リベラリズム

「表現の自由」を求めて・その2 奥平康弘

ホームズの転換――それを促したもの L・D・ブランダイス 1940年国旗敬礼強制事件 前回の続き。 「表現の自由」を求めて: アメリカにおける権利獲得の軌跡作者:奥平 康弘発売日: 1999/12/17メディア: 単行本 ホームズの転換――それを促したもの 劇場で[「火事…

国連と帝国 マーク・マゾワー

ヤン・スマッツ インターナショナリズム ヤン・スマッツ 「白色人種の団結」 国連憲章 アルフレッド・ジマーン [解説=渡邊啓貴:まとめ] 国連と帝国:世界秩序をめぐる攻防の20世紀作者:マーク・マゾワー,Mark Mazower発売日: 2015/07/29メディア: 単行本 …

統治新論・その2 大竹弘二・國分功一郎

マックス・ヴェーバー ベンヤミン シュミット 憲法改正の限界 「押しつけ憲法」のトラウマ シュミットの同質主義的な民主主義 ハーバーマス、市民的不服従の正統性 前回のつづき。 統治新論 民主主義のマネジメント (atプラス叢書) 作者: 大竹弘二,國分功一…

マルクスとフランス革命

マルクスの眼前にあるドイツはもはや、 『法哲学綱要』は何を語っているのか ルソーとヘーゲルの根本的な違いは ヘーゲル的国家は、 フランス革命は、 ブリュメール十八日 哲学の犯罪計画 ヘーゲル『精神現象学』を読む - 本と奇妙な煙と同じくらいわかりや…

哲学の犯罪計画・その3 啓蒙、道徳哲学

啓蒙 フランス革命とカタログ世界 道徳哲学 前回のつづき。 「啓蒙時代は懐疑主義よりもはるかに攻撃的で恐るべきものである」 哲学の犯罪計画: ヘーゲル『精神現象学』を読む (叢書・ウニベルシタス)作者:ジャン=クレ・マルタン発売日: 2013/05/31メディア:…

イデオロギーとユートピア・その2

第四回 マルクス『経済学・哲学草稿』「第三草稿」 マルクスはもっとも断固たる無神論者であるが、 第五回 マルクス『ドイツ・イデオロギー』 第九回アルチュセール(3) 第十三回 ハーバーマス(1) 前回のつづき。 イデオロギーとユートピア作者:ポール…

人権はナンセンスか否か『権力への懐疑』

人権は「おおげさなナンセンス」か否か? ロールズの議論に対する疑問 国家の中立性 権力への懐疑―憲法学のメタ理論 (現代憲法理論叢書) 作者: 長谷部恭男 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 1991/05/01 メディア: ハードカバー クリック: 2回 この商品を…

エコは宗教性をオープンにすべきだ

環境保護運動はその宗教性をオープンに表現すべきだ 「温暖化否定論者」ではないけれど 「現在中心主義」 環境保護運動の元祖 エコも(浅く:深く)の二つに分けられる 「グッドライフ環境保護主義」 人格または自己の確立 ベーシック・インカム 前回のつづ…

歴史を繰り返すな/坂野潤治、山口二郎

日露戦争後 立憲主義 安保法制懇 陸海軍の体制エリートからの没落 なぜ「反戦平和」しか思いつかなかったか 歴史を繰り返すな作者:坂野 潤治,山口 二郎発売日: 2014/08/07メディア: 単行本(ソフトカバー) 日露戦争後 坂野 日露戦争のあと、ロシアと日本は…

脱構築とプラグマティズム シャンタル・ムフ編

ローティの長所 ローティの欠点 『2.脱構築とプラグマティズムについての考察』 ジャック・デリダ 脱構築とプラグマティズム 〈新装版〉: 来たるべき民主主義 (叢書・ウニベルシタス)作者:デリダ,ジャック,クリッチリー,サイモン,ラクラウ,エルネスト,ロー…

戦争と政治の間・その2 アーレントの国際関係思想

偽善と偽善に対する戦争の両方を非難した。 「リベラルの親ユダヤ主義に対する嫌悪感」 政治的に構成されたペルソナ 世界は人びとの間に横たわっている 死者の生の重さを計るいかなる基準も全面的に拒絶 前回のつづき。 戦争と政治の間――ハンナ・アーレント…

戦争と政治の間 アーレントの国際関係思想

暴力の表出は権力が危うい徴候 シュミット、パルチザンの理論 権力と暴力 政治の死と戦争の勝利 リベラルな幻想をアーレントは嘲笑した 帝国主義的な「官僚の哲学」 戦争と政治の間――ハンナ・アーレントの国際関係思想作者:パトリシア・オーウェンズ岩波書店…

カール・シュミット入門講義・その3

自由主義 マルクス主義 『政治的なものの概念』からの引用 前日のつづき。 カール・シュミット入門講義 作者: 仲正昌樹 出版社/メーカー: 作品社 発売日: 2013/03/02 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (14件) を見る 自由主義 シュミッ…

吉本隆明 自著を語る

なぜフランス語にしたか「マチウ書試論」 『共同幻想論』 詩的?悪文? 愛国無罪 三部作 呉智英が、吉本は中身のなさを悪文で意味ありげに見せてるだけだ、「ドーダ」と言いたくて「イエス」を「ジェジュ」とフランス語にしてやがる、と書いてる本を後日検証…

