リベラリズム

官僚制のユートピア デヴィッド・グレーバー

リベラリズムの鉄則と全面的官僚制化の時代 ジョージ・ウォレス「頭でっかちの官僚」 アメリカは根っから官僚制社会 「規制緩和」の罠 実は資格社会のアメリカ とあるエコノミストとの会話 「規制緩和」という名の下で公的権力と私的権力が融合して「全面的…

自由論―現在性の系譜学 酒井隆史

誰が誰を観察するのか? 世界の捏造化 未曾有の「対案主義」がいま、この社会を支配している。 ロールズの正義論はポスト福祉国家の理論 フーコー、ハイエク 「警察権」は膨張していった 2001年の本。 自由論―現在性の系譜学作者:酒井 隆史発売日: 2001/06/0…

魂の労働―ネオリベラリズムの権力論

内務省型統治の復活 ネオリベラリズムのワークフェア言説 2003年の本。 魂の労働―ネオリベラリズムの権力論作者:渋谷 望発売日: 2003/10/01メディア: 単行本 内務省型統治の復活 日本において「護送船団方式」の解体は、「大きな政府から小さな政府へ」とい…

暴力と富と資本主義 萱野稔人

民営化による<権利>の再定義 軍事業務を民間企業に委託する 日本の構造改革に話を戻そう。 暴力と富と資本主義 なぜ国家はグローバル化が進んでも消滅しないのか作者:萱野稔人発売日: 2016/03/26メディア: 単行本 民営化による<権利>の再定義 構造改革は…

政治哲学的考察・その2 宇野重規

シュミットの考える「代表」とは ルフォールの全体主義論 保守主義が成立したのは19世紀前半 バークによる人権批判 カトリック教会の批判 マルクスの人権批判 前回の続き。 政治哲学的考察――リベラルとソーシャルの間 作者: 宇野重規 出版社/メーカー: 岩波…

政治哲学的考察―リベラルとソーシャルの間

マルクスからトクヴィルへ トクヴィルの徳の概念 自由の精神と宗教の精神 ネオ・トクヴィリアン フランス・リベラリズムの独自性 近代議会制の内包する両義性 代議士の有権者からの独立性の確保 ルソーはなぜ代表を嫌ったか 政治哲学的考察――リベラルとソー…

資本主義はどう終わるのか

ヘラー、シュミット、そしてユーロ EU とりあえず第六章だけ読んだ。 資本主義はどう終わるのか作者:シュトレーク,ヴォルフガング発売日: 2017/11/24メディア: 単行本 ヘラー、シュミット、そしてユーロ カール・シュミットの「権威主義国家」にかんするヘ…

フランス革命と身体―性差・階級・政治文化

第2章 エリアスとシュミット 第9章 初めと終わりだけ読んだ。 フランス革命と身体―性差・階級・政治文化作者:ドリンダ ウートラム発売日: 1993/07/01メディア: 単行本 第2章 エリアスとシュミット ノルベルト・エリアスによって問いかけられないままに残…

啓蒙の民主制理論―カントとのつながりで

序文 序論 抵抗権 誤解されたカント本来の理念 第三章 国民主権の法外的次元 10年前にも読んでた→(米憲法は17世紀英国式 - 本と奇妙な煙) 啓蒙の民主制理論―カントとのつながりで (叢書・ウニベルシタス)作者:インゲボルク マウスメディア: 単行本 序文 カ…

憲法パトリオティズム 過去の断罪と解消

まず「監訳者あとがき」を先に。 「記憶」と「闘争性」 憲法裁判所 カール・レーベンシュタイン 終息しなかった憲法パトリオティズム ヨーロッパ憲法パトリオティズム 「新しい過去」、他国の過去を断罪すること 自己卑下とヨーロッパ中心主義 統合による過…

政治的なものについて・その2 右翼ポピュリズム

右翼ポピュリズム シュミットとネオコン ハーバーマス 結論 監訳者解説:酒井隆史(2008年) 前回の続き。 政治的なものについて ラディカル・デモクラシー作者:シャンタル ムフ発売日: 2008/08/12メディア: 単行本 右翼ポピュリズム 右翼ポピュリズムの侵攻…

政治的なものについて シャンタル・ムフ

リベラリズムの中心的欠陥 情動を民主主義的に動員することの意義 左派の課題 ウルリッヒ・ベックの見解 アンソニー・ギデンズ ギデンズと第三の道 政治的なものについて ラディカル・デモクラシー作者:シャンタル ムフ発売日: 2008/08/12メディア: 単行本 …

ポピュリズムとは何か ヤン=ヴェルナー・ミュラー

ポピュリストは、ポピュリストとして統治できる 「憤懣を抱く人びと」ではない 政権についたポピュリスト 非リベラルな民主主義 テクノクラシーとポピュリズムは合わせ鏡 ポピュリズムについての七つのテーゼ ポピュリズムとは何か作者:ヤン=ヴェルナー・ミ…

ニュースクール――20世紀アメリカのしなやかな反骨者たち

「ニュースクール」創設 マーロン・ブランド 複雑なナショナリズム アメリカ化運動と弾圧の拡大 マッカーシズムの構造 ハンナ・アーレント ニュースクール――20世紀アメリカのしなやかな反骨者たち 作者: 紀平英作 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/08…

トランプショックに揺れる世界  『世界』 別冊

トランプはいつ出馬を計画したか バノンとは何者か――怪物の正体 『進歩主義ネオリベラリズムの終焉』ナンシー・フレーザー 「アメリカ民主主義の防衛に残された時間は長くて一年」ティモシー・スナイダー スティーブ・バノンはなぜ「行政国家」を崩そうとし…

