かたく、茹でろ。

ゆでタマゴを見るたび思います。
たったひとつのハードボイルドな世界ですもの、
鳥が死んでも、しっかり茹でろ。
はさまれるならはさまれろ。これがほんとの幼児サンド。
死にたくないなら外でるな。六本木ジャングル。
そういうわけで、今日も、小一時間、茹でてみる。
茹でてみたい、とことん、茹でてみたいものだ。
それは多くの人の望みでもあり、裏切りの同盟でもある。
固さが足りない、よくそう言われます。たしかに、そうだ。
もっと、固く、かたく茹でたいのが人情というものだ。
       * * *
いやあ、若かったなあ、こんなことを書いてたんだ。
まあ、今になれば、堅くなくてもいいよね。
半熟がスキ。半熟、サイコー。
正直言うと、若い頃から、そうでした。
とろっとしたのがスキでした。でも、言えなかった。
時代だったんだな。半熟なんて言おうものなら。モウ。
モーモウモウ、すっかりビリー・亜衣ドル扱いで。
歳をとると素直になれます。なんでも半熟です。夜も。
ナニも半熟、大人のナニで、じっくりとナニして、
若い者には負けません。負けないわよ。言い訳じゃないわ。
必死だな、ポセイドン byトリトン
       * * *
いやあ、若かったなあ、こんなことを書いてたんだ。
こうして駄目になると、やっぱり生。ナマです。
茹でるのも、剥くのも面倒だ。ぱっかり割って、ツルっと。
ややからみ気味の喉越しもナマの醍醐味。
なんにも恐くないさ。だって、もうすぐ死ぬんだもの。
『ぼくの魔法使い』「ほどよく野島テイストでお願いします」。
前田亜季の方で。セイント・バイオレット・ハイスクール。
カラスも死んだし。父さんも死んだし。生デスね。
さようなら。かたくするって、むずかしいね。