆律動/エリック・ホッファー

魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集

魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集

魂の錬金術エリック・ホッファー
アフォリズム集からの引用。
いい加減なタイトルもどきはさしたる意味もなく
カールくコッチで適当につけたものです。

  • 世界一のならずもの国家

強者が弱者の真似を始めるとき、世界に大きな災厄がふりかかる。
弾圧と粛清という強者の掌中にある無比の手段は、弱者が生き残るための絶望的な手段でもある。

  • 長文粘着激昂野郎

公言する内容を十分に理解していない場合、われわれは熱狂と不寛容をもって、それを語る。不寛容は、触る価値のないものに貼り付けられた「触るな」という表示のようなものである。われわれは髪が乱れていても気にしないが、ハゲを隠すカツラのことは知られたくないのである。

  • 保守厨房

弱者が自らの強さを印象づけようとするとき、邪悪なことをなしうることを意味深長にほのめかす。邪悪さが弱者を魅了するのは、それが多くの場合、権力意識の獲得を約束するからである。

  • 市民政治家の末路

仲間の保護者として出発し、刑務所の看守になりおわる可能性は、つねに排除できない。

われわれは他人のなかに自分と同じ汚点を見出すことによって、いわば他人との血縁関係を主張する。だから、悪意とはひとつの社会的能力なのである。

憤慨は不正の自覚よりも、弱さの自覚から生じる。われわれはいわれなき非難よりも、部分的であれ正当な非難に対して憤慨する。非難される余地のない人は、おそらく憤慨しえない。

われわれは苦痛を与えるとき、それがたとえ自分自身に対してであっても、権力意識をもつ。

  • 世論

ささいな不快感のほうが、大きな犠牲よりも耐えがたいものである。というのも、後者が現在の誤りを証明するのに対して、前者は現在を悪化させるだけだからである。

  • 自己責任

異議申し立てをする少数者が自由を感じるのは、自分たちの意思を多数者に強制するときだけである。彼らが最も嫌悪するのは、多数者の異議である。

  • 長文薀蓄恫喝野郎

われわれは何を言いたいのかわからないときほど、饒舌である。言うべきことがあるとき、言葉はほとんど必要ない。