資本主義後の世界のために D・グレーバー+矢部史郎

資本主義づくりをやめる 最終的に左翼と右翼を区別するのは 自律空間 資本主義後の世界のために (新しいアナーキズムの視座) 作者: デヴィッドグレーバー,高祖岩三郎 出版社/メーカー: 以文社 発売日: 2009/03/30 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 20回…

〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等

はじめに 保守党の反軍国主義 軍部の地位の引き下げ 「統帥権の干犯」 五・一五事件 〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等 (講談社選書メチエ)作者:坂野 潤治発売日: 2014/11/11メディア: 単行本 はじめに [戦後改革で]日本の左翼とリベラルは、「…

内村剛介インタビュー シベリア抑留「脱欧・入亜」

ハルビン学院における「五族協和」 「リベラリズム」 哈爾濱学院では軍人までがリベラルでした 「革命ロシア」をどう見たか プロレタリア文学、「わだつみ」批判 「脱亜入欧」、後藤新平 ソ連軍侵攻情報を握り潰した関東軍 捕虜する民族・ロシア 満洲とは一…

自由と平等の昭和史・その2

民政党の2つの民主主義 「革命」と「転向者」たちの昭和 前回の続き。 自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治 (講談社選書メチエ)作者:坂野 潤治発売日: 2009/12/11メディア: 単行本 民政党の2つの民主主義 第2章『民政党の2つの民主主義――永井柳太郎と…

ダーク・ドゥルーズ アンドリュー・カルプ 小泉義之

主体――寄せ集めではなく、非-生産 世界を破壊する理由 共謀 反戦運動の破綻の後に ダーク・ドゥルーズ作者:カルプ,アンドリュー発売日: 2016/11/28メディア: 単行本 主体――寄せ集めではなく、非-生産 主体性は恥ずべきものである(略) 主体性は、時代と妥協…

ブロックチェーン・レボリューション

逆のパターンになるんじゃない?というビットコインの夢のような話が続くので、ホンマけ?と思ってたら、第10章で問題点が列記されていた。著者としてはあえてバラ色の未来を強調してみたということなのだろうか。 インターネットの帰還 本物のシェアリング…

現れる存在―脳と身体と世界の再統合 アンディ・クラーク

人間という推論器は分散認知エンジンである 間接創発、創発的集合現象 現実世界とリアルタイム性への主眼 進化の背景 デネット まとめ 現れる存在―脳と身体と世界の再統合作者:アンディ・クラーク発売日: 2012/11/09メディア: 単行本 人間という推論器は分散…

安全保障を問いなおす―「九条-安保体制」を越えて

岸と安倍の共通点 94年自社さ連立政権 「左」からの改憲案 集団的自衛権 日韓豪協力 安全保障を問いなおす 「九条-安保体制」を越えて (NHKブックス) 作者: 添谷芳秀 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2016/04/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商…

丸山眞男の敗北 伊東祐吏

「終戦」 “戦後の丸山眞男” レッドパージ ファシズム 「日本の思想」(1957年) 留置場体験、思想弾圧 丸山眞男の敗北 (講談社選書メチエ) 作者: 伊東祐吏 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/08/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブロ…

バーニー・サンダース自伝 ホワイトハウスのはぐれ者

はぐれ者から最有力候補へ 成功の秘訣 保守派との共闘 壊れているのは政治システムだ 人々と対話し、教育し、組織しろ 自伝本編 1997年の『アメリカ下院のはぐれ者』に「まえがき」と「解説」を足して、2015年に『ホワイトハウスのはぐれ者』として再刊され…

戦前建築界の右傾化状況 磯崎新と藤森照信〜

モダニズムはどう戦争を切り抜けたか アントニン・レーモンド 東京大空襲に協力したレーモンド 右傾化する建築界 戦後語られなかった、戦前戦中「モダニズム」についての磯崎新と藤森照信の対談。その前に、東京大空襲に協力したレーモンドの話。 磯崎新と藤…

保守主義とは何か・その2

フリードマン、ノージック ネオコン 丸山眞男と福田恆存 保守本流 前回の続き。 保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)作者:宇野 重規発売日: 2016/06/21メディア: 新書 フリードマン、ノージック フリードマンは、社会保障の目的が…

保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで

「保守」とは何か 政治家バークの信念 「保守主義」という言葉 フランス革命と名誉革命 ハイエクは保守主義者か オークショット「人類の会話」 アメリカ保守主義の「創始者」 保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)作者:宇野 重規発…

『文藝春秋』の戦争: 戦前期リベラリズムの帰趨

「満洲事変と次の世界大戦座談会」 ゴシップで『話』を黒字に 滝川事件、松岡洋右縦横談 検閲 1937年近衛文麿内閣誕生 戦後 『文藝春秋』の戦争: 戦前期リベラリズムの帰趨 (筑摩選書)作者:貞美, 鈴木発売日: 2016/04/13メディア: 単行本 1931年『文藝春秋』…

ティーパーティ運動の研究 憲法保守とは

ティーパーティ運動とインスティテューションの崩壊 ティーパーティと分裂要因 ティーパーティ運動と「憲法保守」 なんか読む気しねえという人は、デカ字のとこだけで済ませるといいかも。 ティーパーティ運動の研究―アメリカ保守主義の変容作者:久保 文明,…