ただれた関係

もうレポーターがうるさいのです。しつこいのです。
セックスライフがただれていると。よくわからない。
それって、ヒロスエさんとかオキナさんみたいなこと?
確かに言えるのはレポーターの胃がただれているということ。
わたしには見えるのです。彼の内臓が。ただれている。
ジョーさんが上に引っ越してきてから。ただれているらしい。
ペットのなまえはゴンザレス。それ以来はじまった音が
ずっtttttと胃酸をにじませている。
「どちらにしてもこんな内臓ではいずれ死ぬ」
そうわたしが言うとレポーターは一瞬、死人のような顔になって、
そしておそいかかってきた。ただれた関係にくわわるために。
「ジョーさん、僕の足、踏んでますよ」そう繰り返しながら
彼は腰を動かし続けた。ビョーキなのかもしれない。
あの音は、気のせいで、だから、内臓はどうにかなる。
あの音は、気のせいで、だから、内臓はどうにかなる。
「ジョーさん、僕の足、踏んでますよ」
こんなやつより、ジョーさんとただれた関係になりたい。
ゴンザレスがアソコを執拗になめる。
ジョーさんは私の指を一本ずつ射ちぬいていく。

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