トクヴィルが見たアメリカ

アンドリュー・ジャクソン アメリカの原理、「利益の正しい理解」 インディアン強制移住 「アメリカ人は安楽な生活のなかでなぜあのように落ち着きがないのか」 トクヴィルが見たアメリカ: 現代デモクラシーの誕生作者:レオ ダムロッシュ発売日: 2012/11/23…

プーチンの思考

二つの戦争 タンデムでリベラル支持拡大 タンデムに亀裂 国防外交をまかせておけないと大統領復帰 中国 北方領土訪問 プーチンの思考――「強いロシア」への選択作者:佐藤 親賢岩波書店Amazon これらの演説を聞いていると、欧米の内政干渉からロシアを守る、と…

オバマを読む、ロールズ、ニーバー

ロールズ、ニーバー 政教分離 不信感 オバマを読む――アメリカ政治思想の文脈作者:ジェイムズ・クロッペンバーグ発売日: 2012/02/25メディア: 単行本 ロールズ、ニーバー 驚くべきことに、1942年に若きジョン・ロールズが展開した議論の主旨は、サンデルや、…

アメリカと戦争

イラク戦争まで扱っているが、米西戦争あたりまでを引用。アメリカと戦争 1775‐2007―「意図せざる結果」の歴史作者: ケネス・J.ヘイガン,イアン・J.ビッカートン,Kenneth J. Hagan,Ian J. Bickerton,高田馨里出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2010/06/01メ…

国民国家と市民

国民国家と市民―包摂と排除の諸相作者: 立石博高,篠原琢出版社/メーカー: 山川出版社発売日: 2009/06メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (1件) を見る 第三章 「セルフメイドの国民性と市民/金井光太朗」 タウンミーティングは多数決で決…

表現の自由―その公共性ともろさについて 毛利透

ハンナ・アーレント 市民的自由を行使する変人 なぜ憲法学はハーバーマスの 公共圈論の不在は樋口にありと愛敬 シュミット ロールズ 長谷部恭男 第二章まで(あと省略)。順番を変えてアレントから先に。 表現の自由―その公共性ともろさについて作者:毛利 透…

ネオコンの始祖

追跡・アメリカの思想家たち (新潮選書)作者: 会田弘継出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (22件) を見るネオコンの始祖として、騒がれたレオ・シュトラウス [そのブームに娘は] 「父は学…

見えないアメリカ・その2

人種隔離を叫んだアラバマ州知事 黒人の真似 ハンティング文化と銃規制 ウィリアム・F・バックリーJr 前日の続き。 見えないアメリカ (講談社現代新書)作者:渡辺 将人発売日: 2008/06/17メディア: 新書 人種隔離を叫んだアラバマ州知事 ジョージ・ウォー…

見えないアメリカ

ヒラリー上院選スタッフを経てテレ東という経歴の著者。見えないアメリカ (講談社現代新書)作者: 渡辺将人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/06/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 129回この商品を含むブログ (45件) を見る二大政党勢力図変遷 南部を…

オバマが共和党員にも受ける理由

前半をチラ読み。 黒か白で対立を煽り、国を二分して争うのはやめよう、それでは解決は見出せないというのがオバマの主張。なるほど共和党員にも支持されるわけだ。合衆国再生―大いなる希望を抱いて作者: バラク・オバマ,棚橋志行出版社/メーカー: ダイヤモ…

敗戦トラウマ処理法

沈鬱から陶酔へ 夢から醒めて オマエに負けたわけじゃない 敗北は再生のチャンス 敗者は道徳的権威を目指す 勝者から学ぶ 南北戦争後 卑怯な敵 敗戦国として分析されているのはアメリカ南部、フランス、ドイツなのだが、まるでジャパンの話のようじゃあーり…

監視社会と「個人」の消滅

時間のないビジネスマンと金がないホームレスは、191頁の「主体と責任」辺りから立ち読みするだけでもなんとかなるような気がしないでもないと書いてミル。一応最初から全部読みましたと言い訳してミル。 個人や自律なんてのも効用があるゆえのフィクション…

憲法を生きる

マルクス主義と基本的人権 1959年から二年間アメリカ留学 行政法 デモ行進は表現の自由の一形態 検閲 憲法を生きる作者:奥平 康弘メディア: 単行本 マルクス主義と基本的人権 [著者は1950年東大入学]ぼくが法律学の勉強を始めた頃(略)マルキシズムからみる…

NGOはネオリベのトロイの木馬

NGOは「グローバルなネオリベラリズムのトロイの馬」 IMFネオリベ化のきっかけ リベラリズムとネオリベラリズムとの決定的な違い ネオリベラリズムとは何か作者:デヴィッド ハーヴェイ青土社Amazon NGOは「グローバルなネオリベラリズムのトロイの…

スピノザ「無神論者」・その2

前日の続き。スピノザ 「無神論者」は宗教を肯定できるか シリーズ・哲学のエッセンス作者: 上野修出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2015/07/31メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 鋭牙会に捧ぐ*1 もう聖書の中の古くさい理屈に合わない記…

スピノザ「無神論者」は

「共和派」と「総督派」の緊張関係 『神学・政治論』を執筆。 聖書の理解不能な部分をどう解釈するか 面白い。前半が、いや2/3くらいまでが。薄くて千円で(ま、図書館で借りたけど)すぐ読めて面白い。脳味噌に刺激。 スピノザ 「無神論者」は宗教を肯定で…